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ユーザビリティとは?概要から改善方法まで徹底解説!

ユーザビリティについて聞いたことはありますか?
WEBサイトにおいてユーザビリティはユーザーからの評価を左右する重要な項目ですが充分な理解がないと良し悪しが分かりにくいですよね。
今回はユーザビリティの定義、評価と改善の方法について解説します。

またウェブサイト全体の改善方法に関しては以下の記事で詳しくご紹介しております。

【Webサイト集客で結果を出す!】ポイントは現状把握と分析!結果を出すPDCAサイクルとは?


ユーザビリティとは

ユーザビリティとは、一般的にWebサイトやソフトウェアの「使いやすさ」を表します。
ユーザビリティの2つの定義を紹介します。

国際的な定義ってあるの?

国際規格ISO9241-11の定義によると、ユーザビリティとは『特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザーの満足度の度合い』とされています。
つまり、ユーザビリティとは限定的な状況下での使いやすさを表します。
そのため、誰もが使用できる状況を表す「アクセシビリティ」とは異なります。

専門家の意見は?

ユーザビリティ研究の第一人者のヤコブ・ニールセン博士は、著書「ユーザビリティエンジニアリング原論」で、ユーザビリティを以下のように定義しています。

学習しやすさ(Learnability):システムは、ユーザーがそれをすぐ使いはじめられるよう、簡単に学習できるようにしなければならない。

  • 効率性(Efficiency):一度学習すれば、あとは高い生産性をあげられるよう、効率的に使用できるものでなければならない。
  • 記憶しやすさ(Memorability):ユーザーがしばらくつかわなくても、また使うときにすぐ使えるようにし、かつ致命的なエラーは起こってはならない。
  • エラー(Errors):エラーの発生率を低くし、エラーが起こっても回復できるようにし、かつ致命的なエラーは起こってはならない。
  • 主観的満足度(Satisfaction):ユーザーが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しく利用できなければならない。

(『ユーザビリティエンジニアリング原論』(邦訳は1999年、原著は1994年)より)

この定義においてのユーザビリティは「ユーザーがどのくらい使いやすいと感じるか」を指しています。
ISO9241-11の定義とは異なり、ヤコブ・ニールセン博士は、ユーザビリティを評価の観点から定義しています。

ユーザビリティの評価

今回は、ヤコブ・ニールセン博士による定義を参考に、ユーザビリティの評価について解説していきます。

ユーザビリティを高めるためには、まずユーザビリティを適切に評価する必要があります。
評価方法は主に以下の4つです。

  1. ユーザビリティテスト
  2. ヒューリスティック評価
  3. アイトラッキング調査
  4. ウェブユーザビリティ評価スケール

これらは、別々に実施することもできますが、いくつかを組み合わせることで、より精度の高いテストを行うことも可能です。
それでは順番に見ていきましょう。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとは、実際にユーザーに使用してもらい、ユーザビリティの問題を発見する手法です。
このテストを行うには、想定しているターゲットユーザーと属性の近い人を集める必要があります。
定量的に数十人以上でテストを行う場合もありますが、一般的には5人程度で定性的に行う場合が多いです。

ヒューリスティック評価

ヒューリスティック評価とは、経験則に基づいて専門家がユーザビリティのチェックを行い、WEBサイト上の課題点を抽出するというものです。
基本的には専門家が行う手法ですが、ポイントを抑えれば専門家でなくても行うことが可能です。
評価のポイントとしては、ヤコブ・ニールセン博士が提唱した「ユーザビリティに関する10のヒューリスティック」が有名でしょう。
では、その内容を見てみましょう。

