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GA4コホート分析の設定でユーザー離脱を防止!見方と使い方を解説

新規ユーザーを集めるだけでは、ビジネスは継続的に成長しません。重要なのは、ユーザーが「どのくらいの期間、どのようにサイトやサービスを利用しているか」を正確に把握し、適切なタイミングで最適なアプローチを行うことです。

そこで活用したいのが「コホート分析」です。
ユーザーを特定の共通点でグループ分けし、その後の行動を時系列で分析する手法です。

本記事では、コホート分析の基本からGA4での具体的な使い方、活用方法までをわかりやすく解説します。サイト改善や売上向上を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。

本記事では、以下のような内容について解説しています。

  • コホート分析の基礎知識について
  • GA4のコホート分析機能の使い方を解説
  • 実際にコホート分析を活用する方法を解説

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コホート分析とは?

コホート分析とは、ユーザーを特定の共通点でグループ分けし、そのグループの行動を追跡・分析する手法です。
ちなみに、「コホート」という言葉は、もともと心理学で「仲間」という意味があります。
コホート分析をすることによって、特定のユーザーグループが離脱するタイミングを把握し、定着率向上のための施策を打つ最適な時期を見極められます。

GA4のコホート分析では、特定の日に流入したユーザーを一つのグループとして、再訪率やコンバージョン率を調査できます。

なお、GA4(Google Analytics4)は、Webサイト分析とメディア運営の必須ツールであり、日本で最も利用されているアクセス解析ツールです。
GA4について、さらに深く知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。

【GA4とは?】Googleアナリティクス4の導入方法・使い方を分かりやすく解説

コホート分析が重要視される理由

では、なぜコホート分析を活用する必要があるのでしょうか。
それは、ユーザーの定着率や再訪率を高めることで、売り上げの増加やリピーターの獲得に繋つながるからです。

特にECサイトやオウンドメディアでは、ユーザーの定着率がLTV((Life Time Value))の向上につながります。

LTVに関して詳しくはこちらをご覧ください。
マーケティングで超重要な指標!LTV(Life Time Value: 顧客生涯価値)とは?

ECサイトは新規ユーザーの増加だけでなく、定期的に商品を再購入するリピーターを増やしていくことで、売り上げが伸びていきます。

オウンドメディアでは、一度サイトを訪れたユーザーが何度もサイトに来訪することで、自社の製品やサービスへの理解を深めたり、ファンになってくれることもあるでしょう。

サイトから離脱するタイミングやページ滞在時間の把握など、ユーザー行動の理解はオウンドメディアの運用に欠かせません。
これらの重要性を踏まえ、GA4上のコホート分析の具体的な使い方について詳しく見ていきましょう。

GA4のコホート分析の使い方

それでは、GA4のログイン後から、コホート分析へのアクセス手順を画像付きで解説いたします。
なお、画像はGoogleが公式に用意しているデモアカウントのサンプルデータ画像になります。

参考資料:[GA4] コホートデータ探索

コホート分析へのアクセス手順

①まずは、GA4へログインします。

②ログイン後、画面左側の「探索」をクリックします。
コホート分析へのアクセス手順1

③次に右上の「テンプレートギャラリー」をクリックします。
コホート分析へのアクセス手順2

④画面右側にある「コホートデータ探索」をクリックします。
コホート分析へのアクセス手順3

⑤これでコホート分析の設定画面に到達しました。

コホート分析の設定方法

コホート分析では、特定のユーザー行動を深く掘り下げて分析することが可能です。ここでは、その設定方法について詳しく見ていきましょう。

コホート登録条件

コホート登録条件とは、特定のユーザーグループ(コホート)を定義するための条件のことです。
これにより、分析したいユーザー層を明確に設定できます。
例えば、「初めてアクセスしたユーザー」や「セッションを開始したユーザー」などの定義が可能です。

設定はとても簡単です。「事前定義」を押すと、選択できる項目が現れます。あとは、分析目的に合わせて任意の項目を選択するだけで完了です。
コホート登録条件

リピート条件

次に、リピート条件の設定です。
「事前定義」をクリックすると、コホート登録条件と同様に選択可能な項目が表示されます。
リピート条件

コホートの粒度

コホートの粒度とは、「初期コホート」と「リピートコホート」それぞれどの時間単位で集計するかを定める設定です。
この時間単位は、「毎日」「毎週」「毎月」の3パターンから選択できます。
コホートの粒度

