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最近新しいマーケティング手法として注目を集めている「インフルエンサーマーケティング」
実際に有効的にこのインフルエンサー施策を実施し、成果を上げている企業が増えてきています。
しかし新しい分野であることもあり、しっかりとした基礎知識がないためにどのように活用すればよいのかわからず、なんとなくインフルエンサーに商品を宣伝してもらえばいいのでは?と困っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、インフルエンサーの意味からインフルエンサーマーケティングの実践法まで詳しく紹介します!
目次
インフルエンサーとは?
インフルエンサーが誕生した背景にはBlogやSNSの存在があった!
インフルエンサー(influencer)
《影響、感化、効果の意》他に影響力のある人やもののこと。特に、インターネットの消費者発信型メディア(CGM)において他の消費者に大きな影響を与える人。
(コトバンクより)
インフルエンサーとは、元々有名人や芸能人、海外のセレブリティなどマスメディアでの露出が多く、知名度の高い人のことを指す用語でした。
しかしそれまでは一般人と呼ばれていた人の影響力が高まり、現在ではそういった発言力の高い人のこともインフルエンサーと呼ぶようになりました。
その背景にはBlogやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの普及によって、誰でも簡単に情報発信ができるようになったということがあります。
それまでは受動的であった一般消費者でも、自分のアカウントを通じてフォロワーに対して能動的活動ができるようになったのです。
これに目をつけ、新しく登場したのが「インフルエンサーマーケティング」です。
インフルエンサーマーケティングって何?
インフルエンサーマーケティングとは一言でいうと、“インフルエンサーが企業・ブランドと消費者を繋げる架け橋となってもらい、その効率をあげること”です。
この施策を行うことで次のようなメリットが発生します。
- ターゲットとなるユーザーにしぼって発信できる
- ブランド、商品の知名度が上がる
- 商品のイメージがわきやすくなる
- 同じ消費者の意見であるため共感できる
- 情報が拡散されやすい
- 外部リンクが増え、SEOの強化にもつながる
では、具体的にこれらのメリットがどのように発生するのか、インフルエンサーマーケティングの中身を見ながら考えていきましょう。
これまでのマーケティングでは、企業やブランドは消費者一人一人に対して直接アプローチしてきました。
一方でインフルエンサーマーケティングでは、起用したインフルエンサーを通じてSNSなどでフォローしているユーザー全員にメッセージを伝えることが可能となりました。
例えば、Instagramのフォロワー数日本ナンバーワンの渡辺直美さんのフォロワー数は2018年4月現在793万人を超えています。
そんな渡辺直美さんをインフルエンサーとして起用すれば、一度の投稿で約800万人の消費者に向けて企業宣伝ができるようになります。
800万人全てに直接アプローチする従来の手法と比較して、「マーケティングの手間が800万分の一になる」と言われるとインフルエンサーマーケティングがいかに効果的かがわかります。
(参考元:意外と不評な行動ターゲティング手法、7割が抵抗感/広告に対する意識調査)
上記は、広告に対して不快感や不安感などを感じたことがあるかどうかを調査したアンケート結果です。
「非常にある」、または「ある」と答えたユーザーが、約50%と全体の半数以上にも及ぶことがわかりました。
最近では、「広告を見たくない」ということから、ブラウザ上で広告を意図的にブロックができる設定や、広告を非表示にできるアプリなどを使い、広告の表示を制限する人も多くなってきているようです。
これでは従来の広告施策でせっかく広告を作っても見てもらえない、あるいは嫌われることが増えてしまいます。
こういった背景からも今回紹介しているインフルエンサー施策が商品の認知や購買意欲の向上をより効果的に実現することができる手法として注目を集めているのです。
実際には、インフルエンサーに企業の商品やサービスを実際に使ってもらい、その良さなどをBlogやSNSで宣伝してもらうというのが一般的な施策の流れになります。
そのインフルエンサーのフォロワーや他のユーザーに投稿を通じて情報を拡散してもらうのがこの施策の狙いです。
フォロワーのほとんどはそのインフルエンサーを自ら好んでフォローしているはずです。すなわちインフルエンサーに対する好意や信頼があるため、「あ、○○ちゃんが使っているなら私も使いたいな…」といった共感を生み、その商品自体に対する高評価にもつながりやすいというのが特徴です。
さらに、そういった質の良い「口コミ」によって、企業側がターゲットとするユーザー間でさらに情報が拡散されていきます。
実際にインフルエンサー施策を行うための5つのポイント
これまで説明してきたインフルエンサーマーケティングの流れを大きく分けるとまとめると、
- インフルエンサーに商品を使用してもらう
- SNSで宣伝してもらう
- フォロワーが情報を知る
- さらに「口コミ」を通じて拡散する
というように、インフルエンサーマーケティングの工程は数段階に分けて考えていくことができます。
しかし、とりあえずフォロワー数が多いインフルエンサーを選んで宣伝してもらおう!では求めている効果が得られず、費用だけがかさんでしまいます。
そうならないためにインフルエンサー施策を行う上で必ずおさえるべきポイントが5つあります。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
目的や商材によって適正なKPI、活用するメディアを検討しよう!
