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Webサイト運営に関わったことがある方であれば、Googleアナリティクス(通称GA)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
現在は最新バージョンである「GA4(Googleアナリティクス4)」という名称で呼ばれることも多いです。
GA4(Googleアナリティクス4)は無料で利用できるため、多くの企業で使われているアクセス解析ツールです。
しかし、無料で提供されているがゆえに正式なサポート等が整っておらず、使いこなすためには利用者が各自で情報を収集する必要があります。
そこで本記事では、そもそもGAとは何なのかについて分かりやすくご説明することはもちろん、GA4(Googleアナリティクス4)を用いたアクセス解析の活用方法もご紹介します。
目次
アクセス解析とは?
GA4(Googleアナリティクス4)と言えば、Webサイトのアクセス解析のためのツールですが、そもそもアクセス解析とは何なのでしょうか?<
まずは、アクセス解析とは何か?から解説していきます。
アクセス解析とは、Webサイトへのアクセスに対して様々な視点から分析を図り、サイトの状況を把握することを指します。
例えば、下記のような観点から分析することができます。
流入元 | ユーザーがどこから来たか? |
---|---|
流入キーワード | どんな目的で来たか? |
ユーザーの属性 | 誰に見られているか? |
閲覧ページ | どのページを見たか? |
CV(コンバージョン)データ | サイトのゴールまで辿り着いたか? |
アクセス解析を行うことにより、自社が運営しているWebサイトに対するユーザーからの反応を把握できるようになります。
Webサイトを通してキャンペーン施策を打ち出した際の、反響や効果を調べる際にも有効です。
GA4(Googleアナリティクス4)とは?
では、GA4とはどのようなアクセス解析ツールなのでしょうか?
GA4(Googleアナリティクス4)とは、2020年10月にリリースされたGoogleが提供するWebサイトのアクセス解析ツールです。旧バージョンのGoogleアナリティクスは2024年7月1日をもってサービスを終了しております。
無料で利用できるメリットはあるものの、通常は正式なサポート等が整っておらず、マニュアルもないため、利用者が各自で情報収集をして、利用方法を学ぶ必要があります。
書籍等が多数あり独学することも可能ですが、UIなどの仕様が不定期に更新されるため、常に最新情報をキャッチする必要があります。
独学でGA4の学習をするだけの余裕が無いという方は、セミナーを活用するという手段もあります。
従来のGoogleアナリティクスとの違い
従来のGoogleアナリティクスとGoogleアナリティクス4の違いは大きく3点あります。
1点目は、アプリとWebサイトをまたいでユーザーの行動を分析できる点です。アプリでの行動とWebサイトでの行動を紐づけることで、よりユーザーに合った施策を打ち出すことができます。
2点目は、機械学習による新しいインサイトの取得です。機械学習を用いた自動的な分析によって、従来は確認できなかった新たな示唆を確認できます。具体的な機能は以下の2点です。
過去28日間にサイトに訪問したユーザーが、今後7日間にコンバージョンする確率の予測
過去7日間にサイトに訪問したユーザーが、今後7日間で離脱する確率の予測
3点目は、プライバシーに配慮した設計です。従来のGoogleアナリティクスではcookieなどの実データをもとにレポートが作成されますが、Googleアナリティクス4ではGoogleが持つ膨大なデータの傾向から数値を推定し統計を成立するような設計になっています。
主な3つの特徴
イベント単位でのデータ収集
ページビューやクリック、スクロールなど、あらゆるユーザー行動をイベントとして統一的に計測します。その際、イベントには「イベント名」と「パラメータ」を設定できるため、たとえばダウンロードしたファイル名やリンク先URLなど、行動の詳細まで柔軟に記録することが可能です。また、「first_visit(初回訪問)」や「session_start(セッション開始)」といった一部のイベントは自動収集イベントとして、ユーザーが何の設定をしなくても自動的に計測される点も特徴です。
ウェブとアプリの統合分析
GA4では、ウェブサイトとアプリのデータを統合的に分析できるよう設計されており、クロスプラットフォーム対応によってユーザーがウェブからアプリへ移動しても、一貫した行動データを取得できます。また、User-IDを活用することでユーザーを一意に識別し、オンライン・オフラインを問わず複数チャネルでの行動を統合的に追跡可能です。たとえば、広告からウェブサイトを訪問してアプリをダウンロードし、最終的に購入に至るまでの一連の流れを一元的に把握できる点が大きな特徴です。
