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2023年6月27日、ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)は「2024年6月30日(日)をもってYahoo!タグマネージャー(以下、YTM)のサービスを終了する」旨を発表しました。
YTMのサービス終了に伴い、YTMユーザーは、今後のタグの管理方法を検討する必要があります。
他社のタグ管理ツールに移行する場合は、YTMと類似サービスであるGoogleタグマネージャー(以下、GTM)がおすすめです。
本記事では、YTMのサービス終了に関する概要や、GTMへの移行に関する詳細、YTMとGTMの機能の違いなどを解説いたします。
タグマネージャーの移管は手間と時間のかかる作業のため、なるべく早いうちに対応することを推奨します。
YTM(Yahoo!タグマネージャー)のサービスが終了
ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)は、YTMのサービス提供を2024年6月30日(日)に終了することを発表しました。
YTM終了に伴い、サービス利用者は、使用しているタグの整理や別のタグマネージャーツールへの移行が必要になります。
YTMのサービス終了までのスケジュールや、YTM利用者がおこなうべき対応をご紹介します。
そもそもYTM(Yahoo!タグマネージャー)とは?
そもそもYTM(Yahoo!タグマネージャー)とは、ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)が、Yahoo!広告利用者に無料で提供するタグマネジメントサービスです。
各ページのHTML内に、YTMが発行する共通タグ(以下、ユニバーサルタグ)を埋め込むことで、Webサイト・広告の運用に必要となる様々なタグの一元管理を可能とし、運用工数の削減・ページ表示の高速化を実現させました。
サービス終了までのスケジュール
2023年 10月現在までに公開されている情報をもとに、YTMのサービス終了までのスケジュールを以下の表にまとめました。
ただし、状況により日程変更がおこなわれる可能性があります。
日程 | 実施内容 |
---|---|
2023年6月27日(火) | 2024年6月30日をもってYTMサービスの提供が終了することを発表。 |
2023年9月30日(土) |
以下4つの機能・サービスの停止を実施。
※サービスタグの追加・設定変更は、2024年6月30日まで可能。 |
2024年2月29日(木) |
Yahoo!広告において、従来版タグの機能サポートを終了。以下2つのサービスが対象。
|
2024年3月1日(金) |
検索広告・ディスプレイ広告において、従来版タグを利用したコンバージョン測定、およびサイトリターゲティングデータの蓄積が不可能となる。
それに伴い、YTMにおいて、以下3つのピクセル形式のサービスタグの利用が不可能となる。 検索広告
ディスプレイ広告
|
2024年6月30日(日) | YTMの提供を終了。 |
2024年7月1日(月) | YTM管理ツールへのアクセス、およびユニバーサルタグを利用した計測が不可能となる。 |
参考:Yahoo!タグマネージャーのサービス終了について|LINEヤフー for Busines
/従来版のコンバージョン測定タグ、サイトリターゲティングタグの機能サポート終了について- Yahoo!広告
サービス終了に伴い必要な対応
YTMのサービス終了に伴い、ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)は、利用者に対して以下2つの対応を検討するようお願いしています。
- ユニバーサルタグの削除
- 他社サービスへの移行
2024年6月30日のサービス終了後も、ユニバーサルタグが設置されたままでいる場合、サイトの表示速度に影響する可能性があります。
また、予期せぬ不具合の発生も考えられるため、YTMサービスが終了する前に、サイトからユニバーサルタグを削除することが推奨されます。
また、YTMの代わりとなる機能やサービスはないため、他社が提供するタグマネジメントサービスへの移行が必要です。
YTMに登録していた各サービスが提供するタグを利用することも可能ですが、複数のタグをそれぞれで管理するのは大変なため、タグの一元管理が可能なツールへの移行を推奨します。
どちらの選択をとるにしろ、他社サービスへの移行やタグの整理には時間を要するうえに、サービス終了とほぼ同時にYTMへのログインが不可能となるため、早めの対応が肝心です。
おすすめはGTM(Googleタグマネージャー)への移行
YTM修了後、他社サービスへの移行を検討するのであれば、Google社が提供する「GTM」がおすすめです。
タグマネージャーは複数のベンダーが提供しているツールであり、Google提供のGTM、アドビ株式会社提供のAdobe Experience Platform、株式会社ロックオン提供のTAGエビスなど、いくつか種類があります。
その中でもGTMは、YTMとサービス内容が類似しているため、移行後も操作・管理がしやすいというメリットがあります。また、Googleアカウントを持っていれば誰でも利用できるという、ユーザビリティの高さもおすすめするポイントです。
GTM(Googleタグマネージャー)の特徴は?
