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近年、テクノロジーの発達でデータを活用したマーケティングができるようになってきました。
その中で、LTV(Life Time Value)に注目が集まっています。
特に、サブスクリプションという新しい形態のビジネスが広まっていく中で、欠かせない指標となっています。
この記事では、LTVとはどういうものなのか、どうして注目されるのか、LTVはどうやって計算されるのか、そしてLTVを高めるにはどうすればいいのかを解説していきます。
これを読めば、あなたもLTVがばっちり理解できること間違いなしです。
目次
LTV(Life Time Value)とは
そもそもLTVとはいったいどういうものなのでしょうか?
LTVとは、Life Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値と訳されます。
これは、「1顧客が自社の商品やサービスを購入した金額がどのくらいになるのか」という指標です。
つまり、顧客1人から得られる売上が平均どのくらいになるのかという指標です。
一般的に、顧客が商品やサービス、またはブランドに対する愛着(顧客ロイヤリティ)が高ければ高いほど、LTVも高くなります。
どうしてLTVが注目されるの?
ではどうして、LTVという指標が注目されているのでしょうか?
大きな理由は以下の2つです。
- CRMが行われるようになったから
- サブスクリプションビジネスが注目されているから
一つずつ詳しく見ていきましょう。
CRMが行われるようになったから
近年、データの活用に重点を置いたマーケティング手法である、データドリブンマーケティングが浸透してきました。
このデータドリブンマーケティングによって、顧客の行動を分析し、自社の商品やサービスの改善に役立てることができるようになってきました。
データドリブンマーケティングについて詳しくはこちらをご覧ください。
このデータドリブンマーケティングでは、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)というものが行われます。
これは、顧客の基本情報や購買履歴、クレームなどを一元管理し、顧客と綿密なコミュニケーションを行うことで、自社のブランド向上や収益拡大を目指すものです。
1:5の法則
特に、マーケティングでは1:5の法則といわれますが、新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかる、という考え方があります。
これはつまり、新規顧客の獲得以上に、既存顧客との関係を維持していくことが大切だということです。
その中で、CRMを利用した既存顧客との関係を良好にする施策が行われています。
LTVは「売上あるいは利益」と「時間」という定量的な指標なので、既存顧客との関係がどのような状態かを見定める上で有効なのです。
だからこそ、LTVが注目を集めているのです。
サブスクリプションビジネスが注目されているから
もう一つは、サブスクリプションビジネスが注目されているからです。
サブスクリプションとは、月ごとや年ごとでお金を支払ってもらい、その間はサービスを使い放題というビジネスモデルで、「いかに顧客の満足度を高め、継続的に使ってもらうか」が重要とされています。
そこで、顧客の満足度を測る指標として、LTVが用いられているのです。
サブスクリプションについて詳しくはこちらをご覧ください。
LTVはどうやって計算するの?
ここまで、どうしてLTVが注目されているのかを見てきました。
顧客との良好な関係をいかに作るかということが重要になってくる中で、LTVという定量的な指標が用いられる機会が増えてくるでしょう。
ここからは、LTVをどのように算出するのかを見ていきたいと思います。
もちろん業種や業態によって変わってきますが、今回は一般的なメーカーや小売業などの場合とSaaS(サブスクリプション)の場合について見ていきたいと思います。
前者でも、サブスクリプションビジネスを行っている場合は、SaaSの方を参考にしてください。
メーカーや小売業などの場合
一般的なメーカーや小売業がLTVを計算するときには、
「LTV = 1回の購入単価 × 購入の頻度 × 使い続けてくれる期間」
という計算式になります。
例えば、ネットショップで販売している商品で、約60日間で使い切るものだった場合、購入の頻度は約6回になります。
さらに、1年間の間にその商品を使わなくなる人の割合が10%だった場合、使い続けてくれる期間は約10年ということです。
このようにして、LTVを計算することができます。
SaaS(サブスクリプション )の場合
では、SaaSの場合はどういった計算式になるのでしょうか?
SaaS(サブスクリプションビジネス)の場合は、
「月額(または年額)の料金 × 使い続けてくれる期間」
という計算でLTVを算出できます。
サブスクリプションビジネスでは顧客の利用データを取りやすいので、LTVを比較的正確に算出しやすいでしょう。
使い続けてくれる期間は、Churn Rate(チャーンレート:解約率)から算出することができます。
例えばChurn Rateが20%であれば、使い続けてくれる期間は平均5年ということになります。
健全なLTVとCACの指標
サブスクリプションビジネスでは、LTVと合わせてCAC(Customer Acquisition Cost)という指標が用いられます。
CACとは、1人の顧客を獲得するのに必要な費用のことです。
一般的に、サブスクリプションビジネスでは、
「LTV / CAC > 3x」
が望ましいといわれています。
これはつまり、LTVが1人の顧客を獲得するのに必要な費用の3倍以上ということです。
上記のChurn RateやCACなど、サブスクリプションビジネスに関する指標について詳しくはこちらをご覧ください。
LTVを高めるにはどうすればいい?
