SEO担当者の方やWeb担当者の方は、日々検索エンジンからの集客をするため、検索順位を上げることを前提に運用をしているかと思います。しかし、逆SEOという言葉が存在する通り、思いもせぬところで自社のコンテンツの検索順位が落ちてしまう恐れがあります。
本記事では、逆SEOの概要や被害リスクをご紹介するとともに、逆SEOの代表的な手法を5つ解説します。また、逆SEOの対策方法も解説しますので、検索エンジンからの集客を最大化させるためにもぜひ参考にしてください。
目次
SEOとは?
逆SEOの概要をご説明する前に、そもそものSEOについて解説をします。SEOとは「Search Engine Optimization」の略語で、日本語では検索エンジン最適化のことです。コンテンツを評価するGoogleのロボットに対する施策のことであり、ロボットがWebサイトを回遊しやすい仕組みにしたり、ユーザー満足度を高めるコンテンツを公開したりして、日々検索順位を上げていきます。
検索順位を上げ、検索結果の1ページに自社のコンテンツが表示されることで、自然検索による流入が増えていきます。その結果、自社へのお問い合わせや売上が増え、ブランディングができることにも繋がります。競合他社以上に質の高いコンテンツを作成し、自然検索の検索順位を上げることがSEOの概要です。
逆SEOとは?
先程、SEOの概要をご説明しました。一方の逆SEOとは言葉の通り、検索順位を下げるための施策のことです。あまり良しとされない方法であるため、逆SEOは「リバースSEO」や「ネガティブSEO」と呼ばれることもあります。
そもそも、なぜ逆SEOが存在するのか、理由が分からない方も多いのではないでしょうか。元来の逆SEOは、たとえば自社の企業概要やサービスページに対してネガティブな口コミが集まってしまった際に、逆SEOを行うことで検索順位を下げ、ユーザーの目に触れないよう対策をするために行われてきました。つまり、自社が検索順位をあえて下げることを目的に行われてきたのです。
しかし、こういった手法があることが広まってしまい、昨今ではライバルとなる競合他社のコンテンツに対して逆SEOを行い、自社のコンテンツを上位表示させようとするケースがあります。当然ながら、こういった方法は悪意にあふれているため、健全なWebサイト運営とは決して言えません。ただし、事実として逆SEOが行われるケースはあるため、自社が対象にならないためにも、対策方法を事前に理解しておくことが重要です。
逆SEOの被害リスク
万が一逆SEOを受けてしまった場合、考えられる大きなリスクが2つあります。1つ目は、単純に自社のコンテンツの検索順位が下がることです。たとえば、今まで月間で数十件ものコンバージョンを獲得しているページが逆SEOの対象になってしまったらと考えると、被害の甚大さは想像に難くないのではないでしょうか。
2つ目のリスクは、自社そのものに風評被害が発生することです。たとえば、自社のコンテンツに対して悪いレビューや口コミを集める逆SEOを行った場合、何も知らないユーザーからすれば、自社のコンテンツの質が低いと捉えられてしまうでしょう。その結果、別の商品やサービスを提供しても売上が上がらなかったり、信頼性が落ちてしまったりと、デメリットしか生まれないケースになる恐れもあります。
つまり、逆SEOを受けて得することは何もありません。だからこそ、逆SEOの手法や対策方法を理解し、状況に応じて最適な対応を取ることが大切です。
逆SEOの手法5選
ここまで、逆SEOの概要を解説してきました。ここからは、逆SEOの手法を5つご紹介します。
- 低品質なリンクを送る
- スパム認識をさせる
- 大量の被リンクを貼る
- ウイルス感染
- DMCA申請
それぞれ順番に見ていきましょう。
低品質なリンクを送る
以前までのGoogleでは、リンクが大量に貼られているWebサイトの評価を高める傾向にありました。しかし、それらを悪用しようとする業者や運営者が現れたため、昨今では低品質なリンクが貼られているコンテンツは検索順位が落とされる傾向にあります。
つまり、それらのGoogleの傾向を利用し、低品質なリンクを送ることによって検索順位を下げる逆SEOの手法が存在します。たとえば、同じアンカーテキストで複数のリンクを貼ったり、情報がないWebサイトからリンクを大量に貼ったりすることが挙げられます。
スパム認識をさせる
Googleは、同じコンテンツがドメインの異なるWebサイトで公開されていると、スパムと認識します。つまり、対象のWebサイトやコンテンツを大量に複製することで、検索エンジンにスパムと認識させることも逆SEOの手法です。
大量の被リンクを貼る
