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富裕層マーケティング最新手法9選!成功事例・ポイントを徹底解説

富裕層マーケティング最新手法9選!成功事例・実践ポイントを徹底解説

高単価商品・サービスの売上拡大を目指す企業にとって、富裕層をターゲットとしたマーケティングは欠かせない戦略のひとつです。
また、日本国内の富裕層は増加傾向にあり、今後、富裕層向けの高単価商品・サービスを開発したいと考えている企業少なくないでしょう。

しかし、富裕層と一言で言っても、その価値観や消費行動は一様ではありません。
一般消費者向けのマーケティングの延長で考えてしまうと、せっかくの投資や広告費が無駄になってしまう可能性もあります。

この記事では、富裕層マーケティングの基本的な考え方から富裕層の消費行動の特徴、事例、具体的な手法9選などについて解説します。

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目次

富裕層マーケティングとは?

富裕層マーケティングとは、富裕層に向けて商品やサービスを提供するための戦略的なマーケティング手法です。

富裕層は一般消費者とは異なる価値観や行動様式を持ち、それが消費行動にも色濃く反映されます。そのため、マーケティングではこうした特性を十分に考慮する必要があります。

また、一口に富裕層といっても、その背景や価値観により複数のタイプに分類されます。自社の商品・サービスがどのタイプに適しているかを見極めたうえで、適切なアプローチ手法を検討することが重要です。

たとえば、一般消費者に向けた広告では「低価格」や「コストパフォーマンス」が効果的であっても、富裕層にはむしろ逆効果になる可能性もあります。
そのため、富裕層マーケティングでは、「誰に、どのように価値を伝えるか」を丁寧に設計する必要となります。

富裕層の定義とは?金融資産による区分

「富裕層」について、明確な定義があるわけではありませんが、野村総合研究所が2023年3月に発表した調査において、使用された定義が一般的に用いられることが多いようです。

区分 金融資産 世帯数
超富裕層 5億円以上 約8.7万世帯(約0.1%)
富裕層 1億円以上〜5億円未満 約124万世帯(約2.4%)
準富裕層 5,000万円以上〜1億円未満 約341.8万世帯(約6.3%)

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数
(画像引用:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

富裕層の背景による3タイプ分類

富裕層のマーケティング戦略を考える上では、「どのようにして富を築いたか?」という背景も重要なポイントです。
資産形成の経緯によって、価値観や消費の動機が大きく異なるからです。以下のように3つのタイプに分類できます。

・資産継承型の富裕層(オールドリッチ)

親や祖父母から多くの資産を受け継いで富裕層となったタイプ。
資産を守ることに重点を置く傾向が強く、「安定」「伝統」「信頼」といった価値観を大切にします。

消費行動の特徴 ・保守的な選択を好み、投資や消費にも慎重。
・信頼できる専門家やブランドとの長期的な関係性を重視。

・積み上げ型の富裕層

医師や弁護士、会計士などの士業、あるいは中小企業の経営者や上場企業の幹部など、長年の努力や実績により富を築いたタイプ。
自身の努力で成功を収めた自負があり、実用性とステータスの両方を重視する傾向にあります。

消費行動の特徴 ・成長志向が高く、自己成長に関する支出に積極的。
・高級車、時計、会員制サービスなど

・瞬発型の富裕層(ニューリッチ)

IPOや仮想通貨、芸能、スポーツなどで一気に富を得たタイプ。
消費意欲が非常に高く、他者と差別化できる「唯一無二」の価値に惹かれやすい傾向があります。

消費行動の特徴 ・限定品など特別感の強いもの
・資産運用にも積極的でリスクを恐れない傾向

富裕層マーケティングが注目される理由

近年、富裕層マーケティングが再び注目されている背景には、以下のような社会的・経済的な変化があります。

富裕層が拡大している

前述の野村総合研究所による2023年の調査では、日本国内の富裕層が増加傾向にあることが明らかになっています。
富裕層の世帯数だけでなく、1世帯あたりの金融資産額も大きく伸びており、市場規模が着実に拡大しています。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
(画像引用:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

