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【Pardot】スコアリング機能完全解説

【Pardot】スコアリング機能完全解説

こんにちは、SEO Div.の高林です。
今回は、強力なマーケティングオートメーション(MA)ツール「Pardot」のスコアリング機能についてご紹介します。スコアリングは、Pardotを運用するうえで必要不可欠な機能です。
また、スコアリングの概念はPardot以外のMAツールでも多く取り入れられていて、ツール運用とその設計において肝となる部分です。

「そもそもスコアリングについて理解しきれていない…」「スコアリングの設定はしているけど、本当にこれで問題がないのか不安が…」という方はぜひこの記事を参考に、効果的な設定を行ってみてください。

PardotやMAの概要を知りたいという方は、まずこの記事をご覧ください。
PardotやMAに関する基礎的な内容について解説しています。

Salesforce Pardotとは?MAツールの決定版【使い方・仕組み・機能】

Pardotのスコアリングとは?

Pardotには、見込み顧客の興味関心の度合いを測るための尺度として、「スコアリング」と「グレーディング」という指標があります。
まずは、それぞれがどういったものなのか、簡単におさらいしてみましょう。

  • スコアリング:見込み顧客の貴社への関心を表す
  • グレーディング:貴社から見込み顧客への関心を表す

Pardot3

スコアリングとグレーディングは異なる尺度の指標ですが、MAの技術を活用していくうえではどちらとも欠かせない要素です。

スコアリング

一般的にスコアリングは顧客のアクション・アクティビティにもとづいて数値化されるものです。

例えば、配信したメールをクリックすると+1点、ページを閲覧すると+1点、資料やebookのダウンロードをすると+20点、フォームへの登録をすると+50点…という風に、顧客の行動と行動の負荷によって点数付けを行うシステムです。

スコアリングをすることで潜在顧客や見込み顧客が持つ、製品・サービスへの関心度を把握できるほか、スコアの高低に応じて、ユーザーに最適化した施策を行う目安として役立ちます。

例えば、スコアが低いユーザーには認知促進やモチベーションを上げるタイプの施策が有効でしょうし、スコアが高いユーザーは営業にバトンタッチをして、クロージングにつなげるのが有効でしょう。

ちなみに、Pardotではプロスペクトに紐づく全体のスコアを確認できるうえに、商品ごとにセグメント化されたスコアも確認できます。顧客がどの製品を求めているか一目で判断できるため、多数の製品・サービスを展開している企業にはうってつけの機能といえるでしょう。

pardotのスコアリングカテゴリ機能

このようにスコアリングの目的は、顧客の行動から顧客が購買プロセスのどの位置にいるかを判別することにあります。

マーケティングを担当している方々で、メールマーケティングやLPの量産などの施策を行っている方も多いと思いますが、こういったツールを利用し「顧客に最適化したコンテンツを出し分ける」というところまで踏み込んだ施策を行っている方は、そう多くないのではないでしょうか?
全ての顧客に対して、代り映えの無い似た内容のメルマガを配信しても、あまり効果は出にくいでしょう。

グレーディング

顧客の関心度を表すスコアリングに対し、貴社から顧客への関心度を表す「グレーディング」は、スコアリングと逆方向の指標といえるでしょう。

グレーディングは顧客の業種や役職、企業規模や場所といった、様々な属性データを用いてランク付けを行う指標です。

例えば、役職が低く決裁権を持たない見込み顧客を受注につなげるのは時間がかかるでしょう。
たとえその顧客が製品やサービスに魅力を持ったとしても、上司への説明や社内稟議などで意見が通らない可能性もあるためです。

そういった時には、決裁権を持つ役職が高いユーザーへのアプローチを手厚くした方が、早いスピードで成果に結びつかもしれません。

このようにグレーディングは、明らかな属性データから優先度や大きな方向性を決めるのに役立つ指標です。ユーザーの「質」を判断する指標といってもいいでしょう。

このスコアリングとグレーディングを組み合わせて使うことで、見込み顧客の関心度と適合度をマクロの視点で把握できます。

ここまでの説明で、スコアリングとグレーディングに関する基礎的な内容は理解いただけたかと思いますが、実際にPardotではどのように設定されているのか、また、どうすれば効果的な設定ができるのか、とお悩みの方も少なくないはずです。

