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CDNとは?キャッシュサーバーとの関係性や仕組み・導入するべき事例

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Tanaka Yuta

TanakaYuta SEO Div. コンサルタント

現在までに100社以上のSEO対策に従事し、様々なジャンル・キーワードで上位表示を実現。薬機法管理者の資格を有しているいること、SEOライターとして自身でもライティングができることから、広告表現が難しい医療・美容・健康を得意領域としている。「成分名」や「〇〇 効果」などの難関キーワードでの上位表示実績多数。SNSでの情報発信にも力を入れており、約10,000名のフォロワーを獲得している。

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Webサイトの運営やコンテンツを更新する中で、CDNという言葉を耳にする機会は非常に少ないかと思います。しかし、Webサイトやコンテンツはサーバーを利用してユーザーに届けている以上、サーバーの負荷をできる限り減らし、より高速に表示させることが必要不可欠です。端的に言えば、それらの高速化のために役立つのがCDNです。

本記事では、CDNの概要や仕組みを解説するとともに、CDNを利用するメリットデメリットをご紹介します。また、CDNを導入するべき事例も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

Webサイトの運営やコンテンツを更新する中で、CDNという言葉を耳にする機会は非常に少ないかと思います。しかし、Webサイトやコンテンツはサーバーを利用してユーザーに届けている以上、サーバーの負荷をできる限り減らし、より高速に表示させることが必要不可欠です。端的に言えば、それらの高速化のために役立つのがCDNです。

本記事では、CDNの概要や仕組みを解説するとともに、CDNを利用するメリットデメリットをご紹介します。また、CDNを導入するべき事例も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

CDNとは?

まずは、CDNの概要からご説明します。CDNとは「Content Delivery Network(コンテンツデリバリーネットワーク)」の略で、Webサイトやコンテンツをより高速にユーザーに届けるためのネットワークのことです。

昨今、ユーザーはYouTube等の動画コンテンツの視聴や、iOS等のアップデートを日々行っています。しかし、それらの裏側では、サーバーやネットワークに想像以上の負荷がかかっていることも事実です。それらの負荷を軽減するための工夫がされているネットワークがCDNになります。CDNでは、様々なコンテンツにアクセスが集中したり、容量が大きくなったりしても、Webサイトやコンテンツを問題なく表示させることが可能です。

CDNの仕組みとは

CDNの概要をご説明したところで、ここからはCDNの具体的な仕組みをご紹介します。

CNAMEレコードを使用したコンテンツ配信

CDNを理解するにあたって、前提としてDNSを理解することが大切です。DNSには、Aレコードと呼ばれる、最も利用されている値が存在します。Aレコードとは、URL(ドメイン)のIPアドレスを指定するレコードのことです。Aレコードがあることによって、ドメインとサーバーを紐付けることができます。

上記に加えて、DNSには「CNAME」と呼ばれるリソースレコードが存在します。「Canonical NAME」の略のことで、特定のドメインを別のドメインに紐付けられます。つまり、ドメインAのURLとドメインBのURLを紐付けられるため、ドメインAのURLにアクセスしたまま、ドメインBを表示することが可能です。

301リダイレクト等をイメージする方も多いかもしれませんが、リダイレクトでは、ドメイン自体が別のWebサイトにユーザーを飛ばすことになります。しかし、CNAMEではリクエストを行ったURLのまま、別のURLのWebサイトを表示させられる違いがあります。

上記のCNAMEの仕組みを利用することによって、自社のドメインはそのままに、別のサーバーからコンテンツ(データ)を配信できるということです。

オリジンサーバーとキャッシュサーバー

次に、オリジンサーバーとキャッシュサーバーの2つを理解する必要があります。端的に言えば、オリジンサーバーは元データを保有しているサーバーのことで、キャッシュサーバーは配信を代わりに行うサーバーのことです。

CDNはDNSとオリジンサーバー、キャッシュサーバーの3つで成り立っており、下記の手順に沿って配信が行われます。

  • ユーザーがDNSを経由する
  • キャッシュサーバーへリクエストする
  • データをキャッシュサーバーからオリジンサーバーに取りに来る

具体的なCDNの設定としては、CNAMEに特定のドメインを指定し、オリジンサーバーのURLをCDNの管理画面から設定することになります。

なぜCDNは必要なのか?