インフルエンサーマーケティングを行う目的や実際に得たい効果は、それぞれの企業やブランド、その時々の目標によって大きく変わってきます。
例えば、「企業、ブランドの知名度をあげたい」のか、「商品、サービスの良さをターゲット層に広めたい」のかによっても当然KPIは変わります。
適切なKPIを設定することができれば、本来の目的からそれることなく施策を進めることができます。しかし逆にこの部分がふわっとしてしまうと、作業を進めるうちに何を目的としていたのかが曖昧になり、結果効果がでないということになってしまいます。
こうならないためにも、ここで最も重要になるのがそれぞれの施策を行うメディアの選定です。
それぞれのSNSにおけるユーザーの特性を理解して、ターゲット層がどのメディアを利用しているのか把握し、最も適したメディアを選ぶことでより高い成果を得ることにつながります。
またターゲット層がよく使用するメディアが分かれば、次のポイントであるインフルエンサーの選定にも役に立ちます。
(中村アンさんは幅広い年代の女性からの支持が熱く、ファッションや美容などでの企業とのタイアップ広告へのいいね数も非常に多い。これは制汗剤のBanとのタイアップ広告で、約3万件のいいねがついています。)
最適なインフルエンサーキャスティングを!
先ほどの例を挙げて説明すると、知名度を上げたいのであれば広く知られており、何百万人といったとにかくよりフォロワー数の多いインフルエンサーを選定するべきです。
しかし、例えばターゲット層を絞って発信したい場合は、数千人単位でもコアなフォロワーからの支持が強いインフルエンサーを選ぶという手もあるかもしれません。
これまでのインフルエンサーマーケティングの主流はフォロワー数が50万から100万人級の有名タレント等を数名起用したマス広告と似たものでした。広く多くの人に投稿を見てもらうことができるため、認知を目的とした企業やブランドには適している方法です。
しかし、最近では数千人単位のコアなフォロワーを持つ「マイクロインフルエンサー」
と呼ばれるインフルエンサーを数十、数百人単位で起用しする方法が注目されています。
マイクロインフルエンサーは、有名タレントの投稿よりも投稿が身近で、共感を得やすく、さらにフォロワーがコアなファンであることがほとんどです。そのため企業側はインフルエンサーマーケティングの強みであるターゲット層の絞りをさらに限定できるのです。
さらに数百人単位の起用ですと、その中の複数名をフォローしている人も多く、ターゲット層のアカウントのタイムライン上に複数回商品の宣伝が現れるようになります。特にInstagramなどの、一度タイムラインから流れてしまうと再度同じ投稿を見ることが少ないメディアでは複数回の投稿がその後のユーザー行動により影響を与えるということが分かってきました。
またこれからのSNS利用、さらにはネットでの行動において、ユーザーは現在以上に自分の特定の興味関心にフィットする情報のみを得るように情報を取捨選択していくと考えられます。
そのため今後インフルエンサー施策を行う上では、「マイクロインフルエンサー」を最適に起用できるかどうかがカギになるといえるのではないでしょうか。
(美容系に感度が高い20代の女性フォローが多いあや猫さんはコスメに特化した投稿が人気です。)
広告主のエゴは厳禁!インフルエンサーのクリエイティブを全面信頼
広告を配信するメディアもインフルエンサーの選定も終わり、さあ投稿するぞ!となった時、企業側が一番してはいけないことは“インフルエンサーの投稿の内容や方法についてとやかく注文をつけること”です。
一般人の起用が多くなってきた現在、その投稿で本当に大丈夫なのかと心配になることも多いでしょう。ですがインフルエンサー達はそのメディアにおいて、最も効果的にフォロワーに投稿を“魅せるか”について理解しているプロ集団なのです。
インフルエンサーの作るクリエイティブについては全面的に信頼することがフォロワーに最も効率よく商品を良い状態で伝える近道になるのです。
(インフルエンサーマーケティングではInstagramが注目されがちですが、動画の需要も高まっているため、YouTubeでの施策も有効的です。)
話題作りのためのPRは戦略的に幅広く!
