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デマンドジェネレーションキャンペーンとは|実際の活用事例・効果と合わせて解説

デマンドジェネレーションキャンペーンとは|実際の活用事例・効果と合わせて解説

デマンドジェネレーションキャンペーン(Demand Gen Campaigns)とは?

デマンドジェネレーションキャンペーンとは、Google広告の一つ。『ファインドキャンペーン』という名称で提供されていたGoogle広告が、『デマンドジェネレーションキャンペーン』として、名称と広告内容がアップグレードされます。

2023年から段階を踏んでアップグレードが行われていましたが、2024年3月を持って既存のファインドキャンペーンが全てデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードされました。

デマンドジェネレーションキャンペーンでできることについては、以下で詳しく解説していきます。

ファインドキャンペーンとの違いについて

デマンドジェネレーションキャンペーンデマンドは、ファインドキャンペーンをベースに機能が追加される形となっています。違いは次の表の通りです。

ファインドキャンペーン Demand Genで
追加される機能 / 項目
リーチ ・YouTubeホーム
・検索結果
・Gmail
・Discover
・YouTubeショート
・YouTubeインストリーム
クリエイティブ ・画像
・商品フィード
・動画
・プレビュー機能のアップデート
・ABテスト機能
入札の最適化指標 ・コンバージョン数
・目標コンバージョン単価
・クリック数の最大化
レポート・計測 ・通常レポート
・アセットレポート
・コンバージョン経路レポート
・ユニークリーチ
・コンバージョンリフト
・データドリブンアトリビュージョン
・コンバージョン経路レポート
・ブランドリフト
・コンバージョンリフト
オーディエンス ・Googleオーディエンス
・最適化されたターゲティング
・類似セグメント
・デバイスターゲティング

デマンドジェネレーションキャンペーンの特徴

活用できる広告は3種類

デマンドジェネレーションキャンペーンで活用できる広告は、

の3種類です。

視覚的な訴求を3つの角度からアプローチできるため、商材や広告プラットフォームに適したアプローチがしやすくなりました。

豊富なターゲティング方法

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、Googleアカウント情報を元にした以下のような豊富なターゲティング方法を活用できます。

  • カスタムオーディエンス(リマーケティングなど)
  • カスタムセグメント
  • アフィニティセグメント
  • 購買意欲の強いセグメント
  • ライフイベント
  • 詳しいユーザー属性
  • デバイスターゲティング
  • 類似セグメント(2.5%・5%・10%から類似度を選択可能)

デバイスターゲティングと類似セグメントは、デマンドジェネレーションにアップグレード後に追加されたターゲティング方法です。

3つの入札戦略が利用可能

デマンドジェネレーションキャンペーンで利用できる入札戦略は、

  • 目標コンバージョン単価(目標CPA)
  • コンバージョン数の最大化
  • クリック数の最大化

の3つです。中でも”クリック数の最大化”は、デマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレード後に追加された項目です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

目標コンバージョン単価(目標CPA)

AIによって入札単価が自動で調節されるため、CPAを維持しながらコンバージョンを増やし、手間をかけずにコンバージョン単価を達成しやすくなります。

コンバージョン数の最大化

1日のキャンペーン予算を最大限に使って、より多くのコンバージョンを獲得できるように入札価格を調整します。

クリック数の最大化

デマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレード後に追加されたこの項目では、AIによって入札単価を自動的に調整し、クリック数を最大化できます。

また、これによりCPCも抑えることができ、データの蓄積効率も向上させることができます。

これまではコンバージョンを目標とした入札戦略のみでしたが、クリック数の最大化が使用できるようになったことで、認知や送客を目標にするなどといった使い方の幅が広がるでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンを活用するメリット

類似セグメントへの配信が可能

デマンドジェネレーションキャンペーンで”類似セグメント”が追加されたことより、既存ユーザーに似た新しいユーザーにアプローチすることができるようになりました。

類似セグメントへの配信は、自社のことを知らない新規ユーザーに認知を高め、新規顧客を獲得できる大きなチャンスになります。広告において新規顧客の獲得は非常に大きなポイントであるため、活用次第ではマーケティングの大きな成果に繋がるでしょう。

