- 運用型広告
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GoogleやYahoo!の検索連動型広告の広告運用において、重要な指標として品質スコアがあります。ここでは品質スコアとは何か、混同しやすい広告ランクと品質スコアの違いや、それぞれの関連性、品質スコアの効果的な改善方法についてご紹介します。
目次
品質スコアとは
品質スコア(Yahoo!の場合は品質インデックス)とは、キーワードに対する評価を1~10段階で表す指標のことです。言い換えると、品質スコアとは広告の「品質」の目安をスコアで表示する診断指標です。広告の掲載順位を決定する広告の「品質」がどれほどなのかを分かりやすく数値にできます。広告やランディングページと、ユーザーの検索意図の関連性が高いほど、品質スコアは高まります。また、品質スコアは掲載順位を決定する広告ランクにも影響します
品質スコアの重要性
品質スコアは、キーワードごとに決定される1~10段階で評価されます。この指標の値が高いと広告の「品質」が高いことを表します。品質スコアが高いことで、広告を掲載するために必要なCPC(クリック単価)を抑えて配信することが可能になります。そのため、品質スコアの改善は、検索連動型広告の運用改善において重要な指標になります。
広告ランクについて
具体的に品質スコアの決定要因を説明する前に、広告ランクの説明をします。広告ランクとは掲載順位を決定するオークションで用いられる値です。広告ランクは、一般に品質スコアと入札単価の掛け合わせた数値に広告表示オプションなどの見込み効果を加えた値によって決定されるとされ、以下の式で算出されます。
広告ランク=入札単価(上限CPC)×品質スコア(1-10段階)+広告表示オプションの効果
厳密には、以下の要素で構成されています。
広告ランクの構成要素 | 構成要素の意味 |
入札単価(上限クリック単価) | 広告の1回のクリックに対して、広告主が支払い可能な上限額として設定する単価 |
広告の品質(品質ランク) | 推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性などの6つの指標による評価結果 |
広告ランクの下限値 | 動的に決定される、広告を掲載するために最低限必要な広告配信の予約料金 |
オークションにおける競争力 | オークション上での競合の状況 |
ユーザーが検索に至った背景 | ユーザーが検索を行った際の所在地や時間、使用していたデバイス、実際の検索語句などの検索背景 |
広告表示オプション等の見込み効果 | 広告表示オプションを追加することで、ユーザーの獲得をどれほど促すことができるかの程度 |
広告ランクはこれらの要素で構成されていますが、Googleのヘルプでは、それぞれの要素がどのように関連して広告ランクが決定しているかについては記載されておらず、ブラックボックスと言われています。
品質スコアの決定要因
続いて、品質スコアがどのような構成なのかを説明します。品質スコアは主に以下の3つの指標によって決定されます。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
推定クリック率
広告主の広告が掲載された際に、ユーザーによってクリックされる推定の割合です。これは、広告の過去のクリック率とインプレッションの実績による影響を受けます。実際のクリック率(CTR)とは異なるので注意して下さい。
広告の関連性
広告主の広告がユーザーの検索した意図と、どの程度一致するかを示します。
ランディングページの利便性
広告から遷移した先のページ(ランディングページ)が、広告をクリックしたユーザーにとってどれだけ役に立つか、検索意図に的確な内容を有しているかを示します。掲載されている情報の透明性や、ページの操作性なども影響します。
これらの3つの要素の評価は3段階で「平均より上」「平均的」「平均より下」のいずれかのステータスが付きます。「平均的」「平均より下」であれば、改善余地があります。
品質スコア改善の必要性とメリット
続いて、品質スコアを改善することによるメリットについて詳しく説明します
広告ランクが上昇する
品質スコアを改善することによって、広告の品質が改善されます。それによって、実際に広告の掲載順位が決まるオークションにおいて、他社の広告よりも高い評価を受け、広告の上位掲載が可能になるのです。仮に他社と同じ入札単価を設定していた場合、品質の高い広告が上位に掲載されます。
実際のCPCを抑えられる
広告の品質を上げることによって、他社よりも良質な広告を掲載している場合、実際のCPCを抑えることができます。というのも実際のCPCは上限CPC(入札単価)と異なり、広告ランクや品質スコアが関連して計算されるからです。
実際のCPC=掲載順位が一つ下の競合他社の広告ランク÷自社の品質スコア+1円
詳しいCPCの決定の仕方については「リスティング広告とはいったい何?費用やメリット、仕組みまでご紹介」の記事を参照してください。
例)
