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化粧品広告で注意すべき表現とは?薬機法における禁止表現や違反事例を解説

化粧品広告で注意すべき表現とは?薬機法における禁止表現や違反事例を解説

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Tanaka Yuta

TanakaYuta SEO Div. コンサルタント

現在までに100社以上のSEO対策に従事し、様々なジャンル・キーワードで上位表示を実現。薬機法管理者の資格を有しているいること、SEOライターとして自身でもライティングができることから、広告表現が難しい医療・美容・健康を得意領域としている。「成分名」や「〇〇 効果」などの難関キーワードでの上位表示実績多数。SNSでの情報発信にも力を入れており、約10,000名のフォロワーを獲得している。

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商品の魅力をより効果的にアピールするには、広告表現の工夫が必要不可欠。
しかし、化粧品広告における表現は、複数の法律によってさまざまな規制を受けています。

たとえ悪意がなくとも、法律に違反すると罰金などのペナルティや、社会的信用の失墜につながるため注意が必要です。

そこでこの記事では、薬機法をはじめとする法律で規制されている化粧品広告の禁止表現や注意すべき表現を解説します。

正しく、そして効果的に商品の魅力をアピールできるよう、化粧品広告のルールを知っておきましょう。

化粧品広告の表現を規制する法律

化粧品広告の表示には、以下のようにさまざまなルールが複数の法令によって規定されています。

  • 薬機法(旧・薬事法
  • 景品表示法
  • 特定商取引法

まずは、それぞれの法律の制定目的や規制内容について簡単に説明します。

薬機法(旧・薬事法)

薬機法とは、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性を確保するための法律です。

医薬品等は人の命や健康に直接関わるもののため、品質不良や虚偽・誇大広告などの問題があると健康被害が発生するおそれがあります。

こういった健康被害から国民の生活や健康を守るために、薬機法では製造から販売、製品の表示・広告までさまざまな規制が設けられています。

以前は「薬事法」という法律でしたが、「再生医療等製品」が規制対象として加わるなど平成26年に行われた法改正に伴い、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に名称が変更。

現在は略して「薬機法」と略して呼ばれることが多くなっています。

景品表示法

景品表示法とは、消費者が自主的かつ合理的に良い商品・サービスを選べるよう保護するための法律です。

実際よりもよく見せかける表示や景品につられて、消費者が実際には質の良くない商品・サービスを購入してしまわないよう、不当表示や過大な景品類の提供を禁止しています。

具体的には、実際にはそうでないにも関わらず「これは質のいい商品だ」と消費者に思わせる優良誤認表示や「これはお得な商品だ」と思わせる有利誤認表示などが不当表示として禁止されています。

薬機法と景品表示法の違いと広告規制を解説

特定商取引法

特定商取引法とは、事業者による違法・悪質な勧誘行為を取り締まるための法律です。

広告にかかわる部分としては、誇大広告等の禁止(特商法第12条)があげられ、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」など誇大広告や事実と異なる広告表現を禁止しています。

化粧品広告は誇大広告とならないよう注意が必要

化粧品の広告規制には、薬機法、景品表示法、特定商取引法など複数の法令がありますが、どのルールも共通して、事実と異なる虚偽の表示や、実際よりも優良または有利だと誤認させるような誇大広告を禁じています。

特に誇大広告については、悪意がなくとも知識不足などが原因で抵触してしまう可能性も高いため、より正確にルールを理解しておく必要があります。

表現規制に違反した場合の罰則

薬機法、景品表示法、特定商取引法などの広告規制に違反した場合、それぞれ以下のようなペナルティが科せられます。

<薬機法>
化粧品の誇大広告等(薬機法第66条第1項)をした者に対しては、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科されます。(薬機法第85条第4号)

また、違反事業者に対しては、厚生労働大臣によって課徴金納付命令が行われます(同法第75条の5-2)。
課徴金額は原則として、誇大広告等をしていた期間(最長3年間)における誇大広告等に係る化粧品の売り上げの4.5%です。