カスタマイズ性の高いレポート
GA4では、レポートを柔軟にカスタマイズできる点が大きな特徴です。探索レポートを利用すれば、ディメンションや指標を自由に組み合わせて深掘り分析が可能で、イベントごとに設定したパラメータ(例: スクロール率やクリック先URL)も詳細に確認できます。さらに、リアルタイムデータ機能により、現在進行中のユーザー行動を即座に把握できるため、変化の早いデジタル環境でも迅速に対応しやすくなります。
GA4(Googleアナリティクス4)の導入方法
ここで、GA4(Googleアナリティクス4)を導入する手順を説明します。
Googleアカウントの登録
GoogleアナリティクスをはじめとしたGoogleのサービスを利用するにはGoogleアカウントが必要です。
ログインページ上の「アカウントの作成」からGoogleアカウントを作成してください。
GA4(Googleアナリティクス4)の登録
アカウントを作成したあと、GA4(Googleアナリティクス4)のページから利用登録します。
「お申込み」をクリックし、Webサイトの情報を入力します。
トラッキングコードの設定
利用登録が完了したら、対象となるWebサイトの全ページで出力されるように取得したトラッキングコードを貼り付けます。
トラッキングコードを設定することでユーザーのサイト訪問をGoogleが認識できるようになり、数時間後からデータが表示されます。
トラッキングコードについての詳細はブログ記事「Googleアナリティクスにおける「トラッキングコード」とは?確認方法から設置方法までご紹介!」をご覧ください。
プロパティの設定
Googleシグナルの開始
Googleシグナル(Google Signals)とは、Googleアカウントにログインしているユーザーが、複数のデバイスで行った行動を追跡し、そのデータを分析する機能です。この機能を活用するには、Googleアナリティクス上でGoogleシグナルを有効化する必要があります。以下に手順を別の表現で説明します。
- Googleアナリティクスへのアクセス
Googleアナリティクスにログインし、画面左下にある「管理」ボタンをクリックします。 - データ収集の設定画面へ移動
左側のサイドバーから「データの収集と修正」>「データの収集」を選択します。 - Googleシグナルの有効化
「Googleシグナルのデータ収集」セクションに移り、「設定」ボタンを押した後、「有効にする」を選びます。 - ユーザー同意の確認
サイトで行動データを収集している旨についてユーザーから同意を得ている場合は、「確認しました」をクリックします。
データ保持の設定
ユーザーごとのデータは、2か月または14か月の期間で保持できます。指定期間が終了すると、毎月データが削除されます。以下は、データ保持期間の設定方法を別の表現で示したものです。
- Googleアナリティクスにサインインし、画面左下の「管理」をクリックします。
- サイドバー内の「データの収集と修正」セクションから「データの保持」を選びます。
- イベントデータを保持したい期間(2か月または14か月)を指定します。
- 設定内容を保存するために「保存」ボタンをクリックします。
GA4(Googleアナリティクス4)を用いたアクセス解析の活用
次にGA4(Googleアナリティクス4)の活用方法をご説明します。
GA4(Googleアナリティクス4)を通して集計した多様なアクセスデータの分析結果を元に、自社の様々な施策に活かすことが可能です。
今回は、
- 広告戦略立案
- サイト設計案
- マーケティング全般
の3つについて弊社のGA活用事例をご紹介します。
広告戦略
広告戦略においては、出稿メディア評価やリスティングキーワード選定などに活用することができます。
では、ここで弊社のクライアントによるGA4(Googleアナリティクス4)を用いた出稿メディア評価の事例を交えてご説明します。
広告の出稿先には、GoogleやYahoo!のリスティング広告、ディスプレイ広告、また、LINEやFacebookといったSNS広告など数多くの種類があり、それぞれの広告配信ツールには、広告ごとの配信結果を把握する機能があります。
しかし、実際にユーザーは商品を知ってから買うまで様々な広告に触れることとなるためユーザーが触れた広告を縦断して把握するツールが必要となります。
GA4(Googleアナリティクス4)を用いると、購買を行ったユーザーがクリックした順に広告を確認することができるため、それぞれの広告の購買行動への貢献度を測ることが可能です。
ある広告は商品の認知に、また、ある広告は商品購入の後押しにといった形で、広告ごとの貢献度合いや貢献内容を把握することができます。
サイト設計
サイト設計においては、コンテンツ案作成やユーザー導線設計などに役立ちます。
GA4(Googleアナリティクス4)を用いれば、企業の自社サイトにおいてどの商品が頻繁にユーザーから見られているか分析することができます。