高単価ビジネスの成功に直結する

高価格帯の商品やサービスは、単に販売数を追うのではなく、少数の顧客と長期的な信頼関係を築くことが成功の鍵です。

富裕層は購買力が高いだけでなく、一度価値を認めたものには惜しみなく支出する傾向があり、LTV(顧客生涯価値)も高くなりやすい特徴があります。

そのため、たとえ市場全体の母数は限られていても、十分な利益が見込めるため、注目されるようになりました。

データ活用・テクノロジーの進化

かつての富裕層マーケティングは、紹介やイベント、雑誌広告などのアナログで非効率的な手法に頼らざるを得ませんでした。

しかし現在では、テクノロジーの進化によって、ユーザーの基本属性や行動履歴から富裕層を高い精度で抽出・可視化できるようになりました。

これにより、配信対象・訴求内容・成果の分析までを一気通貫で管理できる、デジタルベースの富裕層マーケティングが実現可能となりました。
成果が明確になりやすく、PDCAを回しやすい点でも、多くの企業から注目を集めています。

富裕層の特徴・消費行動を理解する

富裕層に向けたマーケティングを成功させるには、富裕層がどのような価値観や判断基準で商品やサービスを選び、どのような場面で消費を行っているのかを深く理解することが不可欠です。
以下では、富裕層に共通する主な特徴や消費傾向について解説します。

富裕層は特定のエリアに集中しやすい

富裕層は特定の居住エリアに集中しやすいという傾向がみられます。

都道府県別では、2019年の総務省統計局の「全国家計構造調査」によると、負債を除いた家計資産が多い上位5位は以下のようになります。

順位 都道府県 家計資産総額
1位 東京都 47,010,000円
2位 神奈川県 37,877,000円
3位 愛知県 34,898,000円
4位 埼玉県 32,202,000円
5位 奈良県 32,042,000円

出典:「2019年全国家計構造調査」(総務省統計局)

また、東京の中でも「港区・千代田区・中央区・目黒区・渋谷区」といったエリアは高級住宅地として有名です。
他にも、芦屋(兵庫県)、六麓荘(兵庫県)、阿倍野区(大阪府)、山手(神奈川県)、八事(愛知県)、下鴨(京都府)など、全国に高級住宅地と呼ばれるエリアが存在します。

これらの地域には、高級住宅地や高級スーパー、外資系ホテル、プライベートクリニックなどが集積しており、共通した価値観を持つ富裕層が自然と集まりやすい環境が形成されています。

このため、エリアを軸にしたマーケティング施策(オフライン広告、イベント開催、会員制サービスなど)が非常に有効です。
居住エリアからの逆算で「どこに」「どんなメッセージを」「どのタイミングで」届けるかを考えることで、より精度の高い訴求が可能になります。

資産形成に繋がる購買

富裕層は、単なる消費ではなく「将来の資産形成に繋がるかどうか」を基準に購買判断を行う傾向があります。
特に、住宅や不動産、骨董品、アート、高級時計など資産性の高い商品で顕著です。

また、家族や子どもへの教育費、健康への投資(人間ドック、ウェルネスプログラムなど)も資産形成という視点で積極的に行われています。
「この商品は、私や家族の人生にどんな価値をもたらすのか?」という問いに明確に答えられる商品・サービスは、富裕層から選ばれやすくなります。

モノ消費よりコト消費(体験・ストーリー重視)

高品質なモノはすでに手にしている富裕層にとって、次に重要なのはその商品・サービスを利用することにより「どのような体験を得られるか」ということ。
たとえば、同じ時計でも「どこで」「誰と」「どんな想いで選んだか」といった全体のストーリーが重要視されます。

また、プライベートツアー、限定ワイン会、アーティストとの交流会など、五感に訴える「コト消費」は非常に高い反応を得やすい領域です。
ブランドのストーリーや創業者の想いなど、情緒的な価値を上手く伝えることが重要です。

ブランドへのこだわり

富裕層は高級ブランドを好む人も多いですが、単純に「高級品だから」というだけでなく、そのブランドが持つ、信頼性・専門性と積み重ねてきた実績を重視する傾向があります。

それぞれのブランドが持つストーリーや世界観に共感できるか、自分がそのブランドを持つ意味や周囲からの見え方、といったことも選択要素のひとつとなります。

企業側としては、商品やサービスの品質が問われることは言うまでもなく、ブランド全体のイメージ、販売員の質やアフターケア、第三者の評価(レビューや受賞歴など)も重要視されるため、顧客接点のすべてが「信頼構築」の場であるという意識が必要です。