<景品表示法>
不当表示の禁止(景表法第5条)に違反した場合、消費者庁などによる行為の撤回および再発防止を命じる措置命令の対象となります。

また、措置命令に違反した場合は刑事罰(同法36条等)の対象となるため、事業者に対して2年以下の懲役または300万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科されます。

<特定商取引法>
誇大広告等の禁止(特商法第12条)に違反した場合、行政処分の対象となるほか、100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。(同法72条1号)

薬機法の具体的な解釈を示す判断基準

化粧品の広告表現では、薬機法や景品表示法、特定商取引法のどれにも違反しないよう注意する必要がありますが、このなかでも特に注意したいのが薬機法です。

薬機法の広告規制は厳しく、その内容も難解であることから、知識不足や準備不足で抵触してしまう可能性がもっとも高いといえます。

そこで、薬機法の広告規制について具体的な解釈や判断基準についてわかりやすくまとめたものが、厚生労働省や化粧品製造業者の団体によって公表されています。

医薬品等適正広告基準

医薬品等適正広告基準とは、薬機法で定められている広告規制について具体的な解釈を示したものです。

厚生労働省によって公表されており、名称や製造方法・効能効果・安全性・成分・原材料・用法用量・保証などの表現について、虚偽・誇大表示となる基準について解説。

薬機法の広告規制に違反しているかどうか、それを判断するうえでの指針となります。

化粧品等の適正広告ガイドライン

化粧品等の適正広告ガイドラインとは、化粧品等の適正な広告表現について日本化粧品工業連合会(粧工連)という団体が2008年3月に作成した自主基準です。

医薬品等適正広告基準と同様、薬機法の解釈や規制される広告表現についてわかりやすくまとめたものになりますが、医薬品を主体とする医薬品等適正広告基準に対して、こちらは化粧品等に絞った例示・解説となっているという違いがあります。

2020年3月に新たに2020年版が発行され、広告の対象としてSNSが加わる、配合成分の特記表示には配合目的を明記するなどの改訂がありました。

薬機法における化粧品の定義

それでは、ここからは化粧品広告の規制に関わる法律のなかで特に注意すべき薬機法について、薬機法そのものやその解釈を示す医薬品等適正基準・化粧品等の適正広告ガイドラインと照らし合わせながら、その内容を確認していきます。

まず、規制の対象となる化粧品について、薬機法では次のように定義しています。

この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条第3項-e-Gov 法令検索

簡単にまとめると、化粧品とは 身体を清潔で美しく、皮膚や毛髪を健やかに保つためなど人体に対する作用が緩やかなものを指します。

それ以上の改善が見込める効果や具体的な効能を謳ってしまうと、薬機法違反となってしまうため注意が必要です。

医薬部外品との違い

上記で定義されている化粧品とは別に、医薬部外品に含まれた化粧品を薬用化粧品といいます。

薬機法では、医薬部外品を以下のように定義しています。

2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

引用: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条第2項-e-Gov 法令検索

化粧品と医薬品の間に位置する医薬部外品は、厚生労働大臣の承認が必要です。

そのかわり、化粧品の機能に加えて「にきびを防ぐ」「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ」など、有効成分ごとに認められた効果が表現可能となります。

化粧品広告で表現できる効能・効果は56種類

薬機法にもとづいて、厚生労働省が定めている一般化粧品で表現できる効能・効果は以下の56種類です。

(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7) 毛髪をしなやかにする。
(8) クシどおりをよくする。
(9) 毛髪のつやを保つ。
(10) 毛髪につやを与える。
(11) フケ、カユミがとれる。
(12) フケ、カユミを抑える。
(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15) 髪型を整え、保持する。
(16) 毛髪の帯電を防止する。
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(39) 爪を保護する。
(40) 爪をすこやかに保つ。
(41) 爪にうるおいを与える。
(42) 口唇の荒れを防ぐ。
(43) 口唇のキメを整える。
(44) 口唇にうるおいを与える。
(45) 口唇をすこやかにする。
(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48) 口唇を滑らかにする。
(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