インフルエンサーに投稿してもらうことのみでもマーケティングとしての商品の宣伝効果は得られます。
ですがさらに高い成果を出すためにはそれだけで終わらないことが大切です。
本来、インフルエンサー施策を行う際には、広告主の総合的な広告施策の中の一つとして適切な役割を果たすべきなのです。
ディスプレイ広告や、リスティング広告などの従来の広告と一緒に広告主の目的に合うよう進めていくのが最適です。
具体的には話題作りのために、オンライン、オフラインそれぞれ商材との適性を考え、双方で戦略的にPRを行うことで幅広くターゲット層のユーザーにアプローチできるようになるでしょう。
“ステマ”に注意!
最後に必ず確認しなければならないのが「ステマ(ステルスマーケティング)」になっていないかどうかです。
ステルスマーケティングとは、マーケティングの手法のうち、それが宣伝であると消費者に悟られないように宣伝を行うことである。
(Weblio辞書|ステルスマーケティング)
動画では広告である旨が分かりやすいタイトルの設定をする、InstagramやTwitterでは投稿内のハッシュタグで“#PR#宣伝#広告”等の表示をしっかりとしていないとステマとして消費者に批判を受け、結果的に商品や企業の評価を大きく下げてしまいます。
ステマは消費者を騙すことです。過去に食べログやソニーで発覚しましたが、それにより企業の批判のみならず業界全体に対する信用が失われることにつながりました。
ステマで批判を受けないよう、投稿前にはインフルエンサーに対しての説明も怠らないようにしましょう。
30・40代の方が若者よりも“インスタ映え”にお金をかけている?!
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した、2018年1月10日~15日の6日間、30歳~49歳の男女を対象に「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018」によると
SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使った経験があるか聞いたところ、「使ったことがある」が58.4%となりました。30代・40代の約6割にインスタ映え消費の経験があることがわかりました。
インスタ映え消費をしたことがある人の割合を年代別にみると、20代33.0%、30代60.4%、40代56.4%となり、インスタ映えのためにお金を惜しまない人が30代・40代に多い傾向がみられました。
この結果からわかるように、一見若者に人気のインスタグラマーやユーチューバーが注目されがちなインフルエンサー施策ですが、実は消費という面からは30・40代をターゲットにした宣伝の方が効果も高いと考えられます。
「うちの商品は年齢層高めだからインフルエンサーマーケティングって流行りだけどしにくいよね…」と踏みとどまっていた企業、ブランドの方々も是非一度インフルエンサー施策を考えてみてはいかがでしょうか?
(星玲奈さんは30代の女性に人気のファッションに強みを持つインスタグラマーです。)
まとめ
インフルエンサーマーケティングとはどのようなものかおわかりいただけたでしょうか?
2017年には「忖度」と同時に「インスタ映え」が流行語大賞を受賞しました。これからさらにインフルエンサーと呼ばれる人たちのか影響力が広がるとともに、インフルエンサーマーケティングの市場も広がっていくと考えられます。
この機会にインフルエンサーマーケティングを利用してSNSでのマーケティング効果を高めていけるといいですね。