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ABテストでトラフィックが少ない場合の代替案とは?事例やポイントを解説

ABテストでトラフィックが少ない場合の代替案とは?事例やポイントを解説

Webサイトのトラフィックそのものが少ない場合、ABテストを実施しても効果があるのか悩む担当者の方も多いでしょう。

このような場合は通常のABテストとは異なり、視点を変えて施策を絞って考えていく必要があります。

本記事では、ABテストでトラフィックが少ない場合の代替案、抑えておくべきポイントなどをご紹介します。

ABテストでトラフィックが少ないとみなす基準とは

ABテストではある程度のまとまったデータが必要とされていますが、そのデータ量に明確な基準はありません。重要なのはそのデータが「信頼できるか?」であり、信頼度が担保されていれば少ないデータ数でも有効に活用できます。

ABテストについて基礎から知りたいという方は「一度は聞いたことがある「ABテスト」とは?概要と実施方法まとめ」をご覧ください。

データの信頼度

データの信頼度は、そのデータが因果関係を証明できるかによって判断します。

例えば、下記の2つのABテストの結果をみてみましょう。

UU数 CV数 CV率 有意性
パターンA 100 2 2
パターンB 100 4 4
UU数 CV数 CV率 有意性
パターンA 1000 20 2
パターンB 1000 40 4 99%

データに信頼性がある状態を、専門用語で「有意差がついている」「有意性が高い」といいます。この例の場合だと、どちらの表もコンバージョン率は同じですが、信頼度がある、すなわちパターンBが有効な施策であるといえるのは、有意性の結果から2つ目の表になります。1つ目の表はサンプル数が100UUと少なく、1コンバージョンの結果が全体に及ぼす影響が大きくなってしまうためです。

例えば、100人に和食と洋食のどちらが好きかを聞いた場合と、1000人に同じアンケートを取った場合とでは、市場調査として有効なのは後者といえるでしょう。100人の少ないサンプル数では、個人の好みによって結果が変わりやすくなります。

具体的な数値の目安

前述の通り、重要なのはデータの信頼度であり、数値に具体的な目安はありません。
しかし先ほどの例にならうと、2000UU近くのサンプル数を集めることで有意性のあるデータになる可能性が高いといえるでしょう。

トラフィックの少ないWebサイトでのABテストの方法・代替案

トラフィックが少ない場合でも、考えるポイントによってはデータを有効に活用できます。
ここでは、ABテストの代替案となり得る手法を4つご紹介します。

小さなKPIに焦点をあてる

コンバージョンのような最終的な数値目標ではなく、コンバージョンにつながるよりも前の数値を注視してみましょう。
例えば、ECサイトにおける商品購入が最終的な目標であれば、商品詳細ページの「注文する」ボタンのクリック数や確認画面への到達数などが対象です。
このような小さなコンバージョンは、マイクロコンバージョンと呼ばれます。

マイクロコンバージョンについて詳しく知りたい方は、「【徹底解説】マイクロコンバージョンとは?設定の注意点や事例を紹介!」をご覧ください。

ヒートマップを活用する

ヒートマップは、Webサイトのどの部分がよく閲覧されているかを把握するのに役立ちます。
ユーザーの閲覧部分を参考に、CTAボタンの設置箇所をテストしてみましょう。よく閲覧されている部分のなかでも、CV率が高くなる最適なパターンが見つかる可能性があります。

ヒートマップのツールは基本有料のものが多いですが、Googleアナリティクスを用いてWebサイトの「どの部分がどのくらいのユーザーに見られているか」を確認することもできます。

顧客に直接きいてみる

ページを訪問してくれた顧客、ユーザーに自社サイトの課題をフィードバックしてもらう手法です。
ページの下部などにコメント欄を設置し、ユーザーがWebサイトを見て感じていることを直接教えてもらいましょう。このとき、どのような情報が欲しいのかを例として書いておくと日々の施策に活かせる意見を集めやすくなります。

大幅にWebサイト全体を変更する

大胆ですが、Webサイトのデザインそのものを大きく変えてしまう手法もあります。
メリットは、大幅な数値の上昇が起こる可能性があることです。明らかにユーザビリティが高まりそうだと想定できる場合は、細かいテストよりも全体の変更が有益だと考えられます。

デメリットとしては、数値が上昇したとしても要因が明確にならないことや、逆に数値が落ち込んでしまうおそれがあることです。

しかし、複数のパターンを試してみることで、コンバージョンするユーザーの傾向を掴むことができます。

トラフィックが少ない場合におさえるポイント

ABテストの代替案を考えるうえで重要なポイントを3点ご紹介します。

KPIの向上がコンバージョンに及ぼす影響を確認する

先ほどご紹介したマイクロコンバージョンが、本当に最終的な目標に寄与しているかどうかを確認します。
仮にKPIとして設置したマイクロコンバージョンが上昇していたとしても、最終のコンバージョンもそれに比例して上昇するとは限りません。例えば、質の低いコンテンツを増やしてPV数を上げることができたとしても、ユーザーに魅力が十分に伝わらずコンバージョンにつながらない例があげられます。

マイクロコンバージョンとコンバージョンはセットで確認し、考えられる課題は1つずつ対処していきましょう。

改善度の大きいところから試していく

原則として、コンバージョンに大きな影響を及ぼす箇所、すなわち改善すれば大きく数値の上昇が考えられるところから施策を実行します。

特にトラフィックが少ない場合、小さな変更はユーザーに気付かれにくくコンバージョンへの影響も小さいため、優先度は低いです。

ページ上部などユーザーによく見られている、改善度の大きい箇所を意識して確認するようにしましょう。

テストは繰り返しおこなう

通常の施策と同様に、テストは継続して繰り返す必要があります。小さなテストを繰り返すことで失敗例と同時に成功例も増えるため、徐々に最適な形に近づけられます。

長期的な取り組みになりますが、失敗例と成功例を確実に集めていくことが成功への近道になります。

マイクロコンバージョンの設置事例

ビジネスのゴールとして定められるコンバージョンではなく、マイクロコンバージョンに着目する事例をご紹介します。ここでは、toB向けの自社製品をWebサイトで展開していて、資料請求をコンバージョンに置いている例をあげます。

資料請求ボタンをタップするユーザーは、その前に「機能」や「活用事例」といったページを閲覧することが多いと考えられます。例えば、今回の事例では機能ページをみているユーザーのコンバージョン率が高いとあらかじめわかっているとします。

その場合、コンバージョンの鍵となるのは機能ページになるため、このページへの遷移率をマイクロコンバージョンに設定します。複数のランディングページのパターンを用意し、より機能ページへの遷移率が高いクリエイティブを探してみましょう。

最終的なコンバージョンに至るかどうかはさておき、あくまで機能ページに遷移されやすいパターンを見つけることが目的です。
トラフィックが少ないなかでも明らかに有意性のあるデータが出れば、コンバージョンの鍵となるページへより多くのユーザーを誘導できるようになります。結果として、コンバージョン数の向上も見込めます。

まとめ

自社サイトに大量のトラフィックがない場合でも、マイクロコンバージョンの設置やヒートマップの活用などでABテストの代替ができます。
このとき、データの信頼度が高いかという点が重要です。
一歩引いたところから、コンバージョンにつながる影響度の大きいポイントを探してみましょう。

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