- AMP, 内部施策・SEO周辺技術
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こんにちは。去る3月15日、GoogleによるAMPオフィスアワー「Introduction to AMP」が開催されました。
Googleでは検索に関するウェブマスター向けのオフィスアワーを定期的に開催しており、さまざまなテーマで質問を募集、そしてその解答をGoogleの検索クオリティチームが直接答えてくれるという、とても貴重な機会です。
今回のテーマは「Introduction to AMP」ということで、AMP(Accerelated Mobile Pages)に関するオフィスアワーでした。
オフィスアワーは録画も公開されており、下記より視聴することができます。
弊社でもAMPに関しては絶賛ナレッジ収集中なのですが、AMPに関しては日本語のドキュメントが非常に少ないということもあり、視聴しましたので、その内容をブログにまとめました。
全体の流れとしては下記のような形でした。
- Strategic Partner ManagerのDuncan WrightさんによるAMPの概要
- 寄せられた質問に対する解答
以下、まとめていきます。
Strategic Partner ManagerのDuncan WrightさんによるAMPの概要
AMPについて
ページの表示速度は直帰率に影響する
サイトの起動時間が3秒以上だと40%のユーザが断念してしまう
→直帰率にも影響
GoogleがAMPを開発した経緯(遅い以外に)
- Closed Ecosystem
あるプラットフォームでないと見れないコンテンツ→広がりにくい
- コンテンツレベルでのマネタイゼーション
お金払わないと読めないコンテンツ→みんな読まない
- Ad Blockers
広告を見たくなくてそういうプラグインを入れる人たちの存在→広告がページ表示速度に与える影響は無視できない
上記を踏まえ、AMPにとって必要なもの
- 速い
- 実装が簡単
- モバイルフレンドリー
- オープン
- マネタイズが可能
→オープンに開発、つくったものはGithubに公開、わからないところはStackOverflowで質疑
AMPはどれだけ速いのか???
4倍速い、データ量は1/8
(Pinterestのエンジニアブログより)
AMPの仕組み
- ページをスッキリさせる
- JSを削減
- 帯域幅(Bandwidth)を最適化
- 画像の解像度等をデバイスごとにカスタマイズ
- それぞれのパラメータを逐次的に起動
- ユーザーが読みたい情報をまずロード、それ以外は後でロード
- ページをキャッシュ
- 世界中にあるAMPサーバにキャッシュして、ユーザが一番近いところにあるサーバから取得
- さまざまなプラットフォームで表示可能
- 日本では現在Googleのみだが、LINE・Amebaも実装予定
- 広告収入と計測データはAMPでも取れるようになっている
AMPの現在とこれから
- 2015年10月:デベロッパプレビュー
- 2016年 2月:Google検索におけるAMP表示開始(「ニュース トピック」のみ)
これからは他のプラットフォームでもAMPのコンテンツがみられるようになる予定
日本では現状、コンテンツページでのAMP対応は進んでいる(新聞社など)
今後はそういったコンテンツをGoogle検索だけでなく、LINEやAmebaなどのプラットフォームでも見られるようになる
ウェブマスターとして、AMPは対応すべきか?
全てのウェブコンテンツに向いてるか→現状では向いていない
特に、動的なサイトやユーザーの操作が伴うサイトには向いていない(ECサイトなど)
記事・コンテンツ系であれば対応を進めたほうがよい
AMPは現在も進行中のプロダクトなので、情報の翻訳が追いついておらず、日本語のドキュメントが少ないのが現状。
(筆者注)
ここで、AMPに関する情報を得ることができるページがいくつか紹介されていました。
Ampproject.orgやAMPのGithubページは全て英語で書かれているため、日本語圏の私たちにとっては少し敷居が高いですが、GoogleでAMPの開発に関わられていた日本の方のブログも紹介されており、こちらは非常に有益かつ読みやすいものになっているので、ぜひご覧になってください。
AMP対応 2016.02版 – YAMAGUCHI::weblog
寄せられた質問に対する解答
※解答をカテゴリごとにまとめたため、一部順番を実際のオフィスアワーのものと変更しています。
また、似たような質問やセットになっているような質問に関しては、一部改変しまとめています。
AMPとランキングシグナル
AMPであるか否かはランキングシグナルではないが、ページの表示速度はランキングシグナル。これって矛盾してませんか?
AMPに対応したページがあるか否か、というところがランキング要因ではないだけ(モバイルフレンドリーと同じ理屈)。
カルーセルに表示される順番はどのような仕組みなのか?
通常の検索と同様、たくさんの要素の中で決定される。
AMPの実装にまつわる記述的なQ&A
バリデータによってエラーが出たり出なかったりする。何が正しいのか?
AMPは現在も仕様が変わりまくってるので、バリデーションツールによっていろんなエラーが出る可能性もなくはない。
Chromeのデベロッパーツールを使うとエラーが出ないのに、Search Consoleだとエラーが出る、といったようなことがあれば都度フォーラムに書き込んでほしい。
AMPページに固有の画像が無い。しかしschema.orgの「NewsArticle」「BlogPosting」(AMPページにはこのカテゴリが推奨されている)はimageプロパティが必須(required)になっている。その場合はデフォルト画像のようなものを当てるのが良いのだろうか?