口コミ・紹介・信頼できる専門家を重視

富裕層は、広告や宣伝だけではなかなか行動に移すことはありません。
その代わりに、信頼する知人・専門家からの紹介や口コミを重要な意思決定要素としています。

この傾向は特に、医療、美容、教育、不動産、金融などの高関与商材で顕著です。
紹介を促すには、「紹介したくなる体験」や「紹介された人が特別待遇を受けられる仕組み(紹介特典)」を設計するのが有効です。

プライベート性・限定性の重視

富裕層は、他者と同じサービスよりも「自分だけの特別な体験」に価値を感じる傾向が強いです。
そのため、以下のような特徴を持つサービスが好まれます。

  • 招待制や会員制
  • ラグジュアリーな空間設計
  • 他の顧客との接触を極力排除したサービス設計
  • 数量限定・期間限定・エリア限定 などのプレミアム性
  • オーダーメイドの商品・サービス

富裕層マーケティングの事例

ここからは、実際に富裕層をターゲットにした商品・サービスで成功している事例を取り上げ、どのような戦略でアプローチしているのかをご紹介します。

高級車:レクサス・メルセデスベンツ・ポルシェの体験型販売戦略

高級車市場では、性能やデザインの訴求にとどまらず、「車をどう所有し、どんな体験が得られるか」が重視されます。ここでは、富裕層との深い関係を構築している3つの代表ブランドをご紹介します。

レクサス:ブランドの世界観を体験できる施設を展開

レクサス(LEXUS)は、日比谷の「LEXUS MEETS…」や南青山の「INTERSECT BY LEXUS」など、単なる車両展示ではない、ブランド体験型の複合スペースを展開しています。

ここでは、ラウンジやカフェでくつろぎながら、ブランドの世界観に触れ、気になった車はその場で試乗も可能です。富裕層が求める「車を所有するストーリー」を体験を通じて伝える場を確立しています。

メルセデスベンツ:Airbnbと提携し世界遺産コカトゥー島での乗車・宿泊体験

メルセデス・ベンツは、車内での宿泊機能を備えたクロスオーバーSUV「マルコポーロ・アクティビティ」をプロモーションするにあたり、Airbnbとコラボし、世界遺産のコカトゥー島(シドニー湾)で車泊体験を展開。

市街地では伝わりづらい車の魅力を、キャンプ地としても有名な島という環境で、参加者の五感に直接的に訴える狙いです。

予約開始1時間以内に完売するほどの注目を集めた他、参加者の約98%がSNSで投稿し、「推奨者」となって拡散してくれる効果もありました。

ポルシェ:ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京

千葉・木更津に開設された「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」は、43ヘクタールの広大な敷地のもと、運転だけでなくブランド体験全体を提供する施設です。

本格的なハンドリングコースやオフロード走行、助手席体験や本格シミュレータなど、運転免許がない人でもポルシェの車の魅力を体感できる施設となっています。

さらに地域の食材を使ったレストランなども完備している他、「木更津ブルーベリーRUN」というマラソン大会を開催しており、地域共生というブランドメッセージを体現している場としても機能しています。

百貨店の外商:三越伊勢丹の「お得意様サロン」戦略

百貨店業界では、外商(外部商談担当)による富裕層向け営業が長年の強みとなっています。

例えば、三越伊勢丹の「外商部」。上得意客に対しては、百貨店の営業時間外にプライベートサロンでの接客を行い、スタッフが自宅訪問して商品提案を行うこともあります。

顧客は「自分の好みを理解してくれるプロ」に相談でき、希少な商品や未公開品も提案されるため、高価格帯の商品でも安心して購買が可能になります。
信頼関係をベースにした長期的な関係性の構築が、LTVの最大化につながっています。

会員制の宿泊サービス:Hyatt Residence Club・東急「インフィニート」

富裕層の宿泊ニーズは、「非日常」や「排他的な空間」に重点があります。
そのため、会員制・別荘型・長期滞在向けの宿泊サービスが人気です。

たとえば、Hyatt Residence Clubでは、特定のラグジュアリーホテルにタイムシェア形式で滞在できる仕組みを提供。宿泊だけでなく、レジデンス感覚で別荘のような使い方ができ、コンシェルジュやプライベートイベントも用意されています。

