アトリビューション分析とは、成果に繋がった広告媒体だけでなく、すべての接触履歴を計測ツールを用いて、コンバージョン発生に対する各メディアの貢献度を計る分析方法のことをいいます。
今回は、実際にアトリビューション分析を行い、分析結果より成果改善に至った弊社の事例をご紹介いたします。
目次
【弊社事例】4カ月でCV数が1.5倍に!
アトリビューション分析を行い、それまでは拡大余地がないと思われていたメニューでCV(コンバージョン)数を増加させることができました。
広告主が抱えていた課題
広告主である金融系企業では、ラストクリックCV(※1)の目標CPAは¥32,000でしたが、指名キーワード(※2)のリスティング広告とリターゲティングメニュー以外は、CPAが高く抑制対象となり、配信強化が難しい状況にありました。
そのため、獲得数を伸ばそうにも、予算を投下できる媒体が少なく、広告経由でのCV獲得数が頭打ちになっていました。
(※1)ラストクリックCV:CV経路で最後にクリックされた広告媒体に付くCVのこと。
(※2)指名キーワード:社名やサービス名、ブランド名などを具体的に想起させるキーワードのこと。
実績と効果
上記の課題を踏まえ弊社では、アトリビューション分析を行い、各媒体の間接効果の再評価を実施しました。その結果、それまで抑制対象であったリスティング一般ワードやYDAが、特にCVの獲得に間接貢献していたことが判明。
その貢献度に応じて許容CPAを設定し直し、配信強化をおこなった結果、頭打ちと思われたリスティング(特に指名)の獲得が伸び、CPAを引き下げながらCV数を1.5倍に伸ばすことに成功しました。
アトリビューション分析と改善手順
実際におこなったアトリビューション分析と改善の手順を説明します。
ステップ1:解析ツールで初回貢献CVと間接貢献CVを把握
AD EBiSやGoogle Analyticsなどの解析ツールを用いると、各媒体におけるCVを確認することができます。ラストクリックCV以外のCV数を確認することで、それぞれのメディアや媒体の貢献度を算出できるようになります。
ステップ2:各媒体の貢献率を算出
それぞれの媒体における貢献率は以下の式で算出されます。
各媒体の貢献率 = 各媒体の間接貢献CV ÷ ラストクリックCV
ステップ3:指名以外の許容CPAの確認
ステップ1でだした間接CV数値から、現在の消化コストと間接CV数値で指名以外の許容CPA(ラストクリック)を算出します。その許容CPAにステップ2で算出した各媒体の貢献率を掛け合わせると、各メニューの適正CPAを割り出すことができます。
ステップ4:適正CPAに応じて各媒体の予算をアロケーション
最後に、本来の許容CPAに合った予算をそれぞれの媒体メニューに割り当てます。すると、それまでCVが取れておらず、予算を当てていなかった媒体の予算を増加させたりすることができます。
アトリビューション分析の注意点
アトリビューション分析を正確におこなうために、いくつか注意点があります。
アトリビューションモデルの選定
アトリビューション分析におけるメディアや媒体などの接点の評価方法はいくつかの基本モデルに分かれています。どのモデルを用いて分析するかは、事業の成長フェーズや戦略などによって決めましょう。詳しくは下記弊社のブログを参照してください。Googleアナリティクスによるアトリビューション分析について解説しています。
分析は、適正CPAを出して終わりではない
アトリビューション分析は、一度実施して効果が得られるほど簡単なものではありません。分析結果をもとに各媒体のコスト投下を再調整し、全体のCVへの影響を振り返ることが必要です。繰り返し検証をおこない、適切な予算配分を導き出します。そのため商材やサービスによっては、分析に数ヵ月間掛かることがあります。
分析期間の商材の検討期間を考慮する
アトリビューション分析をおこなう際の分析データの参照期間は、商品やサービスを認知してから購入までに至る検討期間としてください。これは、ユーザーはその商材を認知してから購入に至るすべての接点を含めた分析を行うためです。例えば、保険ではユーザーが広告をクリックしたあと資料請求をして、保険の申し込みをするまでが検討期間と考えられます。
定期的な振り返りと分析が必要
それぞれのサービスや商品は、季節需要や流行などの外的要因によって、各数値が変化することもあります。そのため、一度分析して終わりではなく、その商材の検討期間にあわせて、定期的に分析をおこなうことが必要です。
まとめ
今回ご紹介した弊社の事例では、アトリビューション分析をおこなうことで、抑制対象だったメニューの貢献度を正しく評価し、結果的に全体のCVを増加することができました。リスティング広告の頭打ちをして悩まれている方は、ぜひ一度弊社、デジタルアイデンティティへご相談ください。
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