引用:化粧品の効能の範囲の改正について-厚生労働省

化粧品広告でこの範囲を超える表現があった場合、薬機法違反とみなされるため注意が必要です。

また、これらの言葉をそのまま使うだけでなく、範囲を超えない表現であれば言い換えも可能となっています。

ただし、言い換え表現には薬機法に関する知識とライティングの技術が求められます。
知らず知らずのうちに法律違反とならないためにも、薬機法の知識がない場合はこれらの表現をなるべくそのまま使う、プロの監修サービスを受けるなどの方法が安心です。

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医薬部外品で表現できる効能効果

また、医薬部外品(薬用化粧品)についても表現できる効能・効果が以下のように定められています。

シャンプー ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪・頭皮を清浄にする。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ・毛髪をしなやかにする。(二者択一)
リンス ふけ、かゆみを防ぐ。
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。
毛髪の水分・脂肪を補い保つ。
裂毛・切れ毛・枝毛を防ぐ。
毛髪・頭皮をすこやかに保つ・毛髪をしなやかにする。(二者択一)
化粧水 肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。※1
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油 肌あれ。あれ性。
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。※1
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える。
皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。
ひげそり用剤 かみそりまけを防ぐ。
皮膚を保護し、ひげをそりやすくする
日やけ止め剤
日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。
日やけ・雪やけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。※1
皮膚を保護する。
パック 肌あれ。あれ性。
にきびを防ぐ。
油性肌。
かみそりまけを防ぐ。
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。※1
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。
肌をなめらかにする。
皮膚を清浄にする。肌を整える。
薬用石けん(洗顔料を含む) <殺菌剤主剤>(消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む)
皮膚の清浄・殺菌・消毒
体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。
<消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび、かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。

※1 作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。
※2 上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について-厚生労働省

一般化粧品と同様に、上記に含まれていない効能・効果については、たとえ事実であったとしても広告としての表示は認められていません。

薬機法で禁止されている化粧品の広告表現

薬機法の第66条では、以下のように虚偽・誇大広告の禁止が定められています。

1.何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2.医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3.何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第66条| e-Gov法令検索

ここからは、その中でも特に化粧品・医薬部外品の広告表現に関係が深い禁止表現を、医薬品等適正広告基準に照らし合わせて紹介します。

効能効果・安全性を保証する表現

第4(基準)3(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止
医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

上記のように、化粧品広告ではその効能効果や安全性を保証する表現は禁止されています。
医薬品等適正広告基準が挙げている具体例は以下の通りです。

(1)効能効果等又は安全性の保証表現について
例えば胃腸薬の広告で胃弱、胃酸過多等の適応症をあげ、それが「根治」、「全快する」等又は「安全性は確認済み」、「副作用の心配はない」等の表現を用い、疾病の要因、患者の性別、年齢等の如何を問わず効能効果が確実であること又は安全であることを保証するような表現は認められない。
なお、効能効果等又は安全性を保証する表現については、明示的、暗示的を問わず認められない。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

上記で列挙されている「安全性は確認済み」「副作用の心配はない」などのほかにも、化粧品広告で例をあげるなら「美白効果保証」「誰でも安全に利用できます」「これさえあれば肌の悩みが解消」などの表現がこれらの禁止行為に当てはまるといえるでしょう。

「最高の効果」「業界最高峰」などの最上級表現臨床データや実験例の例示も、

“消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果等又は安全性について誤解を与える恐れがあるため原則として行わないこと”

とされているため、基本的に広告に使うことはできません。

また、図や写真を用いる場合も、

“承認等外の効能効果等を想起させるもの、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現となるものは認められない”

ため注意が必要です。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

他社製品の誹謗広告となるような表現

第 3(基準)3 (9) 他社の製品のひぼう広告の制限
医薬品等の品質、効能効果等 、安全性その他について 、他社の製品をひぼうするような広告は行わないものとする。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