AMPの精神に則れば、必要な画像が無い場合は表示させないほうが良い。
それに、BlogPostingなどのニュース記事を想定しているようなスキーマにおいて、画像が無いということは通常考えられないのではないか。(長山)
私もちゃんとしたことを今は言えない(ダンカン)
(筆者注)Googleの構造化マークアップのヘルプの「Enabling Rich Snippets for Articles」には、「NewsArticle」「BlogPosting」のいずれかの方法でのマークアップが適当だろう、と記述があり、かつ「image」プロパティは「required(必須)」となっています。
それを受けての質問であると推測されます。
しかし、これから様々なプラットフォーム・形式でAMPコンテンツが展開される中で、こうした問題は解決されるのではないかと考えられます。
amp-analyticsのdecayTimeで指定できる範囲とデフォルト値を教えてください。
現時点で正確なことをお答えすることはできないので、後日お答えする。
(筆者注:こちら、4/12現在で発見できなかったのですが、どこかに記載がありましたでしょうか…。)
サイト内で、ひとつのコーナーとして記事配信を検討中。サイト全体ではなく部分的なAMP対応は可能か?
サイトの一部分でもそのコンテンツがAMPと親和性が高いのであれば対応する価値はあり。
AMPコンテンツ・キャッシュ・クロールなど
AMP記事が悪意を持ってコピーされたり、AMP記事自体に誤りがあったときに、削除や配信拒否を申し立てることは可能?
AMPページをクロールするときには、本体のページとセットでクロールするようにしてるので、誤りの修正や削除を行う場合は、普通のページと同じようにFetch as Googleを行うことで修正が可能。
Google AMP Cacheにキャッシュされたコンテンツを更新したい場合はどのようにすればよいか?
上述の通り。
AMPHTML上でカノニカルしているURLをFetch as Google等何らかの形でクロールのリクエストを行えば、セットでAMPコンテンツもキャッシュされる。
コンテンツの中身が更新した場合の通知方法は?
同上。オリジナルURLをFetch as Googleすれば通知可能。
AMPサーバーを運用するのはGoogleだけ?
他の事業者が運用することは、仕様上は可能。現時点ではGoogleのみ。
ampのキャッシュはGoogleが提携している業者のみがアクセスできる?
今は一緒に開発してる企業しか触れないが、そのうちみんなが触れるようになる。
(質問者の「アクセス」という言葉の定義があいまい。AMPページに、ということであれば全員がアクセスできる。)
広告とAMP
AMP対応したニュース記事ページに広告を出す際、特別な対応は必要?いずれはAMP対応して入稿したほうが有利、といったことはある?
現在はAMP版の広告でないと表示されないようになっているし、バナー広告がメイン。
これからAMPコンテンツがいろんなところに表示されるようになる中で、AMP対応した広告のバリエーションは増えたほうが良い。
AdSenceとDoubleClickはAMP対応している。
ウェブマスター側としては自分が設置したい広告ネットワークがAMP対応しているかはしっかり確認する必要がある。
AMPページに広告を出す場合、出稿主は特別な対応が必要になるのか?仕様などは固まっているのか?
アドネットワーク側の仕様は既に決まっている。
しかし、私たちは検索のチームだから広告についてはオフィシャルな解答はできない。
アドネットワーク・広告を掲載するウェブマスター・広告主など、広告に関わるプレイヤー毎のヘルプが欲しい。
善処します。
ユーザー生成型メディア(CGM)とAMP
ユーザー生成型メディア(CGM)を運営している。サイト自体はAMPバリデーションをクリアしているが、ユーザーがソースをいじる部分でエラーが頻発する。これはしょうがないことなのか?
間違った記述をしてエラーが出るのはこちらの想定通り。でもエラーが出たまま実装してどうなるのかは未知数なので共有してほしい。
CGM型メディアでは、AMPの仕様を知らない人も多い。Search Consoleでエラーが頻発しているとユーザーを戸惑わせてしまう。
CGM側で、ユーザがいじる部分をどこまでサポートすべきなのか、という部分については議論の余地がある。
ただ、AMPバリデーションがうまくいってないことでサイト全体・ページ自体のランキングに悪影響が出ることはない。
AMPの今後
通常の検索結果画面など、Googleウェブ検索結果ページの「トップ ニュース」以外の部分にAMPページへのリンクが表示される予定はあるか?
いずれは視野に入れているが、現段階では具体的な部分は話すことができない。
サイト内のコンテンツへのリンクをAMPページのURLにしても、クロールやインデックスに影響は出ないか?
静的なページだったらAMPHTMLだけでサイトコンテンツを構築することは可能(ampproject.orgのページもAMPバージョンしかない)。
しかしAMPには現状できないことも多いので、本当に自分のサイトのコンテンツがAMPバージョンだけでもよいかどうかは検討の必要あり。
AMPコンテンツとオリジナルページの関係性は今後変化していくか?AMPページのみでサイトを成立させることもできるようになるのか?
同上。しかし、暫くの間はAMPバージョンと通常バージョンの両方があったほうがよい。
AMP表示の対象となるのはしばらく基本的にはKnowクエリのみで対応となるのでしょうか?
今は「ニュース トピック」にしか出ていないが…?
Knowクエリ -> 「履歴書の書き方」などのクエリを想定しています!
それも静的なコンテンツだから向いてると思う。ただ今はニュース的なコンテンツしか表示されない。
今後導入予定のAMPを活用した新たな検索体験は?
検討中です!でも具体的なことは言えないのでご期待ください。
まとめ
他の国はもっと早く終わった!日本が最長だよ!ありがとうね!(ダンカン)
広告を出稿する側の質問は想定外だった。もうすこし調べて、お届けしたい(長山)
AMPは現在も開発中のプロジェクトなので、情報は適宜キャッチアップしてください。(長山)
さいごに
以上がGoogleによるAMPオフィスアワー「Introduction to AMP」のまとめでした。
50分超のオフィスアワーをまとめたので長々となってしまいましたが、日本語によるGoogleからの情報提供は少ないため、非常に貴重なものかなと思います。
ご自身のサイトでAMPを導入される方は、ぜひ一度ご覧になることをお勧めします!
もう一度リンクを貼っておきます。
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