- マーケティングオートメーション(MA)
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顧客とのコミュニケーションを自動化し、工数の削減やリード獲得数の向上に寄与するMAツール(マーケティングオートメーション)。
特に、MAツールの運用を成功させるためには、シナリオの設計を効果の見込めるものにする必要があります。今回の記事では、MAツールのシナリオとは何か?を解説しながら、成果を高めるためのシナリオの設計方法についてご紹介します。
MAツールについてお悩みをお持ちの方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
MAのシナリオとは?
MAのシナリオとは、見込み顧客を育成するための「コミュニケーションの設計図」を指します。シナリオは事前に設定する必要があり、最適なタイミングで顧客が求めているコミュニケーションを行う必要があります。
シナリオ以前に、MAについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
【MAとは?】マーケティングオートメーションとは何か分かりやすく説明します!
シナリオの役割
シナリオの役割は多岐にわたるため、設計次第でさまざまな役割を持たせることが可能です。例えば「獲得したリードを育成し、商談・契約などの次のステップに到達する顧客を増やすこと」や、「既存顧客の商品理解を促し、客単価を上げること」などが挙げられます。
シナリオがもたらす効果
MAのシナリオを導入し、最適な運用をしていくことで商談機会・契約数の増加、客単価の増加が期待できます。
また、今まで人力で行っていた継続的なコミュニケーションを自動化することができるため、工数の削減にも繋がります。結果的に、新しいリード獲得のためのアクションや営業戦略の見直しに工数を割くことができ、会社全体の売上向上も期待できるでしょう。
MAのシナリオ設計で重要な考え方
まず最初に考えるべきことは「シナリオのゴール」です。「リードを育成し、商談機会を増やすこと」や、「客単価を上げること」がよくあるゴールの例になります。
次に、MAのシナリオ設計で重要な考え方について紹介します。MAのシナリオを設計する際は「だれに?」「いつ?(頻度も)」「なにを?」「どのように?」コミュニケーションをとるのか、明確にした上で始めることが重要です。顧客にとって価値のあるコミュニケーションを提供するために必要な考え方になります。
また、PDCAを回すことを前提として設計することも重要です。シナリオの設計は、初期構築だけでは終わりません。定期的に数値を確認し、PDCAを回し続けることが成果を上げるためには必要不可欠です。
MAのシナリオ設計の流れ
具体的なMAのシナリオ設計に入る前に、シナリオ設計の手順の全体像を把握しましょう。先ほど紹介した「だれに?」「いつ?(頻度も)」「なにを?」「どのように?」という考え方から当てはめていきます。全体像をまとめた表が下記になりますので、ご確認ください。
MAのシナリオ設計の考え方 | シナリオ設計の流れ |
---|---|
だれに? | ペルソナを設計する |
いつ?(頻度も) | タイミングを設計する |
なにを? | コンテンツを設計する |
どのように? | コミュニケーションの方法を決定する |
1,ペルソナを設計する
まず、最初のステップとしてペルソナを設計していきます。シナリオの対象を明確にすることで、コミュニケーションの精度を上げることができます。
【ペルソナの例】
- メールでの問い合わせは確認できたものの商談化に至っていない人
- セミナーの参加は確認できるが、次のステップに進んでいない人
- 継続的に契約をしており、客単価を上げることができる見込みがある人
ペルソナ設計のポイント
ペルソナ設計では、シナリオのゴールから逆算して、対象となる顧客を漏れなくダブりなく設計することが重要です。その際に顧客の「カスタマージャーニー(顧客のフェーズ)」「顧客の行動」を軸に作成すると、漏れなく被りなくペルソナ設計をすることができます。
具体的な流れとして、はじめに顧客のカスタマージャーニーの軸から考えます。一般的なカスタマージャーニーの段階をざっくりと分けると「見込み顧客」「新規顧客」「一般顧客」「ロイヤル顧客」「休眠顧客」となります。仮にシナリオ設計のゴールが「商談機会の増加」である場合「見込み顧客」をイメージしてペルソナを設計することになります。
次に顧客の行動軸では、見込み顧客を「セミナーに参加したが、商談に至っていない顧客」「問い合わせは確認できたが、商談に至っていない顧客」など、細分化して考えましょう。