ここまで、LTVの計算のやり方をみてきました。
前述した通り、新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかります。
加えて、俗にLow Hanging Fruitといわれるように、ユーザー数が増えるごとに顧客獲得コストは高くなる傾向にあります。
そこでLTVを高めることが、自社の収益を伸ばす上で近道です。
ここからはLTVの計算と同様に、メーカーや小売業などとSaaSの場合に分けて、LTVを高める方法を見ていきたいと思います。
サブスクリプションビジネスの場合は、SaaSの方を参考にしてください。
メーカーや小売業などの場合
メーカーや小売業がLTVを改善するには、以下の3つの方法があります。
- 1回の購入単価を上げる
- 購入の頻度や期間を改善する
では、一つずつ見ていきたいと思います。
1回の購入単価を上げる
まずは、1回の購入単価を上げるという方法です。
より金額の高い商品の購入を促すアップセルや、セットとして関連商品を勧めるクロスセルによって1回の購入単価を上げることで、LTVを改善することができるでしょう。
購入の頻度や期間を改善する
1回の購入単価を上げる以外にも、購入の頻度を高めたり、途中で使うのをやめてしまう人を減らし、長く使ってもらうことによってLTVを改善することができます。
そのためには、データを活用したマーケティング手法、データドリブンマーケティングの導入が必要です。
データドリブンマーケティングについて詳しくはこちらをご覧ください。
SaaS(サブスクリプション )の場合
SasSのLTVを高めていくには、どのようなことが必要でしょうか?
主な方法は以下の3つです。
- Churn Rateを下げる
- ARPUを上げる
- CACや顧客維持コストを低くする
では、一つずつ解説していきます。
Churn Rateを下げる
Churn Rate(チャーンレート)とは解約率のことです。
サブスクリプションビジネスでは、いかに顧客満足度を高め、長く使ってもらうかに主眼が置かれています。
そこで、チャーンレートが高いと、顧客の満足度が低いということであり、LTVも下がってしまいます。
アン・H・ジャンザー 氏著、『サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方』によると、「アメリカのズオラは、サブスクリプションビジネスの平均チャーンレートはBtoBで年率26%、BtoCで年率35%と発表した」とのことなので、この数字を参考に、自社のチャーンレートが適切な水準かを判断するといいでしょう。
ARPUを上げる
ARPUはAverage Revenue Per Userの略で、1顧客あたりの平均単価がどれくらいかという指標です。
これはメーカーや小売業の購入単価と似ていますが、ARPUは月ごと、年ごとなど期間を区切って算出されることも多いです。
LTVを上げていくには、購入単価同様に、アップセルやクロスセルを行う必要があります。
例えば、グレードを上げたプランを提案したり、オプション項目を提案するなどが考えられるでしょう。
ティエン・ツォ氏 、ゲイブ・ワイザート氏著、『サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』では、「チャーンレートが低いサブスクリプション(売上高2500~7500万ドル)の企業は、顧客の1/3にクロスセルを行っていた」というマッキンゼーの報告が紹介されています。
それだけ、うまくいっているサブスクリプションビジネスでは、ARPUを高める工夫がされているということでしょう。
CACや顧客維持コストを低くする
また、LTVに直接関係するわけではありませんが、自社の利益を増やすという観点では、CAC(1人の顧客を獲得するのに必要な費用)や顧客の維持コストを下げることも考慮する必要があるでしょう。
例えば口コミが広まりやすいような仕組みを考えたり、メルマガやYouTubeなどを使って、顧客との良好な関係性を保てるような試作を行うことで、最終的な自社の利益を伸ばしていくことにつながります。
まとめ
LTVは、これからのデータドリブンマーケティングや、サブスクリプションビジネスにおいて、とても大切な指標です。
しかもLTVは、「売上あるいは利益」と「時間」で算出できる定量的な指標なので、自社の収益の改善にも役立てやすいでしょう。
そのためには、CRMの導入などで、顧客の消費動向をデータとして収集、分析していくことが必要不可欠です。
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