CDNを活用することで、画像や動画などの容量が大規模なWebサイトでも、負荷を軽減して高速化を実現できます。加えて、ユーザーの混雑が起こるアクセスの集中時においても混雑を回避できるため、売上の損失が起こってしまうサーバーダウンを防ぐことが可能です。

1990年代は、テキストベースの簡素なWebサイトばかりでした。今はECサイトを代表例に、大量の画像や動画を使うWebサイトも増えてきています。これらのWebサイトは、アクセスが増えるとサーバーダウンを起こしやすく、同時に表示速度も低速化するため、売上の機会損失が発生しやすいです。

これらを回避するためにCDNは注目されており、導入事例も増えているという背景があります。

CDNを利用するメリット・デメリット

ここまで、CDNの概要等を解説しました。ここからは、CDNを利用するメリット・デメリットをご紹介します。

  • メリット①:サーバー・ネットワークの負荷の軽減
  • メリット②:レスポンスの速度が向上する可能性がある
  • デメリット①:アクセスログの取得が困難なことがある
  • デメリット②:残ったキャッシュから個人情報が漏れる可能性がある
  • デメリット③:ファイルの更新が遅れることがある

それぞれ順番に見ていきましょう。

メリット①:サーバー・ネットワークの負荷の軽減

1つ目のメリットは、サーバーやネットワークの負荷が軽減することです。CDNでは、オリジンサーバーのみならず、オリジンサーバーからの情報を取得したキャッシュサーバーがリクエストを受け付けることになります。したがって、オリジンサーバー自体はもちろん、オリジンサーバーと繋がるネットワークの負荷が軽減されることに繋がります。

メリット②:レスポンスの速度が向上する可能性がある

CDNでは、オリジンサーバーに代わり、世界中のキャッシュサーバーに対して負荷が分散される仕組みとなっています。そのため、サーバーのレスポンスが向上することに期待ができるメリットがあります。

デメリット①:アクセスログの取得が困難なことがある

CDNサービスは、数多く存在します。そのサービスの中には、アクセスログをキャッシュサーバーに対して提供していない場合があります。その場合、アクセスログの取得が困難になるデメリットが生まれるでしょう。

デメリット②:残ったキャッシュから個人情報が漏れる可能性がある

本記事でも解説しているとおり、CDNはキャッシュサーバーがリクエストを受け付けます。そのため、会員ページや特定のプライバシーページに個人情報のキャッシュが残っていると、個人情報が漏れる危険性があるデメリットがあります。これが「キャッシュ事故」です。

これらを防ぐためには、キャッシュするWebサイトやコンテンツが適切な対象になっているかを随時確認することが大切です。

デメリット③:ファイルの更新が遅れることがある

残っているキャッシュの情報が古いと、最新の情報が配信されません。したがって、キャッシュサーバーが適切に最新の情報を取得しているか、キャッシュを保持する期間は適切であるかを確認しましょう。

CDNを導入するべき事例とは

CDNを導入するべき事例とは

ここまで、CDNを利用するメリット・デメリット等を解説しました。最後に、CDNを導入するべき事例を3つご紹介します。

  • 動画データを日常的に利用する
  • WordPressの高速化
  • ライブラリーを多く使用したWebサイトを運営している

それぞれ順番に見ていきましょう。

動画データを日常的に利用する

画像やHTMLでのコンテンツと比較して、動画データは非常に容量が大きいです。そのため、サーバーにかかる負担も大きくなり、ユーザーが動画をクリックしても再生までに時間がかかったり、視聴途中で動画が止まったりすることに繋がります。これらは、ユーザー目線からすると最悪に近いデメリットだと言えるでしょう。

しかし、CDNを利用することでオリジンサーバーの負担が軽減されるため、動画配信を高品質かつ安定的に行なえます。結果的に、ユーザー満足度も向上することに期待できるでしょう。

WordPressの高速化

多くのホームページやWebサイトで利用されているWordPressですが、実はサーバーの負担が大きいことも事実です。その結果、ページの表示速度が遅延するケースも増えています。

WordPressは、リクエストされるごとにHTMLファイルを生成する「動的コンテンツ」であるため、サーバーに予めファイルが入っている「静的コンテンツ」とは異なります。しかし、CDNではキャッシュサーバーを利用するため、都度HTMLファイルを生成する必要がなく、その分だけWordPressを高速化させることが可能です。

ライブラリーを多く使用したWebサイトを運営している

最後に、JavaScriptを簡単に記述できるようにするjQuery等の、ライブラリーを多く使用したWebサイトを運営している場合にもCDNは有用です。jQueryはインターネット上に保管されており、それらを取り出して使うことでJavaScriptの記述を簡単に行なえます。

そのため、CDNでjQueryのデータをキャッシュサーバーに残しておくことで、オリジンサーバーの負荷が軽減され、Webサイトの表示速度が向上することにも繋がります。

代表的なCDN事業者

CDNを使う場合、CDN事業者を利用するのと、レンタルサーバーを利用する2つの方法が存在します。ここでは、代表的なCDN事業者を5つご紹介します。

  • Akamai
  • Amazon CloudFront
  • Cloudflare
  • Fastly
  • CDNNetworks

それぞれのCDN事業者の特徴を順番に見ていきましょう。

Akamai

Akamaiは、130ヶ国以上かつ、24万台以上のCDNサーバーを保有する世界一のCDN事業者です。2022年時点では、全世界中のトラフィックのうち、30%をAkamaiが支えていると言われています。