その分析をもとに、ユーザーから最も人気を集めている商品の位置やバナーの色を変更するなど、ユーザー導線を考慮したサイト制作を行うことができます。
マーケティング
マーケティングにおいては、ターゲット設計や市場ニーズの把握などに応用することができます。
GA4(Googleアナリティクス4)では、Webサイトを訪れたユーザー属性を分析することができます。
どの年代にどのコンテンツがよく見られているのかを把握すれば、例えば「〇〇の商材を売るためには、若年層向けのコンテンツを作ろう」といったターゲット設計を行うことができ、より効果的なマーケティング施策を実現できます。
GA4(Googleアナリティクス4)の使い方
ここではGA4(Googleアナリティクス4)の基本的な使い方について紹介します。
基本的なデータの見方
GA4(Googleアナリティクス4)では、データは「ディメンション(見る基準)」と「指標(見る対象)」を組み合わせて分析します。
- ディメンション(Dimension): ユーザーやセッション、イベントなどの属性を表すもの
- 指標(Metric): ユーザー数、イベント数、エンゲージメント率など、数値として表されるもの
GA4(Googleアナリティクス4)はイベントベースのデータ収集となり、ユーザーの行動をより詳細に追跡・分析できます。ページビューやセッションはもちろん、スクロールやクリックなど、任意で設定したイベント情報も容易に取得可能です。
見るべき3つの指標
以下は、GA4(Googleアナリティクス4)においてよく使用される主な指標例です。
セッション数 | ユーザーの訪問から離脱までの一連の行動回数。 |
---|---|
イベント数 | 計測対象に設定したイベントが発生した回数 |
エンゲージメント率 | 「セッションが10秒以上継続、または2ページ以上閲覧、もしくはコンバージョンが発生したセッション」の割合 |
GA4以前のバージョンのUA(ユニバーサルアナリティクス)で計測できていた「ページビュー」「セッション数」「直帰率」は初期状態では確認できませんが、GA4のレポート設定やカスタマイズによって確認可能です。
また、カスタムのイベントや指標を設定することで、多角的にユーザーの行動を捉えられます。
探索レポートにおけるデータ閲覧の3ステップ
探索レポートにおいて計測されたデータを閲覧するための3つのステップを紹介します。
①ディメンションを選択
まず初めに、ディメンションを選択します。GA4のディメンションは大きく3つあります。
- ユーザー属性(年齢/性別/新規ユーザーorリピーターなど)
- デバイス情報(デバイスカテゴリ)
- トラフィック関連(デフォルトチャネルグループ / 参照元/メディアなど)
複数のディメンションのなかから目的に沿ったものを選ぶことで、求めるデータを入手できます。
②指標を選択次に各指標を選択します。GA4の指標は主に4つあります。
- ユーザー数
- セッション数
- 平均エンゲージメント時間
- イベント数
ディメンションごとの指標を設定することで具体的な分析が可能になります。
- 「日付」ごとの「アクティブユーザー数」
- 「デバイスカテゴリ」ごとの「セッション数」
- 「参照元」ごとの「コンバージョン数」
- 「キャンペーン名」ごとの「表示回数」.
これらを活用することで、Webサイトやアプリの改善に役立つ洞察を得ることができます。
③期間を指定
ディメンションを選択し終えたら、分析する期間を設定します。
期間の設定方法は、自身で自由に設定するカスタムと、「先週」や「今月」といったあらかじめ決められている期間を設定する2種類があります。
絞り込み
GA4(Googleアナリティクス4)では抽出したデータをさらに絞り込む方法が2つあります。
- フィルタ
- セグメント
これら絞り込みをディメンションや指標と組み合わせることで、より高度な分析が可能になります。
まとめ
Webサイト運営に欠かせないGA4(Googleアナリティクス4)とは何か、お分かりいただけたでしょうか?
GA4(Googleアナリティクス4)を使いこなして様々なデータを解析すれば、自社の広告戦略、サイト設計、マーケティングなど多岐にわたって応用することができます。
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- GA4を導入したいがどこからはじめればいいかわからない…
- GA4の管理画面をさわっているが探索レポートなどを使えていない…
- アクセス解析の定期的なレポートを作成したい…
GA4はうまく使いこなせればwebサイトの状況をさまざまな角度から分析可能で、多くの有益なデータを得ることができます。
しかしその反面、通常はGoogle社からの正式なサポートは無く、マニュアルも存在しないため、利用者は各自で使い方を習得する必要があります。
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