YouTubeショート動画広告が打ちやすい

これまで、YouTubeショートに動画広告を打つには

  • 動画アクションキャンペーン
  • アプリキャンペーン
  • P-MAXキャンペーン

のいずれかを選択しなければなりませんでした。これらは商材がアプリでないと導入できなかったり、運用者によるコントロールが難しかったりといった理由で導入していなかった企業も少なくありません。

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、規約に沿っていれば商材に関係なくYouTubeショートに広告を配信できるため、広告を打ちやすくなりました。

また、YouTubeショートは動画だけでなく画像でも広告配信が可能なので、動画編集のスキルやリソースがなくても手軽に取りかかりやすいでしょう。

デバイスによるターゲティングができるように

デバイスによるターゲティングができるようになったのも、デマンドジェネレーションキャンペーンのアップグレードによるものです。

「企業向けのサービスで流入経路のほとんどがPCであるため広告配信をPCに絞りたい」「アプリ広告なのでスマートフォンやタブレットにのみ広告を配信したい」といったような場合、デバイスを指定して配信が可能です。

効果の少ないデバイスへの広告配信を除外できることで、より効率的に商材をアピールできるようになりました。

デマンドジェネレーションキャンペーンを活用する際の注意点

新しいサービスであり、難易度が高いことを念頭に置いておく

デマンドジェネレーションキャンペーンは2023年10月から利用可能になり、2024年3月で完全アップグレードが完了したばかりのサービスです。デマンドジェネレーションキャンペーンにおいての勝ちパターンや効果的なやり方が定着していないため、成功の難易度が高いことを念頭に置いておきましょう。

ターゲティングやクリエイティブ作成など、広告の成果に大きく影響する部分が多いので、デマンドジェネレーションキャンペーンだけに依存せず、その他の広告戦略も同時進行させておくのがベターです。

クリエイティブ制作とリソースが必須

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、画像や動画を広告として配信します。そのため、広告向けのクリエイティブ制作のノウハウやリソースを確保しておきましょう。広告用の画像や動画の制作ができないと、キャンペーンの実施そのものが難しくなってしまいます。

表示したい内容はセーフゾーンに収める

InstagramのストーリーズやYouTubeショートの広告を作成する際、表示したい内容はセーフゾーンに収まるように注意しましょう。セーフゾーンとは、アカウント名や動画の概要、いいねやコメントのアイコンに重ならないゾーンを指します。


<Instagram広告のセーフゾーン>

参照:Metaビジネスヘルプセンター


<YouTube広告のセーフゾーン>

参照:Google広告ヘルプ

上記を参考に、画像や動画で伝えたい内容が隠れてしまわないよう、配置を調整しましょう。

CVが少ないと最適化がうまく進まない可能性がある

デマンドジェネレーションキャンペーンは、アカウントに蓄積されたコンバージョンのデータを基にして、広告を表示する対象を適切に判断しています。

そのため、CVそのものが少ないと参考にするデータがないので、広告配信の最適化がうまく進まない可能性があることを覚えておきましょう。

デマンドジェネレーションキャンペーン活用時のベストプラクティス

Google公式ヘルプでは、Googleが推奨するデマンドジェネレーションキャンペーンのベストプラクティスについての記載があります。動画広告、カルーセル広告のそれぞれで最適な広告配信をするためのポイントを、以下でまとめました。

動画広告のベストプラクティス

 

  • 視聴者の心をつかむ: 冒頭の 5~10 秒間で解決すべき問題を明確に示し、自社の商品やサービスによる解決方法を提示して、関心を引き付けます。
  • 商品やサービスを繰り返し提示する: 行動を促すフレーズを繰り返しナレーションで流すか、そのフレーズを含むグラフィックを重ねて表示します。

引用:デマンド ジェネレーション キャンペーンのアセットの仕様とベスト プラクティス

デマンドジェネレーションキャンペーンをはじめとする動画広告では、冒頭の5〜10秒でユーザーの悩みや不安を明示し、「これから先の内容で解決方法が見つかるかも」と思ってもらわなければなりません。ユーザーの興味をしっかりと惹きつけた後に、悩みや不安を解決できる商材をアピールしましょう。

広告内ではユーザーのアクションを促すのも重要です。「こちらをクリックして購入」などというリンクを設置したり、ネクストアクションを促す言葉をナレーションや文字で繰り返したりするのが効果的。