効能効果、性能及び安全性関係では、他社製品の誹謗広告となるような広告表現も禁止されています。

具体的には「○○社よりも良く効きます」「他社製品より安全です」などの表現が不可となっています。

また、漠然と比較する場合でも、間接的に他社を批判しているとして抵触するおそれがあるため注意が必要です。

上記の理由から、医薬品等適正広告基準では比較広告について以下のように定めています。

製品同士の比較広告を行う場合は、自社製品の範囲で、その対照製品の名称を明示する場合に限定し、明示的、暗示的を問わず他社製品との比較広告は行わないこと。この場合でも説明不足にならないよう十分に注意すること。

引用: 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

つまり、化粧品の比較広告を行う場合は自社商品の範囲内で、対象商品の名称を明らかにして行う必要があるということです。

医薬関係者の推薦表現

第 3(基準)3(10) 医薬関係者等の推せん
医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他 医薬品等 の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所 、学校又は団体が指定し、公認し 、推せんし 、指導し 、又は選用している等の広告は行わないものとする 。ただし 、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

このように医師や薬剤師、美容師など国家資格をもつ人の推薦表現も、化粧品広告では薬機法違反となっています。

「その道の専門家として、資格や権威のある人がお薦めするなら間違いないだろう。」と一般消費者が無条件で信じてしまうのを防ぐためです。

具体的には「皮膚科専門医も薦める」や「厚生労働省認可」「美容師の私がおすすめします」「医師の私も愛用しています」などが該当し、例え事実であったとしてもこれらの表現を化粧品広告内で使ってはいけません。

「医師の推薦」は薬機法違反? 化粧品や健康食品広告で注意すべきこと

薬機法で注意すべき化粧品の広告表現

化粧品広告では、以下のような分野においても薬機法で禁止されている表現や抵触するおそれがある表現に注意が必要です。

製造方法に関する表現

第3(基準) 2 製造方法関係
医薬品等 の製造方法について実際の製造方法と異なる表現又はその優秀性について事実に反する認識を得させるおそれのある表現をしないものとする。

<共通>
(1)製造方法等の優秀性について
本項は、製造方法について広告する場合の表現の範囲を示したものである。製造方法について「最高の技術」、「最先端の製造方法」等最大級の表現又は「近代科学の枠を集めた製造方法」、「理想的な製造方法」、「家伝の秘法により作られた・・・」等最大級の表現に類する表現は、その優秀性について事実に反して誇大に誤認させるおそれがあるため認められない。
なお、製造部門、品質管理部門、研究部門等を広告の題材として使用することは、事実であり、製造方法等の優秀性や他社・他製品との比較において誤認を与えない場合に限り差し支えない。この場合、本基準第4の9「他社の製品の誹謗広告の制限」にも抵触する恐れがあることに留意すること。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

製造方法については、効能効果・安全性を保証する表現と同様、「最高の技術」や「最先端の製造方法」などをはじめとする最大級の表現が禁止されています。

「近代科学の枠を集めた製造方法」、「理想的な製造方法」、「家伝の秘法により作られた・・・」などのような言い換え表現も、商品の優秀性について事実に反して誤認させるおそれがあるため認められていません。

成分・原材料に関する表現

第4(基準) 2 製造方法関係
(4) 医薬品等 の成分及びその分量又は本質並びに医療用具の原材料、形状、構造及び寸法についての表現の範囲

医薬品等の成分及びその分量又は本質並びに医療用具の原材料、形状、構造及び寸法について虚偽の表現 、不正確な表現等を用い効能効果等又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしないものとする。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

成分表示や原材料に嘘を書いたり、事実に反して誤認させるおそれがある表現も、薬機法における禁止行為です。

また、以下のように「肌のトラブルの原因になりがちな指定成分・香料を含有していない」などの成分・香料に関する不正確な表現や、「100%無添加」などの過度な表現も避けるよう警告しています。