GTMの特徴を具体的に紹介します。
また、YTMとの違いについてもまとめています。
GTM(Googleタグマネージャー)の特徴
GTMの特徴は以下のとおりです。
- Googleアカウント作成後、無償で利用できる
- シンプルでスッキリした画面、UI
- GoogleアナリティクスやGoogle広告など、Google性のツールとの相性が良い
- 複数のユーザーが同時に作業できる
- Googleに関するタグのテンプレートが豊富
- GTM利用者がカスタマイズしたテンプレートを利用できる
- 有償サービスである「360」への契約でより高度な機能を利用できる
- コンテナには容量制限がある
以下の記事にて、GTMの使い方や使用するメリットについて記載しているので、ぜひご覧ください。
YTMとGTMの違い
YTMとGTMのサービス内容は類似していますが、機能にはいくつか違いがあります。
以下は、YTMとGTMに関する3つの相違点をまとめた表です。
相違点 | YTM | GTM |
---|---|---|
①タグのテンプレート数 | 国内外120種類 | Googleタグ19種類 |
②エラー表示機能の有無 | ある | ない |
③拡張性 | 乏しい | 優れている |
YTMは、国内外合わせて120種類のタグに対応しているのに比べ、GTMが対応しているタグは19種類のGoogleタグです。
GTMは、タグのテンプレート数の少なさから使いづらそうな印象を受けがちですが、テンプレートのカスタマイズ性が高く、他のGTM利用者が作成したテンプレートを使用することも可能です。
ただしYTMのようにエラー機能は搭載されていないため、プレビュー機能を駆使したり細かくチェックしたりすることで、エラーを発見する必要があります。
また、YTMは拡張性が乏しく、カスタマイズする際は一定の知識が必要でしたが、GTMは比較的拡張性に優れており、実行条件の指定を簡単におこなうことができます。
特に、設定に関するサポートが充実しているため、初心者でもヘルプサイトを参照しながら簡単に設定を行うことが可能です。
YTMからGTMへの移行方法
YTMからGTMに移行する方法をご紹介します。
タグマネージャーの移行作業は手間と時間のかかる作業です。
サービス終了までに移行が完了しない場合、広告配信の停止や、計測不可能といった事態に陥る可能性があります。
期日ギリギリではなく、できるだけ余裕を持って移行するようにしてください。
YTMからGTMへ移行する際に、必要な手順は以下の3つです。
- タグの整理
- GTMにタグを設置
- ユニバーサルタグの削除
移行するタグのボリュームなどによって変動しますが、上記の工程が完了するまでに約4ヵ月以上はかかります。そのため、タグマネージャーの移行作業は、遅くても年明け以降には始めるのがおすすめです。
①タグの整理
GTMに移行するにあたって、まずは現在使用しているタグを整理します。
YTMでは設置したタグを一覧化できないので、管理画面からタグを1つずつ確認しながら、不要なタグを削除しましょう。
GTMは各コンテナの容量に制限があり、容量の基準となるタグ・トリガー・変数の設定量を超えていると移行ができないため、タグの断捨離は重要な工程です。
また、移行するタグの量が多いと、その分作業工数がかかってしまいます。
タグマネージャーの移行代理店を利用する場合においても、タグの本数に応じて料金が変動することがあるので、タグの量に比例して費用が高額になる可能性があります。
今後もWebサイトや広告を運用していくなかで、タグやトリガーはさらに追加されていきます。今回の移行をいい機会だと思い、心機一転、運用環境をスッキリとさせましょう。
②GTMにタグを設置
Googleのアカウントを持っていない方は、アカウントを開設します。
通常のタグ設置とは異なり、タグの移行はまとめて設定するため、完了までにかなりの時間を要します。それぞれの移行状況によって異なりますが、タグの整理からタグの移行完了まで、約4ヵ月以上かかることを認識しておきましょう。
③ユニバーサルタグの削除
タグの移行が完了したら、サイトに記載のあるYTMのユニバーサルタグを削除しましょう。
YTMのサービス終了後も残していると、サイトのページ表示速度に影響が生じる恐れがあるため、必ず削除することを推奨します。
GTM以外のタグマネージャーツール
GTM以外のタグマネージャーへの移行を検討している方は、以下の表におすすめのツールを3つまとめたので、参考にしてください。
名称 | 特徴 |
---|---|
Adobe Experience Platform(旧DTM:Adobe Dynamic Tag Management) |
|
TAGエビス |
|
Ensighten Manage |
|
まとめ:タグマネージャーの移行は早めに行いましょう
2024年6月30日をもってYTMのサービスは終了となりますが、代替機能がないため、その後のタグ管理方法を決め、それに応じて対応する必要があります。
YTMから他社のタグマネージャーへ変更する場合は、Googleが提供しているGTMがおすすめです。
タグマネージャーの移行には手間と時間を要するため、早めに移行作業に取り掛かりましょう。
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