計算

コホートの計算とは、各セルでの集計方法の定義です。
「標準」「連続」「累計」の3種類の集計方法があり、異なる視点でデータを集計することが可能です。

それぞれの指標は、以下の通りです。

標準 特定の期間内でリピート条件を満たしたユーザーの合計値
連続 指定した期間、およびそれ以前のすべての期間を通して、リピート条件を満たしたユーザーの合計値
累計 過去すべての期間において、一度でもリピート条件を満たした累計値

計算

コホート分析の変数設定方法

次に、変数の設定方法を見ていきましょう。
画面右上の「+」ボタンを活用すれば、各設定項目でデフォルトの選択肢だけではなく、独自の視点からのデータや条件を組み込めます。これにより、より掘り下げた解析が可能となります。

セグメント

セグメントとは、コホートをさらに細かく分類するための条件です。
例えば、使用している端末などでコホートを分けることができます。
具体的には、「モバイルトラフィック」や「タブレットトラフィック」などの条件を設定できます。

セグメント1

ディメンション

ディメンションでは、「性別」や「地域」などの設定が可能です。

ディメンション1

ディメンション2

指標

指標とは、コホートがどのような行動をしたのか具体的に設定し、分析するための項目です。
例えば「トランザクション」や「購入による収益」などが設定できるので、分析に活用できます。

指標1
指標2

GA4のコホート分析の見方

コホート分析の設定が終わりましたら、分析結果の見方を確認していきましょう。
コホート分析の画面は、上部の横軸がユーザーを獲得してからの週数、左側の縦軸がコホート期間を示しています。
GA4のコホート分析の見方1
上記のグラフでは、5月20日の週に14798人のユーザーを獲得しており、そのユーザーが翌週〜4週後までの間に再アクセスした数(リピート数)がわかります。

次に「値」に「トランザクション」を指定しました。
GA4のコホート分析の見方2
その結果、5/20の週に91回のトランザクション(購入イベント)があったことが確認できます。また、翌週から4週後までのリピートのトランザクション数も確認することができます。

先ほどのユーザー数やセッション数と合わせれば、それぞれのコホート、リピートタイミングでのCVRを計算することもできます。これにより、例えば特定のリピートタイミングでCVRが著しく悪い場合は原因分析や対策を講じることが可能となります。

このように「値」を変更することで、コホート内のユーザーがどのタイミングで、どのような行動をしたのか、分析・対応することが可能です。

コホート分析の活用方法

コホート分析によってユーザーの定着率や離れていくタイミングを把握したあとは、適切なマーケティング施策を実施してリピーターを獲得していきましょう。
見えてきた数値に対する方針の立て方について、例を挙げながら見ていきます。

ユーザーの減少するタイミングで再訪を促す施策

ユーザーがサイトから離れていくタイミングを把握できた場合、再び訪問してもらうための施策を打ち出すことが重要です。
特に、サブスクリプションサービスなどのインターネット経由のサービスを展開している場合は、継続率が非常に重要な指標となります。

そこで、メールやリマーケティングなどを実施することで、ユーザーの再訪を促すことができます。
ただし、リピーター獲得に向けた施策は、ユーザーが閲覧していたページを把握し、適切な内容のものを届ける必要があります。

そのため、ユーザーの行動をより詳細に可視化し、自動的にメール施策を行うMAツールの活用がおすすめです。
MAツールとして代表的なPardotの詳細は以下の記事をご覧ください。

Salesforce Account Engagement(旧Pardot)とは?MAツールの決定版【使い方・仕組み・機能】

LTVを加味したKPIを設定できる

コホート分析を実施することで、新規ユーザーがサイトを訪れ、再訪し、コンバージョンに至り、サイトやサービスから離れていくまでのLTVを可視化できます。

そのため、単純な新規獲得だけではなくLTV全体を加味した上で、目標となる売上や粗利を達成するためのCVやCPAといったKPIを設定することができます。

指標分析でユーザー行動をとらえる

セッション時間やページビュー数の減少するタイミングをとらえて、コンテンツ施策に活用しましょう。
メディアサイトの場合、流入したユーザーがより求めているコンテンツにリライトしたり、内部リンクの導線を見直すことで、ユーザーのサイト内行動を活性化できます。

また、セッション数が少ないなどといった傾向がみられる場合は、ユーザーのニーズがコンテンツ内容に合致しておらず、離脱を招いている可能性があります。
このような場合はコンテンツの内容を改善する必要があります。

まとめ

GA4のコホート分析は、特定の共通点を持つユーザーをグループ化し、その後の行動を時系列で追跡することで、定着率や離脱タイミングを把握できる便利な機能です。

さまざまな施策をより効果的なタイミングで行うためにも、ぜひ活用してみてください。

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Web担当者の方、デジタルマーケティングに興味がある方はぜひご覧ください。

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