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SaaS、PaaS、IaaS、DaaSって何?それぞれの違いをわかりやすく説明

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「SaaS(サース)」や「PaaS(パース)」という言葉を耳にしたことはありますか?
これら、はネットワークを介して行う「クラウドコンピューティングシステム」の分類のことを指します。

「なんとなく聞いたことがあるけど、よく分からないな…」「それぞれどういうことをするのに向いているの?」など、疑問を持つ方もいるかもしれません。

そこで今回は、クラウドサービスの中でも一般的なSaaSや、PaaS、IaaS、DaaSの違いについて詳しくご説明します。

クラウドって?

クラウドとは、「クラウドコンピューティング」の略で、インターネットに接続することを前提とするサービスのことを指します。

今まででは、メールや各種コンテンツなどのデータを個人のデバイスのストレージに保存していました。
しかし、スマートフォンやタブレット端末の普及により、いつ、どこからでもデータにアクセスできる環境が求められるようになりました。

そこで登場したのが「クラウドサービス」です。インターネットを経由してデータを一箇所に集約・管理し、ネットワーク経由でユーザーに提供するサービスを指します。
クラウド(cloud)は直訳すると「雲」を意味します。
なぜ「雲」という言葉を使うようになったかについては、「形のないネットワークを示す時に雲の図を使っていたから」など様々な説があります。

SaaS PaaS IaaS DaaSの違い

クラウドサービスとしてよく利用されているのが、SaaS、PaaS、IaaS、DaaSの4つです。
この4つのクラウドサービスを端的にご説明すると、以下のようになります。

  • SaaS:ソフトウェアの提供
  • PaaS:プラットフォームの提供
  • IaaS:仮想サーバーやネットワークなどインフラの提供
  • DaaS:デスクトップの提供

ソフトウェアやプラットフォームなど、それぞれ提供するものが異なります。
「クラウドサービスの種類によって提供するものが違うのは分かったけど、どのサービスをどうやって使えばいいのかわからない」という方も少なくないでしょう。今から4つのクラウドサービスについて詳しくご説明します。

SaaSについて

まずはじめに「SaaS」についてご説明します。

SaaS(サース)とは?

SaaS(サース)とは、「Software as a Service」の略でソフトウェアをインターネットを介して提供するサービスのことです。以前まで、ソフトウェアはパッケージ製品として提供されていました。それをインターネット経由でサービスとして利用できるようにしたのがSaaSです。SaaSの主な特徴としては以下の点が挙げられます。

  • データをインターネット上に保存することができる
  • PCやスマートフォン、タブレットなど端末を選ばずにデータにアクセスできる
  • 複数の人が同一データの共有、編集が可能である

SaaSの代表的なサービス

具体的なSaaSのサービスとしては、Google AppsやOffice Web Apps、Dropboxなどです。
Google Apps(グーグルアップス)は、GmailなどのコミュニケーションツールとGoogleドライブやGoogleドキュメントなどのオフィスツールがセットになった、組織向けのオンラインアプリケーションパックです。
Google Appsと同じようにOffice Web AppsやDropboxも、オンライン上で編集・保存・共有までができるアプリケーションとなっています。

SaaSのメリット・デメリット

SaaSのメリットとしては、インターネット上でデータの編集や保存が可能なため、データ紛失のリスクが抑えられます。
また、自動でアップデートが行われるためセキュリティも常に最新に保つことができます。
一方で、インターネットに接続できない場合、サービス自体が利用できないデメリットもあります。
ちなみに、すでに用意されたアプリケーションのため、自分で自由にカスタマイズなどはできません。

PaaSについて

次に「PaaS」についてご説明します。

PaaS(パース)とは?

PaaS(パース)とは、「Platform as a Service」の略でアプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネットを介して提供するサービスのことです。
PaaSは主に開発者向けのサービスであり、アプリケーションのプログラムに関するプラットフォームをインターネットで提供します。これにより、アプリケーションの作成や環境設定の手間を削減することが可能です。
PaaSの主な特徴としては以下の点が挙げられます。

  • 提供されたプラットフォーム上でアプリケーションの開発が行える
  • 自分でプラットフォームを利用してシステム構築が可能である

PaaSの代表的なサービス

PaaSの具体的なサービスとしては、Google App Engine、Amazon Web Service、Microsoft Azureなどがあります。
Google App Engineは、Googleのインフラ上でアプリケーションを作成・実行できるようにするPaaSです。Google App Engineを使えば、自分でサーバーをメンテナンスする必要はなくなります。単純にアプリケーションをアップロードすれば、それだけで実行できるのが特徴的です。

PaaSのメリット・デメリット

PaaSのメリットとしては、アプリケーションの開発で必要となるプログラミング言語や管理システム、OSといった基盤や開発ツールなどをすべて提供してくれるため、面倒な開発環境を整える手間がいらず、システム開発に集中でることです。
また、SaaSのようにすでに用意されたアプリケーションが提供されるわけではなく、アプリケーションの開発の段階から行う必要があります。そのため、自由にカスタマイズすることが可能です。しかし、使用できるプログラミング言語やデータベースはPaaSが提供しているもののみに限られます。開発環境に関してはあらかじめ設定されたものしか利用できないため、環境を自由に選ぶことはできません。この点はデメリットといえます。

IaaSについて

続いて「IaaS」についてご説明します。

IaaS(イアース)とは?

