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パラメータは、ECサイトで任意の色の商品を表示させたり、マーケティングオートメーションツール(MAツール)やアクセス解析ツールなどで使用されたりと、用途は多岐にわたります。今回は、その複雑なパラメータの意味や種類、使用用途について詳しく解説していきます。
パラメータについて
この項目では、パラメータの基本的な意味や役割について解説します。
パラメータとは
パラメータとは、和訳すると「変数」という意味があります。
とりわけITの世界では「ソフトウェアやシステムの挙動に影響を与える、外部から投入されるデータ(※1)」という意味で使われます。
このパラメータは、ソフトウェアやシステムを動かすのに必要不可欠なもので、さまざまなものに活用されています。
例えば、Webサイトの計測ツールを設定するときに「パラメータの入力欄」が出てきたり、
作ったWebサイトのアクセス数を計測するときに「このサイトに埋めるタグのパラメータには何をセットしておきますか?」と聞かれたりしたことはないでしょうか?
ここで登場する「パラメータ」とは、「URLパラメータ」と呼ばれる「URLに付随させて使用するパラメータ」を意味します。また、別の名を「クエリパラメータ」と呼びます。
今回は「URLパラメータ」を例に取りながら、「パラメータとは何か」について解説していきます。
URL(クエリ)パラメータって?
URLパラメータとは、URLの中の「?」以降の文字列のことです。
URLパラメータは、Webサーバー上に置かれているプログラムに対して、Webブラウザから引き渡されるものになります。
[パラメータ名]=[パラメータの値]でワンセットになり、パラメータが複数ある場合は&でつなぐことで設定できます。
URL(クエリ)パラメータの種類
URLパラメータは、大きくわけて2種類あります。
アクティブパラメータ
アクティブパラメータとは、指定したパラメータの値によって表示されるWebサイトの内容が変化するタイプのパラメータです。
主にECサイトやブログなどの、動的ページに多く使用されます。
例えばアパレルのECサイトなら、URLの末尾に対象となる洋服に紐づくパラメータをつけることで、色味や形を絞り込んで表示させます。
パッシブパラメータ
パッシブパラメータは、サーバー上のプログラムが内部的に使用するパラメータです。
こちらはアクティブパラメータのように、パラメータの値によって表示されるコンテンツの内容が変化することはありません。
アクセス解析ツールで、トラッキングIDごとの結果を分類するような処理において、パッシブパラメータが使われます。
アクティブパラメータとパッシブパラメータの違いは、表示される内容の変化の有無にあることを覚えておきましょう。
URL(クエリ)パラメータの活用方法
ここでは、パラメータの活用手段について説明します。
- Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで広告の効果測定をおこなう
- マーケティングオートメーションツールからユーザーの特定をする
1つずつ詳しく見ていきましょう。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで広告の効果測定をおこなう
1つ目は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールや、アドエビスなどの広告効果測定ツールでの活用です。
広告キャンペーンのリンク先URLに対してパラメータを付与しておくことで、広告経由のアクセス数やコンバージョン数を計測することができます。
例えば、複数のバナー広告を配信し、サイトのトップページにランディングさせるとします。特にパラメータを設定せずに広告を配信するだけでは、各広告ごとの成果を計測し比較することができません。
この場合、各バナー広告の成果を知るには2つの方法があります。
- 媒体社が提供するレポートを確認する
- バナー広告のパラメータを設定し、Googleアナリティクスなどのツールで計測する
では、パラメータを設定しておくとはどういうことでしょうか?