では、次の章でPardotの初期設定や各アクション毎のスコアリング方法について、具体的にチェックしてみましょう。

初期状態(デフォルト)のスコアリングシステムについて

Pardotでは、初期状態である程度のスコアリング設定がなされています。
まずはPardotにおける、デフォルトのスコアリングシステムについて確認してみましょう。
初期設定では下記のようになっています。

アクティビティ ポイント 内容
カスタムリダイレクトのクリック 3 クリックのたびにポイントが評価されます。
メールの開封 0 開封のたびにポイントが評価されます。メール開封がプロスペクトのスコアに1 回のみ反映されるようにできます。2014 年 4 月 11 日以降にプロビジョニングされたアカウントでは、累積スコアリングは無効になっています。ポイントは最初の開封時にのみ評価されます。
イベントのチェックイン 0 プロスペクトが Eventbrite イベントをチェックインするたびにポイントが評価されます。
イベントへの登録 0 プロスペクトが Eventbrite を介してイベントに登録するたびにポイントが評価されます。
ファイルのアクセス +3 ファイルにアクセスするたびにポイントが評価されます。
フォームエラー -5 フォームの登録を試みるたびにポイントが評価されます。フォームが Pardot のランディングページにある場合は、ランディングページエラーとしてエラーが記録されます。
フォームハンドラーエラー -5 フォームハンドラーの登録を試みるたびにポイントが評価されます。
フォームハンドラーの登録 +50 フォームハンドラーの登録に成功するたびにポイントが評価されます。
フォームの登録 +50 フォームの登録に成功するたびにポイントが評価されます。フォームが Pardot のランディングページにある場合は、正常ランディングページとして登録が記録されます。
ランディングページエラー -5 フォームの登録を試みるたびにポイントが評価されます。
ランディングページ成功 +50 ランディングページの登録に成功するたびにポイントが評価されます。
Olark チャット +10 プロスペクトがチャットを使用するとポイントが評価されます。Olark コネクターを使用しているアカウントで利用可能です。
商談の作成 +50 プロスペクトが商談に割り当てられるとポイントが評価されます。
不成立の商談 -100 プロスペクトに関連付けられている商談が不成立になるとポイントが評価されます。
成立した商談 0 プロスペクトに関連付けられている商談が成立するとポイントが評価されます。
ページビュー +1 ビジターセッションで Pardot トラッキングコードが埋め込まれているページが表示されるたびにポイントが評価されます。ページアクションを使用してポイント値をカスタマイズする場合、そのページアクションのスコア調整のみが適用されます。
サイト検索クエリ +3 サイト検索が Pardot に統合されている場合、プロスペクトがサイト検索を行うたびにポイントが評価されます。
ソーシャルメッセージリンクのクリック 0 Pardot のソーシャル投稿を介して投稿されたメッセージからプロスペクトがリンクをクリックするたびにポイントが評価されます。
サードパーティのクリック +3 サードパーティメールソリューションと統合している場合、サードパーティメールクライアントでクリックされるたびにポイントが評価されます。
トラッキングリンクのクリック +3 トラッキングリンクがクリックされるたびにポイントが評価されます。
ビデオのコンバージョン +50 ビジターが Wistia コネクターを使用して動画の turnstile フォームを入力して変換されると、ポイントが評価されます。
ビデオの再生 0 プロスペクトが動画を再生するたびにポイントが評価されます。
ビデオを 75% 以上再生 +25 プロスペクトが動画を 75% 以上再生するたびにポイントが評価されます。
ビジター +3 Pardot でプロスペクトのクッキーが設定されるたびにポイントが評価されます。ビジターの数は Pardot がプロスペクトのブラウザーにクッキーを設定した回数になります。
Web セミナーへの出席 0 Web セミナーへの出席のたびにポイントが評価されます。
Web セミナーへの招待 0 プロスペクトが Web セミナーに招待されるたびにポイントが評価されます (WebEx のみ)。
Web セミナーへの登録 0 プロスペクトが Web セミナーに登録するたびにポイントが評価されます。