また、国内では東急不動産の「インフィニート」シリーズ(旧:東急ハーヴェストクラブ)が注目されており、軽井沢・箱根・熱海などの一等地に展開。選ばれた会員のみが利用できる「プライベートリゾート」として、安定した集客を誇っています。

プライベートバンク

金融業界では、富裕層向けの資産管理・運用をおこなうプライベートバンクサービスが代表的です。

積極的な運用を行う証券系(野村證券、大和証券など)、預金・融資を軸に安定運用重視の銀行系(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、SMBC信託銀行、千葉銀行など)に加え、外資系プライベートバンク(USB、クレディ・スイス、ロンバー・オディエ、ジュリアス・ベア。いずれもスイス)などがあります。

プライベートバンクでは、資産管理・運用だけでなく、顧客の状況に合わせた不動産・相続・事業承継・節税などの包括的なコンサルティングを提供しており、富裕層のある意味では一番の悩みでもあるお金に関するパートナーとしての存在を確立しています。

富裕層マーケティングの手法9選

富裕層に向けたマーケティングでは、単に広告を出すだけでは響きません。
彼らの価値観や行動に即したチャネル、伝え方、体験設計が求められます。
ここでは、実際に成果が出ている9つの具体的な手法を紹介します。

1.富裕層ターゲティング可能なWeb広告

近年、テクノロジーの進化により富裕層をピンポイントで狙える広告媒体やデータ連携手法が充実してきました。
富裕層向けのWeb広告において重要なのは、「どのような属性データに基づいて広告が配信されるか」を理解し、広告クリエイティブとの整合性を保つことです。

富裕層のターゲティング方法には、大きく分けて次の2つのアプローチがあります。

擬似的ターゲティング(職業・嗜好性ベース)

職業(医師・経営者など)や嗜好(高級時計・ゴルフ・ワインなど)の興味関心に基づく配信。
Yahoo!広告やMeta広告などで設定でき、ボリュームを確保しやすいのが特徴です。

直接的ターゲティング(資産・収入ベース)

銀行などのクローズドなデータを活用し、実際の金融資産・住宅ローン情報などに基づいて抽出されたセグメントに配信する方法。
高精度かつ信頼性の高いターゲティングが可能で、リードの質も担保されます。
ただし、細かくセグメントしすぎるとボリュームを担保することが難しくなる場合もあります。

2.オーダーメイド商品・サービス

富裕層は、汎用品ではなく自分に最適化された商品・サービスに価値を感じます。
たとえば、肌診断から処方されるオーダーメイド化粧品や、専門家が設計するパーソナル栄養プログラム、完全予約制のオーダースーツなどが該当します。

さらに、「唯一無二の体験」が提供できると、印象や口コミにつながりやすくなります。
例えば、「専属シェフによる邸宅ディナー」や「ラグジュアリーホテル貸し切り滞在」などは、価格以上の満足感を得られる体験として選ばれています。

3.オフラインサイネージ広告

富裕層は一定のエリアに集まりやすく、地域密着型のオフライン広告も高い効果を発揮します。
特に効果的なのが以下のようなメディアです。

タクシーサイネージ広告

都心部やハイエンドエリアでタクシーに乗る機会が多い富裕層にアプローチ可能。
「エリア」「曜日」「時間帯」などに加えて、AIによる顔認証技術を使って「年齢」「性別」といった属性情報でもターゲティングすることが可能です。
移動時間という手持ち無沙汰になりがちなタイミングで、高精度ターゲティングされた広告を届けることができます。

マンションサイネージ

高級マンションの居住者・来訪者に向けたクローズド環境での情報発信が可能なメディアです。

自宅というプライベートな空間で広告に複数回接触することで、強く印象に残すことができます。また、高級マンションはポスティング不可の場合もあり、住民への数少ないアプローチ手段でもあります。

高級商品・サービスなどだけでなく、BtoBサービスを企業の経営層・意思決定層に認知してもらう施策としても有効です。

4.パーソナライズされたコミュニケーション

富裕層マーケティングでは、「顔が見える」「自分のために届けられている」ことが大きな信頼要素になります。

DM(ダイレクトメール)

印刷物にこだわり、高級感のある紙やデザインで構成されたDMは、受け取った瞬間に他とは違う印象を与えることができます。
単純な値下げのキャンペーンではなく、価値ある提案書として設計するのがポイントです。