上述してきた内容と重複する部分もありますが、大量の被リンクを貼ることで、不正なリンクだとGoogleが認識します。つまり、検索順位を上げるためだけの被リンクだと判断するということです。その結果、スパムやペナルティとGoogleが判断し、検索順位が下がっていきます。
ウイルス感染
対象のWebサイトをハッキングしたり、ウイルスに感染させたりして検索順位を落とすことも逆SEOの手法です。ただし「不正アクセス禁止法」が存在する通り、ハッキングは絶対に行ってはいけない行為であり、逆SEOを行う側こそ大きなリスクを追うことになります。
DMCA申請
DMCAとは「デジタルミレニアム著作権法」のことであり、アメリカの法律になります。著作権侵害を理由として申請をすることができ、申請された対象は削除の対象になることが特徴です。アメリカの法律であるため、Google等のアメリカの事業者(企業)に対して申請できます。
DMCA申請は、ほぼすべてのケースで申請に通ってしまうため、対象にされてしまうと自社のコンテンツが消されかねません。くれぐれも、適切な用途のみで利用することが大切です。
逆SEOの対策方法
ここまで、逆SEOの手法等を解説してきました。ここからは、逆SEOの対策方法を5つご紹介します。
- 運営者に問い合わせをする
- Googleに申請をする
- Webサービスの提供者にコンテンツ削除を申請する
- 被リンクを定期的に確認する
- コメント欄を廃止する
それぞれ順番に見ていきましょう。
運営者に問い合わせをする
仮に自社の風評被害となるようなコンテンツが公開されている場合、運営者に問い合わせをしましょう。たとえば、自社のネガティブな情報だけが発信されていたり、コピーコンテンツが公開されたりしている場合です。
問い合わせをする際も、怒りに任せて文面を作成するのではなく、あくまでビジネスコミュニケーションを心がけましょう。内心やるせない気持ちはあるかもしれませんが、丁寧な対応が早期解決となる可能性を高めます。
Googleに申請をする
上記の方法でコンテンツが改善されない場合、Googleに申請することで削除してもらえるケースがあります。実際に「プロバイダ責任制限法」という法律も存在するため、可能性は低いかもしれませんが、対応してもらえることがあります。
Webサービスの提供者にコンテンツ削除を申請する
口コミサイトやレビューサイト、匿名掲示板などは、投稿している本人を突き止められる可能性が低く、手間もかかります。そのような場合は、Webサービスの提供者にコンテンツの削除を依頼しましょう。上述した「プロバイダ責任制限法」に則る必要があるため、弁護士の力を借りたほうが良いケースもあります。
被リンクを定期的に確認する
Google Search Consoleを開き、「検索トラフィック→サイトへのリンク」をクリックすることで、自社の被リンク状況を調べられます。万が一自社の検索順位が急激に落ちてしまった場合は、悪質な被リンクが貼られている可能性があります。そこで被リンク元を調べ、運営者に問い合わせをしたり、Googleに申請したりするなどして対処しましょう。
コメント欄を廃止する
自社のコンテンツにコメント欄を設けている場合、悪質なコメントが投稿され、検索順位が落ちる可能性があります。健全なコメントが多いのであれば問題ありませんが、検索順位が下がってしまった場合は、コメント欄を廃止することも検討しましょう。
自社サイトのSEOを強くするのも1つの手法
ここまで、逆SEOの手法や対策方法を解説してきました。もちろん、外部要因として逆SEOが行われることを完全には防げませんが、自社サイトのSEOを強くすることも、逆SEO対策の1つです。
SEOに注力することによって、自社のドメインパワーが強くなったり、コンテンツを適切に評価してもらいやすくなったりするため、必然的に検索順位が上がっていきます。つまり、相対的に他社よりも自社のコンテンツが評価される仕組みを作れるということです。
被害リスクを抑えるためにも、逆SEOの対策を行うことは非常に重要です。ただし、それ以上に自社のSEOを強化することこそが、最も強い逆SEOへの対策方法であることを理解しておきましょう。
まとめ
本記事では、逆SEOの概要や手法、対策方法を解説しました。逆SEOは、検索順位を下げるための施策のことであり、日々運営をしている中、突然被害にあってしまう恐れがあります。逆SEOをされてしまった場合には、運営者に問い合わせをしたり、Googleに申請をしたりして対策をしましょう。
また、自社サイトのコンテンツを強化することも1つの手段であることを理解し、よりSEO対策に注力してみてはいかがでしょうか。
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