メールのクリックやフォーム登録といったことはもちろん、サードパーティのクリックやトラッキングリンクのクリック、さらにはセミナーへの参加といったアクティビティまで網羅されています。

基本的にはこのようなスコア設定ですが、施策の内容やB to C 、B to Bといった業態に応じて自由にカスタマイズが可能です。
スコアリングのカスタマイズをする際は、[管理]>[オートメーション設定]>[スコアリングルール]から変更してみましょう。

pardot-scoring-flow

スコアリングルールの画面に遷移したら、右上の[スコアリングルールを編集]をクリック。
プルダウンメニューから任意のアクティビティ項目を選択し、ポイントを設定しましょう。

さて、初期設定の状態とカスタマイズの手段が分かったら、次に気になるのはスコアリング設定のベストプラクティスについてです。
ケースによって最適な設定方法は異なりますが、注意する点やポイントについて把握して、効率的なスコアリング設計を練ってみましょう。

スコアリングの効果的な設定方法とは?

お手軽にカスタマイズできるスコアリングですが、多くのMAツールではこのスコアを基準にして見込み顧客へのアクションを行います。Pardotでもそれは同様で、ここでしっかりとした設計をしないと、全体の方向性がズレてしまうこともあります。
そのため、設定を行なうには、まず下記の6点を押さえておくことをおすすめします。

  • 現状の購買プロセスのルートを洗い出す
  • 過去の商談成功例から「商談につながるリード像」を描く
  • 購買意欲系のアクティビティは高く、興味関心系のアクティビティは低く設定する
  • グレーディングと組み合わせて運用する
  • スコアリングモデルを見直す期間をあらかじめ策定する
  • アクティビティの頻度によって、見込み顧客のスコアを変更する

まずは現状の購買プロセスのルートを洗い出しましょう。
前の章でデフォルトの設定項目を紹介しましたが、スコアを設定できる項目は多岐に渡ります。

管理が煩雑になったり、必要のない項目の設定してしまうと、スコアがかさみ実態に即していない形で高スコアのプロスペクトが生まれてしまうこともあります。

まずは現状のビジネスフローから、設定が必要な項目と不必要な項目を分け、不必要な項目はスコアを0に調整するようにしましょう。

また、この購買プロセスのルートを洗い出すと同時に、商談獲得に成功した事例を元にして、コンバージョン(CV)につながるリード像を描いておくことも重要です。
現状のビジネスモデルから案件受注につながるプロセスを明らかにしたうえで、決め手になったポイントには高スコアを付与するなどの対策ができます。

ほかにも、「購買意欲系には高いスコアを付け、興味関心系のアクティビティは低く設定する」「グレーディングと組み合わせて運用する」といったことも重要なポイントです。

あくまでスコアリングの目的は、顧客の購買プロセスを可視化してアクションの基準にすることです。

段階を踏んだ細かすぎるスコア設定や、購買につながりにくい商品想起や興味関心を表すアクティビティに高スコアを付与するのは、あまり意味がないでしょう。
メールの開封やクリック、サイトのトップページ閲覧をしたユーザーと、登録フォームの入力や料金・トライアル申し込みページの閲覧をしているユーザーでは、案件受注への確度は異なるはずです。

ちなみに、購買意欲を表すアクティビティと興味関心系のアクティビティは、下記のように分かれるケースが多いです。

購買意欲系のアクティビティ

  • フォーム登録
  • 料金ページの閲覧
  • 手続き・購入者の手引きページの閲覧
  • お問い合わせページの閲覧、またはお問い合わせ
  • 会社名・サービス名での指名検索

興味関心系のアクティビティ

  • 一般ページの閲覧
  • 無料資料のダウンロード
  • セミナーへの参加
  • メールの開封

ユーザーの重要度を明確にするために、3~5つ程度の項目に絞って、シンプルに設定するケースも多いです。無駄なものをそぎ落とし、何のためのスコア設定なのかを考えて決めていきましょう。