  • システムの状態がわかるようにする:ユーザーに対して「何が起こっているのか」を知らせる。
  • システムと利用環境の適合:利用される環境に従って、自然で理にかなった形で情報を提示するようにシステムを作る。
  • ユーザーの主導権と自由度:望まない状態から抜けられる仕組みを提供する。
  • 一貫性と標準化:プラットフォームのしきたりに倣う。
  • エラーの予防:注意深くデザインして問題発生を防止する。
  • 再生より再認:システムを使うための説明は視覚的で、いつでも容易に見られるようにする。
  • 柔軟性と効率性:ユーザーがたびたび実行する機能については、ユーザー自身が効率化を調整できるようにする。
  • 美的で最小限のデザイン:システムとユーザー間に、見当違いな不必要な情報を含んではならない。
  • ユーザーによるエラーの認識・診断・回復のサポート:エラーメッセージは問題点を正確に示し、解決策を建設的に提言する。
  • ヘルプと説明文:ヘルプや説明文書の情報は全て、容易に検索でき、ユーザーの行為に焦点を当てることができ、なすべき具体的な手順がリストアップされ、分量が大きすぎないようにする。

アイトラッキング調査

アイトラッキング調査とは、視線を追跡する装置(アイトラッカー)を用い、人間の視線の動きの追跡と分析を行う方法になります。
この調査のアウトプットの方法は以下の3種類です。

  1. 映像:視線の動きが評価対象物上にプロット(グラフ化)されたもの。
  2. ゲイズプロット:視線の順序と注視時間を表したもので、個人の視線の動きを分析するのに適している。
  3. ヒートマップ:視線の注視時間を視覚化したもので、全体の傾向を分析するのに向いている。

アイトラッキング調査では、ユーザーが見ている箇所と見ていない箇所を客観的に知ることができます。
しかしその一方で、視線を動かして見ていない、人間の無意識の部分を測定できないというデメリットがあります。

ウェブユーザビリティ評価スケール

ウェブユーザビリティ評価スケールとは、(株)富士通と(株)イードが共同で開発したアンケートを用いた手法です。
この手法では、属性の近いユーザーが評価対象サイトを実際に利用し、21項目について5段階評価をし、評価します
評価の基準は以下の7つです。

  • 好感度:ウェブサイトに対して「いい感じ」を抱いたかどうか。特に「楽しさ」「親しみ」といった方向での個人的・主観的な満足感。
  • 操作のわかりやすさ:ウェブサイトを利用しようとするときの操作や手順はわかりやすいか。自分の思うとおりに操作できる感覚。
  • 役立ち感:ウェブサイトに対して「これは使える」「役に立つ」という感覚を抱いたかどうか。再訪思考や、他人への推薦意向に直結。
  • 構成の分かりやすさ:ウェブサイトの全体構成、改装構造といった空間的なわかりやすさや全体的な統一感はあるか。
  • 見易さ:ウェブサイトの視覚的な見易さは十分か。
  • 反応のよさ:ウェブサイト上での操作に対する反応や、ウェブサイトの動き具合が適切でかつ素早いか。
  • 内容の信頼性:ウェブサイトに掲載されている情報が、内容的に見て信頼できそうか。

この手法は短期間かつ低コストで実施することができます。

ユーザビリティを改善するには

ここまでユーザビリティの定義や評価方法などについて説明してきました。
では、ユーザビリティを高めるための具体的な施策はどういったものが考えられるでしょうか。
今回は3つ、ユーザビリティ向上のための施策を紹介します。

配色を変更する

背景の色を考慮して、ボタンなどはユーザーが見逃さないように見やすい色に変更しましょう。
また、色だけではなく、影をつけて立体的に見せるなども有効ではないでしょうか。
そうすることで、操作がわかりやすくなり、ユーザビリティの向上につながります。

シンプルなデザインにする

構成がわかりやすいと、ユーザーが情報を認識しやすくなり、ユーザビリティの向上が期待できます。
例えば、サイドメニューを追加して画面を分けるなどを検討すると良いでしょう。

メニュー名と内容を一致させる

メニュー名と内容が異なっているとユーザーはストレスを感じます。
メニュー名を内容と同じにすることで、どこに何が書いてあるかがわかりやすくなり、ユーザビリティを向上させることができます。

まとめ

今回はユーザビリティの定義や改善方法について説明しました。
ユーザビリティは、特定の状況下での使いやすさのことで、ユーザーの行動、心理、目的などを考慮することが改善につながります。
例えば、ユーザーの使い勝手を考えて配色を変更したり、シンプルなデザインにすることでユーザビリティの向上を図ります。
WEBページなどを作る際にはユーザビリティを考慮したうえで作成してみてはいかがでしょうか?

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