このように大きな分類から掘り下げて考えることで、明確なペルソナを設定することができます。
2,タイミングを設計する
次にコミュニケーションをとるタイミングを設計します。タイミングには「いつ」「どれくらいの頻度で」の2つを設定する必要があります。ペルソナの行動を促すために、最適なタイミングを設計しましょう。
【タイミングの例】
- 設定したアクション(問い合わせ、セミナー参加など)から3日後
- 時間帯
- 3日に1通のペース
タイミング設計のポイント
タイミングの設計では、顧客との関係が悪化するリスクを常に念頭に置いて設計する必要があります。なぜなら、顧客に必要以上の頻度でメッセージを送ると、マイナスな印象を与えてしまう可能性があるからです。結果的に、メールマガジンの配信停止に至るケースも考えられます。
タイミングの設計に関して、自分が実際にメルマガ配信を受けた経験から、考えると良いかもしれません。どのタイミングで、どれくらいの頻度でコミュニケーションをとれば価値を感じさせることができるか、慎重に検討を行いましょう。
3,コンテンツを設定する
次にどんなコンテンツを配信するのかを設定します。コンテンツは顧客が興味を持ちやすく、次のアクションを促すことができる内容を意識して作成しましょう。
【コンテンツの例】
- 商品の活用方法についてのコンテンツ
- よくある悩みを解決するコンテンツ
- セール商品の事前告知・紹介コンテンツ
コンテンツ設定のポイント
コンテンツを設定する際には、カスタマージャーニーを活用しましょう。カスタマージャーニー上で、顧客がどのような悩みやニーズを抱えているか明確にし、最適なコンテンツを配信できるようにしましょう。
また、単に悩みやニーズに合ったコンテンツを配信するだけでなく、意図する行動へ導くための内容を盛り込むようにしましょう。
4,コミュニケーション方法を決定する
次にコミュニケーションの方法を決定しましょう。具体的には、顧客とコミュニケーションをとる手段のことを指します。
【例】
- Eメール
- SNS
- ショートメッセージ
コミュニケーション方法の設定ポイント
コミュニケーション方法の設定では、まずは自社が保有している情報(メールアドレス・電話番号・SNSアカウントなど)から考える必要があります。自社が保有していない情報では、コミュニケーションを取ることができません。
また設定したペルソナが頻繁に使用しているチャネルは何か、という視点も重要です。コミュニケーションのゴールは、あくまで行動をしてもらうことです。そのために、メッセージを開いてもらいやすい手段を選ぶ必要があります。
MAのシナリオ例
ここでは、MAのシナリオ例をご紹介します。シナリオ作成のポイントは理解できたものの、具体的なイメージができないという方は、ぜひ紹介するシナリオ例を参考にしてみてください。
BtoB営業のシナリオ例
こちらはBtoB営業のリードを育成することを目的としたシナリオ例になります。最終的に営業担当者に通知が届くように設計しており、最適なタイミングで営業をかけることができるようなシナリオとなっております。
こちらのシナリオでは、名刺交換で入手したメールアドレスに対して製品案内のメールを送信しております。メールの中に資料ダウンロードページのURLを挿入しておくことで、誰が資料ダウンロードを行ったかが分かるようになっています。資料がダウンロードされるとすぐに営業担当に通知が行くようになっているため、興味を持っているユーザーにタイムリーにアプローチすることが可能となっています。
BtoCサービスのシナリオ例
こちらはBtoCサービスの新規申込数を増加させることを目的としたシナリオ例になります。様々な訴求軸で、申込を促進し、メールに添付するリンクから申込ができるように設計しております。
こちらのシナリオでは、メールの中に複数のURLを挿入し、ユーザーがクリックしたURLによってコミュニケーションを変えています。製品Aのリンクをクリックしたユーザーには製品A情報を、製品Bのリンクをクリックしたユーザーには製品Bの情報を、といったようにユーザー一人ひとりに最適なコンテンツを配信することが可能となっています。
まとめ
今回の記事ではMAのシナリオ設計の方法を紹介しました。MAは導入後に、継続的なPDCAを回すことで、はじめて期待している成果を上げることができます。
シナリオにおいても同様です。日々数値を確認することで、継続的な仮説と検証を繰り返すPDCAが必要になります。ぜひ今回の記事を参考にシナリオを設計し、ビジネスの成果を高めていきましょう。
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