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ROIとは?計算式やメリット、他の指標との違いから向上法まで解説!
ビジネスにおいて、事業や施策の効果測定は必要不可欠です。なかでも、費用対効果を測るROIは、企業のあらゆる分野に寄与する重要な指標といえます。
しかし、「単語は聞いたことがあるけど詳細まではわからない…」
「どんな場面で使ったらいいの?」
「いろいろな指標があるけど、ROIだけでも測定できる?」
など、概念が曖昧な方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ROIの計算法やメリット、他の指標との違いを解説します。後半では、ROIの向上法や評価基準も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ROIとは
ROIとは、「Return On Investment」の略で、投資に対してどれだけの利益を得られたかを示す指標です。「投資収益率」や「投資利益率」と訳され、ビジネスにおいての投資効果の計測に使用します。利益額と投資額によって求められるため、あらゆる事業に適用できる汎用性の高い指標です。
ROIの算出方法
ROIは以下の計算式で算出できます。
ROI(%)=利益金額 ÷ 投資金額 × 100
利益金額は、売上から売上原価と投資金額を差し引いた粗利(売上総利益)です。
たとえば、SNS広告を150万円で出稿し、利益が200万円の場合
200万円 ÷ 150万円 × 100 =133%
でROIは133%と算出できます。ROIの損益分岐点は0%、つまり、0%を超えると利益が発生していることを意味します。100%を切っているからといって赤字というわけではないことに注意が必要です。
ROASとの違い
ROIと類似した指標としてROAS(ロアス)が挙げられますが、ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、投じた広告費に対してどれだけの売上を生み出しているかを示す指標です。
ROASは広告費に対する売上高を示す指標で、ROIは投資全体に対する利益を示す指標という違いがあります。
ROIは事業全体の収益性を評価する際に用いられるのに対し、ROASは広告のパフォーマンスを評価する際に用いられます。
ROIとあわせて覚えたいその他の指標
ROIを活用するにあたって、あわせて覚えたい指標を紹介します。併用する場面も多いので、それぞれの指標をしっかり理解しておきましょう。
CPA
CPA (Cost Per Acquisition)は、顧客獲得単価を表す指標です。新規顧客1人の獲得に、どれくらいの費用がかかったかを計測できます。主にWeb広告の効果測定に使用します。
<計算式>
CPA(%) = 広告コスト ÷ コンバージョン件数
CVR
CVR (Conversion Rate)は、コンバージョン率を表す指標です。Webサイト訪問者のうち何%が購入や問い合わせなど、目的の行動につながったかを計測できます。サイト改善や施策の成果を可視化する際に使用する場合が多いです。
<計算式>
CVR(%)=CV数÷アクセス数(クリック数)×100
LTV
LTV (Life Time Value)は、顧客生涯価値を表す指標です。顧客が自社との取引を開始してから終了するまでに、どれくらいの利益をもたらすかを示します。顧客との継続的な関係性を構築する際の管理指標として用います。
<計算式>
LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 平均購入頻度(回/年)× 平均継続期間(年)
ROIの活用シーン
予算の算出や配分
ROIは予算の算出や配分に活用できます。実施する施策やキャンペーンのおおよそのROIを算出しておけば、成果を予測でき、有効的な予算配分が可能です。さらに、実施と検証を繰り返して予測精度を上げれば、企業の成長や市場シェアの拡大など、大きな成果につなげられます。短期的なリターンの確保と長期的な施策への投資のバランスはROIを指標にしましょう。
マーケティング施策の評価
ROIはマーケティング施策の評価にも活用できます。マーケティング領域では「成功したようで実は収益に結びついていない」「投資金額に見合う成果が出ない」などのケースも珍しくありません。そのため、マーケティングROIを定期的に計測し、見直しや改善を繰り返して施策やキャンペーンの効果を最大化しましょう。
ROIを活用するメリット
ROIを活用すると事業や施策に対する投資を定量的に評価でき、企業の意思決定や持続的な成長を促進します。具体的なメリットは以下のとおりです。
投資効果を客観的に評価できる
ROIを活用すると投資が利益に対してどのような成果をもたらしたかが可視化され、客観的な視点で有効性を確認できます。効果測定によって意思決定やリスク軽減がしやすくなり、利益が最大化するためのアプローチが可能です。
事業や施策を比較しやすい
ROIは投資額に対する利益の割合を示すため、規模やジャンルが異なる事業、施策間の比較がしやすい点もメリットです。優先度や取捨選択の目安となり、資金管理にも役立ちます。
ただし、ROIは投資内容、業種、企業規模、投資期間など、さまざまな要因が影響するため、条件の差を念頭において比較しましょう。なるべく近い条件のものを比較対象にすると参考にしやすいです。