コンシェルジュ対応

ホテル業界、金融業界をはじめ、富裕層向けサービスではコンシェルジュの存在が重要視されています。
一般化されたサポートではなく、オーダーメイドされた支援を受けられることが、富裕層から受け入れられるポイントです。

5.オウンドメディアの構築・運営

富裕層は自ら情報を精査する傾向があり、しっかりとしたコンテンツを発信するメディアは信頼度。
商品やブランドの魅力を丁寧に伝える記事や、専門性を感じさせるインタビュー・コラムは、ブランディングと集客の両面で効果があります。

また、メルマガやLINE公式アカウントを活用して、顧客との継続的なコミュニケーションを図る仕組みもセットで設計するのが理想です。

6.富裕層向けメディアの活用

富裕層にリーチできる紙媒体やデジタルメディアを活用するのも効果的です。
特定の職種や属性に絞った専門誌・会員誌などは、高い信頼性を持って読まれており、ブランド好意形成に役立ちます。

  • 大人の休日倶楽部(JR東日本):旅・グルメ・文化をテーマに、50代以上のアクティブ層に訴求
  • JCB THE PREMIUM:プラチナカード会員限定の冊子。金融・旅行・ライフスタイル商材に好相性
  • ドクターズマガジン:医師に向けた専門誌。医療・開業支援・投資・不動産などで活用

読者の属性と自社ターゲットが一致しているかを事前に確認したうえで出稿しましょう。

7.富裕層限定イベントの開催

富裕層は、同じ価値観を持つ人とのクローズドな場での交流を求めています。
「限定イベント」や「招待制パーティー」などは、ブランドの世界観を伝える上でも非常に有効です。

たとえば、ハイブランドによる新作発表会、ゴルフコンペ、別荘体験会、プライベートワイン試飲会などは、共感・体験・関係構築の場として機能します。
イベント終了後の1on1フォローや専用LPへの誘導で、高確度のリード化が期待できます。

8.富裕層向け企業との提携

すでに富裕層を顧客として抱えている企業とアライアンス(提携)を組むことで、効率的に見込み客へアプローチできます。
例としては以下のような組み合わせが考えられます。

  • 高級旅館 × 金融サービス(資産運用・不動産投資)
  • 医療美容クリニック × 高価格帯健康食品
  • プライベートジム × パーソナル栄養管理サービス

顧客基盤を共有しつつ、互いのブランド力を引き上げるコラボ施策が有効です。

9.紹介・口コミ(リファラルマーケティング)

富裕層は、自身のネットワークを信頼して商品・サービスを選びます。
そのため、既存顧客からの紹介を促す仕組みを整えることは非常に重要です。

  • 「紹介した人にも、された人にもメリットがある」制度の設計
  • サービス満足度が高いタイミングでの紹介依頼
  • 感謝の気持ちを伝える手書きのお礼や特典付与

これらは継続率や顧客ロイヤリティの向上にもつながる重要な戦術です。

銀行データで高精度ターゲティング可能な「THEMIX DATA CONNECT」

富裕層マーケティングにおいて、「本当に富裕層だけに届く広告配信」は、これまで技術的にもコスト的にも難易度が高い領域でした。
しかし、住信SBIネット銀行とテミクス・データが共同提供する『THEMIX DATA CONNECT』がそのハードルを大きく下げました。

住信SBIネット銀行の「資産・所得データ」を活用

THEMIX DATA CONNECTは、住信SBIネット銀行が保有する口座情報や住宅ローン情報といった金融データを活用する広告配信サービスです。

【THEMIX DATA CONNECTで活用可能なデータ】

  • 金融データ:入出金、預金、ローン、証券などの金融取引データ。
  • ライフイベントデータ:住宅ローンデータ、賃貸契約データなど、人生の節目に関する情報。
  • 属性データ:本人確認済みの氏名、居住地、性別、年齢、住所、職業、職種といった正確な属性データ。
  • 資産・所得データ:経済力や資産力を推定するためのデータ。