また、広告の配信先によって、音声や自動再生のオンオフが異なります。全ての配信先に対応したクリエイティブ、もしくは配信先ごとに適したクリエイティブにするのがおすすめです。

 

  • Discover: デフォルトでミュート、Wi-Fi 接続ではデフォルトで自動再生
  • YouTube ホームフィード: デフォルトでミュート、デフォルトで自動再生
  • YouTube インストリーム: ポストタップ サウンドがオン、デフォルトで自動再生
  • YouTube 次のおすすめ: ポストタップ サウンドがオン、自動再生
  • YouTube ショート: デフォルトで音声オン、デフォルトで自動再生

引用:デマンド ジェネレーション キャンペーンのアセットの仕様とベスト プラクティス

数多くの動画広告がある中で、一瞬で興味を持ってもらい、他の商材とは違う魅力を感じてもらえるようなクリエイティブを意識しましょう。

カルーセル広告のベストプラクティス

 

  • 1つのカルーセル広告には横向きの画像、もう1つはスクエア画像を使用してテストし、どちらのアスペクト比がブランドに最適かを確認します。

引用:デマンド ジェネレーション キャンペーンのアセットの仕様とベスト プラクティス

Google公式は、デマンドジェネレーションキャンペーンでカルーセル広告を配信する際、横向き画像(1.91:1)と正方形画像(1:1)の2種類でABテストを行うことを推奨しています。

画像比率が変われば、それに伴ってテキストの内容や配置、画像や動画の見せ方が変わります。これによって与える印象も異なってくるため、最低でも2種類のサイズでABテストを行い、よりクリック率やコンバージョン率が良いクリエイティブを検証しましょう。

余裕があれば、縦向きのサイズも合わせて3種類でテストを行えるとベストです。

商材によって効果的な画像比率は異なるため、複数の商材を取り扱っている場合は、商材ごとに効果検証を行いましょう。

デマンドジェネレーションの配信事例

ここからは実際にデマンドジェネレーションを配信した事例をご紹介します。
比較対象として、別のキャンペーンとの比較データを記載しています。

なお、結果については配信時期やクリエイティブ、商材、ターゲティング、キャンペーンの学習状況等によっても変わるため、あくまで参考としてください。

【P-MAX比較】ショッピングフィード紐付けキャンペーン

こちらはBtoCの通販販売商品について、ショッピングフィードに紐づけた場合の配信結果となります。
P-MAXキャンペーンを比較対象としています。

キャンペーン 表示回数 クリック CTR CPC 費用 購入CV 購入CPA
Demand Gen 121,263 2,757 2.27% ¥79 ¥217,008 3 ¥84,148
P-MAX 2,688,926 42,785 1.59% ¥27 ¥1,136,060 307 ¥3,704

この事例では、クリック率以外の項目でP-MAX側が圧倒的に好成績となっています。P-MAXが商品購入に繋がっているのに対し、Demand Genでは購入にほとんど繋がっていません。ただし、配信面の広さなどから、P-MAX側に配信が偏った影響も考えられます。

【GDN比較】静止画&動画キャンペーン

こちらはGDN(静止画)、Youtube(Skip可)との比較です。

キャンペーン 表示回数 クリック CTR CPC 視聴数 視聴率 視聴単価 費用 購入CV 購入CPA
GDN(静止画) 510,612 9,052 1.77% ¥15 0 0.00% ¥136,098 20 ¥6,947
Youtube(Skip可) 2,499,681 2,191 0.09% ¥862 1,351,078 54.05% ¥1.4 ¥1,888,486 27 ¥69,866
Demand Gen(静止画&動画) 2,187,648 32,158 1.47% ¥12 129,071 5.90% ¥3.0 ¥382,919 47 ¥8,180

こちらでは、Demand Genが好調に推移しました。
CPAこそ、GDN(静止画)の方が良いですが、購入CV数についてはダブルスコアをつけており、大部分の予算を消化することができています。

まとめ

今回アップグレードされたデマンドジェネレーションキャンペーンによって、配信先にYouTubeショートが追加されたり、類似セグメントへの配信が可能になったりと新規顧客へのアプローチがしやすくなりました。

新しいキャンペーンタイプであり、Googleが注力している広告プロダクトであるとも言えます。新しい一手を打ちたいと考えている方は、ぜひ積極的に導入してみてはいかがでしょうか。

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