業務改善につながる
ROIの算出によって業務の非効率な部分を特定、改善することで、企業全体の生産性や収益性の向上が見込めます。とくに費用対効果の低い施策や問題点の発見は、事業の持続的な成長につながるでしょう。定期的にROIを計測・改善すれば、パフォーマンス力の向上と維持に貢献します。
ROIを算出する際の注意点
ROIは有用な指標ですが、算出する際に注意すべき点もあります。以下の要素を念頭において、短絡的な判断を下さないよう留意してください。
数値化できない利益は計測不可
ROIは利益金額と投資金額をもとに算出するため、数値化できない利益や価値は計測できません。具体的には、企業イメージやブランド力の向上、口コミによる評判などが挙げられます。昨今では、インターネットやSNSの普及により、ユーザーが数値化できない分野に価値を見出すケースも増えているため、定量的なROIだけで判断しないよう注意が必要です。
長期的な投資効果の評価には向かない
ROIは、事業や施策の長期的な投資効果の評価には不向きです。算出時の利益額や投資額は現状のもののため、事業が今後どのように成長・衰退するかまでは予測できません。
ROIだけで費用対効果を判断すると、長期的な視点での取り組みが必要な事業や施策を切り捨ててしまうリスクもあります。ROIを絶対的な指標とするのではなく、ほかの指標と併用したり、評価期間別に計測したり、弱点をカバーできる手法を取り入れましょう。
ROIを向上させる4つの方法
ROIを高めるには、売上を増加させるか、コストを削減する必要があります。以下でROIを向上させるための具体的な方法をご紹介します。
売上の増加
利益額を用いて算出するROIは、利益が増加することで向上します。利益をあげるためには、まず売上を増加させる取り組みが必要です。
具体的には、CVRや受注率を高め販売数を上げたり、効率の良い広告に集中させたり、競合状況を見つつ単価を上げたり、といった対策が挙げられます。新しい施策だけでなく、現状でROIが高い施策の強化を徹底するのも効果的でしょう。
投資コストの削減
ROIを向上させるには、売上の増加と同時にコスト削減も必要です。たとえば、無駄な経費や効果の低い広告を見直すなどの方法がとれます。
ただし、コストを抑えたいからといって、商品の質を低下させたり、顧客サービスが悪化したりするのは望ましくありません。コスト削減する際には売上を維持、または増大できる策もあわせて検討しましょう。
費用効率の高いマーケティング手法
費用効果の高いマーケティング手法もROIの向上に寄与します。低コストかつ、データに基づいたマーケティングを取り入れると、無駄な支出を削れるうえにPDCAの最適化が可能です。また、短期的なリターンを確保できるため、長期的な視点が必要な施策への投資がしやすくなります。
MAツールの活用
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、顧客データの一元管理や施策の効果測定など、あらゆるマーケティング業務を自動化できるツールです。業務の効率化を図り、人件費を削減することでROIの向上が見込めます。
MAツールの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
【MAとは?】マーケティングオートメーションとは何か分かりやすく説明します!
短期・中期・長期別のROI評価基準
ROIを分析する際は、施策の効果が表れる期間によって適切な評価基準を設定する必要があります。短期・中期・長期でのROIの捉え方を明確にし、戦略的に評価しましょう。
短期ROI(1ヶ月〜半年程度)
広告効果、キャンペーンや短期プロモーションなど、当面の成果を求める際に用いられるのが短期ROIです。投資に対して即効性のある利益がでているか、売上の増加に着目して評価します。具体的には、広告出稿による消費者の反応や新規顧客の獲得、既存顧客への販促をもとに評価するケースが多いです。
中期ROI(1~3年程度)
中期ROIでは、マーケティング施策の持続的な効果や商品、サービス開発に対する反応などを評価します。新規顧客がリピーターになる割合や、既存顧客の再購入の頻度が重要な指標です。また、ブランド認知度や評判が向上しているか、コスト削減や運営効率の向上によって利益率が改善されているか、なども中期ROIで注視すべき点といえます。
長期ROI(3年~)
企業の成長や新たな市場シェア獲得、長期的な視点でのビジネス戦略の効果を測るために用いられるのが長期ROIです。売上増加、コスト削減に加え、ブランド強化や顧客満足度を重視します。環境や社会への取り組みがビジネス全体にどれだけの影響を与えたかまで評価すると、企業の持続可能な成長に期待できるでしょう。
まとめ
ROIとは、ビジネスにおける投資においてどれだけの利益を得られたかを示す指標です。利益額と投資額のみで算出できるため、あらゆる事業や施策に用いられます。また、異なる業種、規模、施策を横断しての比較も可能なため、企業の成長には不可欠な指標といえるでしょう。
ただし、長期的な視点での施策、数値化できない価値などの評価をする場合には、ほかの指標を併用したり、評価期間をわけて評価するなどの対策が必要です。
投資に対する利益を最大化するには、ROIを正しく分析し、効果的な事業や施策を見極めましょう。
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