実際に広告を出稿するには、画像や動画などのクリエイティブと、遷移先のURLが必要です。
このときの遷移先のURLに、解析ツールで使用するパラメータを付与しておくことが「パラメータを設定する」ということになります。
実際にパラメータを設定したURLは以下のような形になります
例 https://www.example.com?utm_source=google&utm_mediun=display&utm_campaign=202005bannerA
上記URLがクリックされサイトに遷移してきた場合、Googleアナリティクスでは「Google」という参照元、「display」というメディアが計測されます。そして、utm_campaignを設定することで、バナー別などの数値を計測することができます。
広告に付与するパラメータを変えることで、媒体別、広告ごとの流入数やコンバージョンなどの成果を計測できるようになります。
Googleアナリティクスにはパラメータを生成してくれるツールもあるので確認してみてください。
Googleアナリティクスにおけるパラメータの使用例
Googleアナリティクスで使用できる便利なパラメータをご紹介します。
必須または任意 | パラメータ | 内容 | 例 |
---|---|---|---|
必須 | utml_source | 参照元の媒体 | utm_source=google |
必須 | utm_medium | 広告キャンペーン媒体 | utm_medium=cpc |
必須 | utm_campaign | 広告のキャンペーン内容 | utm_campaign=Blackfriday |
任意 | utm_content | 同じURL内で区別するコンテンツ | utm_conect=logolink utm_conect=textink |
任意 | utm_term | リスティング広告で設定した キーワード |
utm_term=black+tops |
これらをutmパラメータと呼びます。source、medium、campaignは必ず付与する必要があります。
GoogleアナリティクスにURLパラメータを付与する際に、順番の決まりはありませんが、大文字・小文字は別で計測されるため注意しましょう。
マーケティングオートメーションツールからユーザーの特定をする
2つ目は、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)での活用です。特にわかりやすいのは、メールマーケティング機能を利用するときです。
MAツールには、送信するメールに記載されているURLに、自動的にユーザーIDをパラメータとして付与する機能があります。
これにより、どのユーザーがURLをクリックしたかを特定することができます。
MAツールを活用すると、ブラウザのCookieにユーザーIDが書き込まれるため、以降そのユーザーがどのようなWebページを閲覧しているかを計測できます。
パラメータを付与するときの注意点
基本的な記述形式を守る
以下の点に注意して記述しましょう。
- ?から始める
- パラメータの名前や値に?や&を使わない
- 日本語を使わない
?はURLの直後、&は複数のパラメータを示す際にしか使えないことを覚えておきましょう。
日本語も文字化けの原因になるため、基本的にはおすすめできません。ただし、URLの日本語を使用できる文字列に変換するURLエンコードを使う手もあります。
また、長すぎるURLは不信感を与えてしまうため専用のツールを使い短縮しましょう。
重複ページにならないよう対策をする
パラメータがついているURLとついていないURLは、検索エンジンからすると同じコンテンツが複数あるようにみえるため重複コンテンツと判断されてしまう場合があります。
重複コンテンツはGoogleからのペナルティの対象となるため、Google Search ConsoleのURLパラメータツールを活用して対策しましょう。パラメータを持つURLのクロールを制御することができます。
参考:パラメータ化された重複コンテンツのクロールをブロックする
アンカーリンクは必ず最後尾に設置する
「#」から始まるアンカーリンクとは、ページ内リンクを意味します。
アンカーリンクはURLの最後尾につけないと作用しないため、順番は[URL]+[パラメータ]+[アンカーリンク]に設定しましょう。
リダイレクト時の引継ぎ設定をする
リダイレクトとは、ユーザーがアクセスしたページから別のページへ自動転送される仕組みを指します。
元ページに付与したパラメータはリダイレクト時に外れてしまうため、パラメータが付与されていないページとして認識されてしまいます。
計測目的でパラメ―タを使用する際には、転送先へと引き継ぐコードの設定が必要です。
まとめ
今回は、Webサイトを効果的に運用していくうえで不可欠な「パラメータ」について詳しく解説しました。
パラメータは、広告を配信するときの効果確認や、MAツールでのメールマーケティングなどの場面で活用できることが分かったと思います。
紹介した2つの場面以外でも色々な場面でも使用されているので確認してみてください。
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