とはいえ、スコア設定は一度で完璧に決められるようなものではなく、運用とともにPDCAを回していく中でチューニングが必要なものでもあります。
そのため、あらかじめ見直しの期間やサイクルを決め、その中でブラッシュアップしていくことも視野に入れておきましょう。
プロスペクトに蓄積されるスコアは一定なので、過去にスコアを積み上げて確度が高かったユーザーでも、現状は何のアクティビティも見られないといった事も起こりえます。
リアルタイムでホットな見込み顧客を獲得するために、一定期間アクティビティが無いプロスペクトはスコアを下げるなどの対策を行うようにしましょう。

スコアリング・グレーディングの豆知識

ここでは、スコアリングとグレーディングについて、紹介しきれなかった用語やルールなどについてまとめてみました。実際に設定する中で分からない点などがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

スコアリングのセグメント(カテゴリ分け)

Pardotでは商品やサービスごとに分類してスコアリングを組むことができます。
多数の製品・サービスを展開している企業にとって、このカテゴリ分けは非常に有用です。

例えば、製品Aに対するスコアが10点、製品Bに対するスコアが100点の見込み顧客がいたとします。
その見込み顧客とセミナーなどで接触した際、顧客の関心度に合わせて製品Bをプッシュする方が成約の確率は高いでしょう。

スコアなどの指標を元に顧客の分析ができていないと、関心度が低い製品Aをプッシュしてしまうことはおろか、まったく関心のない製品Cをプッシュしてしまう可能性もあり得ます。
顧客のモチベーションが高い内に意味のあるアプローチを行い、機会損失のリスクを減らすことが重要です。

スコアリングルールの設定

「初期状態(デフォルト)のスコアリングシステムについて」で、スコアリングルールの設定画面に遷移する方法として、[管理]>[オートメーション設定]>[スコアリングルール]という手順をご紹介しました。
実はPardotには、上記の手順以外でもスコアリングルールの変更ができるルートが存在します。下記がスコアリングルールの設定変更が行えるルート一覧です。

  • [管理]>[オートメーション設定]>[スコアリングルール]
  • [マーケティング]>[オートメーション]>[オートメーションルール]
  • [マーケティング]>[オートメーション]>[ページアクション]
  • [マーケティング]>[Engagement Studio]

グレーディングについて

グレーディングは属性データによって内容が大きく異なるため、初期設定がされていません。
そのため、フォームの登録情報などをもとに個別に設定するようにしましょう。

どのプロスペクトもグレードのランクはDから始まり、設定した項目への適合度でグレードの高低が決まる仕組みです。

  • [マーケティング]>[オートメーション]>[オートメーションルール]
  • [マーケティング]>[Engagement Studio]
    • の2種類の手順から設定画面に遷移できます。
      グレードの評価項目は[マーケティング]>[セグメンテーション]>[プロファイル]から設定しましょう。
      スコアリングと同様に、実際に運用してみてチューニングが必要な機能でもあるため、早めに活用してナレッジを蓄積してみましょう。

      今回はPardotのスコアリングについてご紹介しました。
      スコアリングはPardotの機能の中でも、裏側のアクション設計に関する重要な機能です。
      ぜひ、上手に使いこなして効率的な顧客育成を実現しましょう。

      弊社ではMAに関するセミナーのほか、今回ご紹介したPardotの導入支援や活用するうえでのサポートなども行っています。
      お困りの方は、ぜひ下記のボタンからお気軽にご相談ください。

masamichi.takabayashi

株式会社デジタルアイデンティティ SEO Div.所属。Salesforce認定Pardotスペシャリスト。
SEOを中心にしたサイト改善のお手伝いとメディア運営・ライターの二足のわらじを履いています。SEOやWebに詳しくない方でも「初見で分かる読みやすい記事作り」を目指して奮闘中。
お役立て頂けたら幸いです。

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