大規模なWebサイトやECサイトに適しているため、国内のトラフィックのみを集めている場合は利用に適さないでしょう。一方で、世界各国からトラフィックを集めている場合はAkamaiがおすすめです。

参照:Akamai

Amazon CloudFront

Amazon CloudFrontは、Amazonが提供するAWSによるCDNサービスです。AWSは、近年注目を集めているクラウドサーバーであり、小規模から大規模なWebサイトまで導入されています。

現状AWSを利用しているようであれば、新たにAmazon CloudFrontを契約する必要はありません。AWSのサービスにAmazon CloudFrontが付帯しているため、そのまま利用することができます。

参照:CloudFront

Cloudflare

Cloudflareは、無料で利用できるCDNサービスです。他のCDN事業者と異なるところは、企業向けのみならず、個人やフリーランスでも利用できることです。また、Akamaiに追随する世界80ヶ国以上にサーバーを保有しているため、大規模なWebサイトにも導入できます。

参照:Cloudflare

Fastly

FastlyのCDNサービスは、カスタマイズ性に富んでいることが特徴です。Fastlyは「Varnish」とWebサーバの「H2O」を用いてCDNを提供しているためです。これにより、キャッシュクリアを高速に行えたり、レスポンスも高速になったりするメリットがあります。

また、アクセス状況をリアルタイムで分析できる機能も搭載されているため、より現場の運用に適しているCDNを探している場合はFastlyがおすすめです。

参照:fastly

CDNetworks

CDNetworksは、アジアで最も大きなCDN事業者です。アジア圏全般のアクセスに対応しており、越境ECを展開している方も安心して導入できます。また、セキュリティ対策を行うことも可能です。

参照:CDNetworks

CDNを提供している代表的なレンタルサーバー

先ほど、CDN事業者をご紹介しました。ここからは、CDNを提供している代表的なレンタルサーバーを3つご紹介します。

  • エックスサーバー
  • SEEDS Hosting Service
  • さくらのレンタルサーバー

それぞれ順番に見ていきましょう。

エックスサーバー

エックスサーバーは「Xアクセラレータ」というCDNサービスを提供しています。下記2つのバージョンが用意されており、自社のWebサイトの状況に応じて使い分けるのがおすすめです。

  • Xアクセラレータ Ver.1:静的ファイルの高速化+同時アクセス数の拡張
  • Xアクセラレータ Ver.2:1の内容+PHPプログラムの高速化

なお、XアクセラレータはWebサイトの表示速度を高速化させ、同時に安定させるためのサービスです。エックスサーバーを利用している方であれば、無料でXアクセラレータも利用できます。

参照:エックスサーバー

SEEDS Hosting Service

SEEDS Hosting Serviceは、低コストで利用できるCDNサービスです。月額の管理費用が5,000円、1GBにつき約9円が課金されていきます。日本のみならず、海外にもCDNの拠点があるため、越境ECや大規模なWebサイトを運営している場合にもおすすめです。

参照:SEEDS Hosting Service

さくらのレンタルサーバー

さくらのレンタルサーバーでは「コンテンツブースト」と呼ばれるCDNサービスを提供しています。コンテンツブーストには複数のプランが用意されているものの、どれも月額数千円程度に抑えられるため、予算が少ない企業でも安心です。管理画面も直感的に操作できるので、初めてCDNサービスを利用する方におすすめです。

参照:さくらのレンタルサーバー

CDNはDDoS攻撃対策も可能

ここまで、CDNの概要や代表的な事業者を解説してきました。ところで、DDoS攻撃という言葉は聞いたことがあるでしょうか。DDoS攻撃とは、Webサイト(サーバー)に対して過剰な負荷をかけたり、脆弱性を攻撃したりすることで、Webサイトの運営を妨害する攻撃のことです。

インターネット上で最も多いサイバー攻撃の1つであり、対策に頭を悩ませている方も多いです。しかしCDNを利用すれば、DDoS攻撃の対策を行うこともできます。CDNが耐えきれないほどの過剰なDDoS攻撃を受けたら対処できませんが、一定レベルの過剰な攻撃には耐えられる特性を持っています。

ただし注意点としては、従量課金制の場合はDDoS攻撃のアクセス自体もCDNの課金対象になってしまうことです。当然ながら、DDoS攻撃のアクセス数が増えるほど課金される金額も増えてしまいます。

CDNを活用すればDDoS攻撃の対策を行うことはできますが、より根本から対策したい場合は、外部の保守業者やセキュリティに強い会社に対策を依頼するべきでしょう。

まとめ:CDNを適切に利用して高速化を図りましょう

CDNを適切に利用して高速化を図りましょう

本記事では、CDNの概要や利用するメリット・デメリット等を解説しました。CDNにはサーバーやネットワークの負荷を軽減できるメリットがあるため、WordPressの高速化や動画コンテンツを多く配信している場合に非常に役立ちます。

まずはCDNの概要を理解し、必要であると判断した場合は、CDNサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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