<医薬部外品・化粧品>
(1)指定成分・香料の未含有表現について
化粧品及び薬用化粧品において、「肌のトラブルの原因になりがちな指定成分・香料を含有していない」等の表現は不正確であり、また、それらの成分を含有する製品の誹謗につながるおそれもあるので、「指定成分、香料を含有していない」旨の広告にとどめ、「100%無添加」、「100%ピュア」等のごとく必要以上に強調しないこと。

引用: 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

また、有効成分を謳うためには医薬品や医薬部外品としての承認が必要となるため、広告に限らず化粧品の表示に有効成分という表現は使用できません。

<化粧品>
(1)特記成分について
承認を要しない化粧品において特定成分を表示することは、あたかもその成分が有効成分であるかのような誤解を生じるため、原則として認められない。ただし、特定成分に配合目的を併記するなど誤解を与えないよう表示を行う場合は差し支えない。
なお、特定成分を表現することは、全てが「特記表示」に該当することとなるため注意すること。

(2)化粧品の成分の表現について
化粧品の配合成分の表現に際しては、当該成分が有効成分であるかの誤
解を与えないようにすること。
また、薬理効果を明示又は暗示する成分が配合されている旨の広告は行
わないこと。

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

上記のように、特に訴求したい成分を目立つよう表示する特記表示でも、化粧品に認められた効能効果の範囲内で配合目的を併記するなど、有効成分だと誤認されないような工夫が必要です。

例:
○うるおい成分ホホバオイル配合
×ホホバ油配合のクリームです←配合目的なし

体験談

第4(基準)(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止

<共通>(5)使用体験談等について
愛用者の感謝状、感謝の言葉等の例示及び「私も使っています。」等使用経験又は体験談的広告は、客観的裏付けとはなりえず、かえって消費者に対し効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがあるため以下の場合を除き行ってはならない。
なお、いずれの場合も過度な表現や保証的な表現とならないよう注意すること。

①目薬、外皮用剤及び化粧品等の広告で使用感を説明する場合

ただし、使用感のみを特に強調する広告は、消費者に当該製品の使用目的を誤らせるおそれがあるため行わないこと。

②タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合

引用:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

使用者の体験談的な化粧品広告にも注意が必要です。

効能効果や安全性についての体験談は、それを保証するような誤解を与えるおそれがあるため禁止されています。

ただし、タレントが単に製品の説明や呈示を行う場合や、広告で使用感を説明するぶんには問題ありません。

○:さっぱりとした使い心地です
×:保湿効果に満足しています

化粧品広告の違反事例と言い換え表現

最後に、上記で紹介したものやそれ以外のルールも含め、化粧品広告でやってしまいがちなNG表現を紹介します。

薬機法に抵触する理由や、違反しないための言い換え表現もあわせて表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

違反となるNG表現 言い換えOK表現 違反理由
アンチエイジング エイジングケア 虚偽・誇大表現
シワ専用美容液 目もと専用美容液 一般化粧品で表現できる効能範囲になし
(シワに関する項目は(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。のみ
美白 ・明るい肌を演出
・メイクアップ効果によることを明確に説明すればOK
一般化粧品で表現できる効能範囲になし
各種ビタミンを配合 配合されている成分名を具体的に列挙 不正確で誤認させやすい表現のため
小顔になる 肌をひきしめる 一般化粧品で表現できる効能範囲になし
体の構造に変化を与える表現はNG
お肌の細胞を活性化させます お肌のキメを整えます 一般化粧品で表現できる効能範囲になし
ホホバ油配合のクリームです うるおい成分ホホバオイル配合 有効成分だと誤認されないよう配合目的の併記が必要
保湿効果に満足しています さっぱりとした使い心地です 効能効果や安全性についての使用体験談は不可。使用感はOK。

薬機法(旧・薬事法)NGをOK表現に言い換えるには|化粧品広告編

まとめ

化粧品の広告表現には、薬機法、景品表示法、特定商取引法など複数の法令によって規制されていますが、どのルールも共通して虚偽の表示や誇大広告を禁じています。

特に薬機法の規制は厳しく、解釈も難しいため、悪意がなくとも知識不足などが原因で違反してしまう可能性が高いです。

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