これらのデータはすべて同意(オプトイン)を取得済みのため、コンプライアンス的にも安全です。

銀行が保有するデータという極めて信頼性の高い情報を元にセグメントできるため、富裕層だけを高精度でターゲティングすることが可能です。

効果的な配信チャネル

THEMIX DATA CONNECTでは以下のようなチャネルで広告を配信できます。

  • Web広告(GDN、YDA、LINE、Meta、X、Youtube、TikTokなど)
  • Eメール広告
  • ダイレクトメール

Web広告やEメール広告だけでなく、ダイレクトメールによるアプローチも可能なため、オンライン・オフラインの両面からアプローチすることが可能です。

広告運用からターゲットに刺さるクリエイティブ作成もお任せ

また、THEMIX DATA CONNECTでは、単に広告配信のプラットフォームを提供するだけでなく、トレーディングデスクによる広告運用からクリエイティブの最適化支援まで支援も提供しています。

広告運用においては、経験豊富なコンサルタントが丁寧なヒアリングをおこない、豊富な配信メニューからクライアントの業界・商材に合わせた最適な広告配信方法をご提案。配信開始後もわかりやすいレポーティングと定例MTGで、迅速なPDCAを回し広告成果を最大化します。

クリエイティブ作成においては、富裕層特有の感性や価値観に合わせたメッセージ設計、トンマナのコントロール、LPの改善提案まで、一気通貫での支援が可能です。バナー画像の作成だけでなく、LPの最適化や縦型動画専門チームによるリール動画やTiktokといったショート動画施策など、柔軟で幅広い対応で顧客とのコミュニケーションの最適化を実現可能です。

これにより、「リーチできるけど刺さらない」を防ぎ、リードの質向上とCV率の最大化を実現します。

富裕層マーケティングで気をつけるべきポイント

富裕層は購買力が高い反面、目が肥えており、自分の価値観に合わないアプローチには敏感です。
的確な施策を打つためには、以下のポイントを理解し、丁寧に対応することが欠かせません。

「押し売り感」の排除と丁寧な顧客対応

富裕層は、自分で判断・選択することに価値を感じる傾向があり、過度な営業やプッシュ型の訴求を嫌う傾向があります。
「この商品を買いましょう」ではなく、「こういった価値をご提案できますが、いかがでしょうか?」といった一歩引いた姿勢が好まれます。

また、接客対応やアフターフォローにおいても、言葉遣い・メールの文章・身だしなみなど、レベルが高いスタッフとの接触体験が重要。
富裕層は対応者の質=企業の信頼性と見るため、全ての接点での品質が問われます。

ハイエンド層の価値観に合わせる

富裕層にとって、商品の「価格」は購買判断の主軸ではありません。
それよりも、「自分に合っているか」「信頼できるか」「どんな体験が得られるか」が重視されます。

したがって、値引きやキャンペーン中心の訴求は逆効果になりやすく、安易な値引きによってマス層が流入したことにより、逆にハイエンド層が流出してしまったというケースも少なくありません。

特に、商品背景のストーリーや作り手の想い、長く使うことへの満足感など、「このブランドは自分の価値観に合っている」と思わせるブランディングや顧客体験を構築することが重要です。

情報管理(個人情報・接触履歴など)の重要性

富裕層は個人情報に対して敏感で、プライバシー保護への意識も高い傾向があります。
一度信頼を損ねると回復が難しいため、情報の取り扱いには万全の配慮が求められます。

過去の接触履歴や趣味嗜好などを活用したコミュニケーションは効果的ですが、過度な追跡や「見られている感」の強い施策は避けるべきです。
自然な流れでパーソナライズを行い、信頼の積み重ねとして情報活用を位置づけることが重要です。

まとめ

富裕層マーケティングは、単に高価格帯の商品やサービスを用意するだけでは成功しません。
重要なのは、富裕層の価値観や行動心理を深く理解し、「信頼」と「体験価値」を軸にした設計を行うことです。

富裕層は、モノのスペックや価格よりも、誰から買うか・どんな体験が得られるか・どんな意味があるかを重視します。
そのため、信頼関係を築くコミュニケーション、限定性やパーソナル性を感じられる提供方法、ストーリー性のある訴求が不可欠です。

また近年では、THEMIX DATA CONNECTのような実在データに基づいた高精度ターゲティングが可能となり、これまで難しかった富裕層層への効率的なアプローチも現実的になってきました。

まずは、自社の商品・サービスの中で「富裕層に適した切り口は何か?」を見直すことから始めてみてください。
そして、小さくテストを重ねながら、信頼と共感を軸にしたアプローチを積み上げていくことが、富裕層マーケティング成功の第一歩となるでしょう。

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