自社の広告ランク=3000 品質スコア=6
他社の広告ランク=2500 品質スコア=5
※広告ランクの求め方は上記で記述
自社の広告を掲載した時の実際のCPCは以下のようになる。
2500÷6+1円=¥417
自社の広告ランク=4000 品質スコア=8
他社の広告ランク=2500 品質スコア=5
自社の品質スコアが6から8に上昇すると、
以下の実際のCPCのように下がる。
2500÷8+1=¥313
つまり、入札単価の調整によってCPCをコントロールせずに、広告を上位掲載することが可能になるのです。
品質スコアを活用した問題把握と改善
最後に、品質スコアを用いて実際に広告の運用改善をどのように行っていくべきなのか説明していきます。主に、品質スコアの改善は、上記で挙げた3つの評価指標を改善することになります。
広告の関連性
広告の関連性とは、広告主が登録している検索キーワードと広告文にどれほど関連性があるかということです。広告の関連性の改善には2種類の方法があります。
- 広告文の表現をより検索語句(検索クエリ)の表現に合わせる
- 適切なアカウント構成に変更する
広告表現の改善
検索語句レポートを確認し、ユーザーはどのような検索語句を用いて、広告主の広告のクリックに至ったのかを分析します。その分析に合わせて広告文のABテストを広告グループごとに行い、効果改善を図ります。
適切なアカウント構成にする
1つの広告グループに本来分けるべきキーワードが一緒に詰め込まれていないか確認してください。ターゲットやコミュニケーションが異なっているにも関わらず、1つの広告グループに同じ広告では対応できないキーワードが含まれている場合は、複数の広告グループに分割します。そうすることで、より適切な広告文を検索キーワードに対して配信することができます。
推定クリック率
この指標は説明した通り、特定のキーワードに対して表示される広告がユーザーにクリックされる可能性を表したものです。一方で、クリック率はユーザーにとって、広告がどれだけ有益で関連性の高いものなのかを示す指標であり、推定クリック率にも影響を与えます。そのため、クリック率の改善は、推定クリック率の改善に繋がります。
クリック率の改善についてはこちらのブログ記事「【よく分かる】CTR(クリック率)とは?各広告の平均クリック率や改善案をご紹介!」を参考にしてください。
ランディングページの利便性
いくら多くのユーザーに広告をクリックされていても、ユーザーの検索意図と異なる内容をランディングページで訴求していたり、ページ自体がユーザビリティの悪いページだとユーザーはすぐに離脱してしまいます。そのため、ランディングページの利便性の改善を行う必要があり、その改善点として大きく以下の4点が挙げられます。
- 広告文との関連性を高める
- コンテンツの透明性を高める
- 操作性を高め、離脱を防ぐ
- ページの情報の信頼性を高める
まず、ランディングページについて知りたい方はこちらのブログ記事「LP(ランディングページ)とは?なぜHP(ホームページ)ではなくLPに飛ばすのか」をご覧ください。
広告文との関連性を高める
ユーザーを通常のトップページではなく、訴求に最適化されたページに誘導することが必要です。広告文に含むキーワードをページ内に、配置することでコンテンツの関連性が上がります。またランディングページ内では、あらゆる要素がユーザーに取ってほしい行動(コンバージョン)に繋がるような構成にします。
コンテンツの透明性を高める
ページ内では、ユーザーに不用意に誤解を与えてはいけません。そのため、商品やサービスに関する情報、特に誤解を招きそうな項目については正確に記載しましょう。また実際のユーザーの声や口コミなど第三者からの評価についてのコンテンツをページに盛り込むことで信頼性が高まります。
操作性を高め、離脱を防ぐ
ユーザーが求めている情報をすぐに確認できるような導線づくりや、不用意に外部ページへのリンクを設置せずに、できるだけページ内で回遊させないことが必要です。またCTAボタンを強調し、ユーザーの行動を喚起させ、CVに至らせることでランディングページの評価も高まります。
CTAボタンとは何か、ブログ記事「CTAとは?クリックを促すボタンのデアインでコンバージョンを獲得!」で解説していますので、合わせてご覧ください。
ページの情報の信頼性を高める
ランディングページの読み込みスピードをできるだけ早くし、モバイルフレンドリーな状態に最適化することが必要です。また既存のブランドとランディングページの利便性を一致させることで、ユーザーに不信感を持たせないことが重要です。
まとめ
今回は品質スコアや広告ランクの説明から、品質スコアの改善方法をいくつか解説をしました。結論として、広告を上位表示させるためには、クリック率の改善が最も効果的です。Googleの理念にもあるように、結局はユーザーによって最も有益な広告が配信される仕組みですので、常にユーザー目線に立って、広告運用・改善を行っていきましょう。
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