IaaS(イアース)とは、「infrastructure as a Service」の略で、仮想サーバーやネットワークなどのインフラをインターネットを介して提供するサービスのことです。
IaaSを利用することで、インターネット環境さえあればハードウェアを購入することなく、サーバーや仮想マシンなどのITインフラを利用することができます。
IaaSの主な特徴としては以下の点が挙げられます。

  • 自由度の高いアプリケーションやプラットフォームが作れる
  • 高度な専門知識が必要となる

IaaSの代表的なサービス

IaaSの具体的なサービスとしては、Google Compute Engine や Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)などです。Google Compute Engineは、Googleのデータセンターとファイバーネットワークで運用される仮想マシンを提供します。
Googleが利用しているものと同一のインフラ上で、Webサイトのホスティングやアプリケーションのデプロイ、・データの保存・分析などが行えます。

IaaSのメリット・デメリット

IaaSのメリットとしては、サーバーを利用する時に必要となるハードウェアのスペックやOSの種類を自由に選ぶことができます。
一方で、デメリットとしては開発の自由度が高いが故に、インフラ設計やサーバ管理、運用スキルなどの専門的な知識が必要となってきます。
また、セキュリティ対策などもすべて自分の手で行わなければなりません。

IaaSとVPSの違い

IaaSとVPSの違いについてご説明します。

VPSとは

VPSとは、「Virtual Private Server」の略で、物理的に存在するサーバーにインストールされているホストOSの上に、ユーザーそれぞれに仮想サーバーが割り当てられていて、ユーザーはその仮想サーバーを自分だけのサーバーとして使用できます。
ユーザーは仮想サーバーのオーナーなので、管理者権限を持つことができ、自分好みのアプリケーションをインストールできるのはもちろんのこと、インストールするOSも選ぶことができます。

IaaSのほうが柔軟性がある

IaaSは従量課金制であり、使用するリソースによって利用料金が変更される仕組みとなっており、リソースの変更が容易です。
一方で、VPSは月極制となっているため、契約内の範囲でリソースをいくら使おうが料金は変わりませんが、リソースの変更の際には契約自体を変更しなければならないため、IaaSより柔軟性は低いと言えます。

IaaSは仮想コンピューターが全てというわけではない

IaaSは、仮想コンピューターの手前部分であるファイアウォール(不正アクセスから守るための防火壁)やロードバランサ(サーバーにかかるる負荷を均等にする装置)、VPNを操作することが可能です。
一方で、VPSのみでファイアウォールを含むネットワークを構築しようとすると、新たな契約が必要となるため、IaaSほど容易には構築を行うことは難しくなります。

DaaSについて

最後に「DaaS」についてご説明します。

DaaS(ダース)とは?

DaaS(ダース)とは、「Desktop as a Service」の略でデスクトップをインターネットを介して提供するサービスのことです。
ユーザーは、ディスプレイとキーボード、マウスなど必要最低限の機材を準備するだけで、インターネット上からデスクトップ環境を呼び出して利用することができます。
DaaSには、提供形態が3種類あります。
それぞれの特徴としては以下の点が挙げられます。

  • 【プライベートクラウドDaaS】
    自社専用のクラウド環境を使用したDaaS
    自社での管理のためカスタマイズが可能である
    安全性が高く快適で安定した操作が可能である
  • 【バーチャルプライベートクラウドDaaS】
    IaaSやPaaS上に仮想デスクトップ環境を構築するDaaS
    共有部分と専有部分が組み合わさっており、専有部分はカスタマイズが可能
  • 【パブリッククラウドDaaS】
    共有されたクラウド環境を使ったDaaS
    複数のユーザーとリソースを共有して使用するため、カスタマイズ性は低いがコストを抑えられる

DaaSの代表的なサービス

DaaSの具体的なサービスとしては、Windows Virtual DesktopやIBM Smart Business Desktop、Citrix XenDesktopなどです。
Windows Virtual Desktopは、VDI(デスクトップ仮想化)を手軽に利用できる点や管理コンポーネントのほとんどをMicrosoft Azure側(ビジネス上の課題への対応を支援するために絶えず拡大を続けるクラウドサービスの集合体)が管理し、サービスを提供してくれるという特徴があります。また、Windows10のマルチセッション接続も可能であるため、Windows10を使えば、1台の仮想マシンで複数のユーザーにVDIを提供できます。

DaaSのメリット・デメリット

DaaSのメリットとしては、ウイルス感染やセキュリティに強い点です。データをサーバーで一元管理できるため、たとえPCを紛失してもデータが漏れる心配はありません。
またDaaSはクラウド型のサービスであるため、導入の際の初期コストを抑えることができます。
一方で、デメリットとしては仮想化デスクトップの場合、ネットワークを通してデスクトップ環境がPCに展開されるため、ネットワークに対する負荷が大きくなってしまします。そのため動作やデータの転送が遅くなる可能性があります。

DaaSとVDIの違い

VDIとは、PCのデスクトップ環境を拡張するソフトウェアのことを指します。1つのディスプレイに対して、仮想的なデスクトップ環境を提供します。
DaaSとVDIの違いとしては、ユーザー端末から呼び出すデスクトップ環境がどこに存在しているのか、その環境は誰が提供しているかです。
デスクトップ環境がクラウド上に展開されていて、外部の業者が提供しているのがDaaSです。そして、デスクトップ環境が自社内のサーバーに展開されていて、自社内で運用しているのがVDIです。

目的ごとにSaaS、PaaS、IaaS、DaaSを使い分けよう

SaaS、PaaS、IaaS、DaaSの違いは、端的にいうと「どの部分までクラウドとして用意するか」です。

  • IaaSはアプリやプラットフォームの段階からアプリケーションの開発までかなり自由に行えるため、自分好みにカスタマイズすることが可能です。しかし、開発のために専門的なスキルが必要とされます。
  • PaaSはIaaSとSaaSの中間に位置しており、アプリケーションの開発のみを行いたい場合には、コストを抑えつつ迅速に開発を行うことができます。
  • SaaSはアプリケーションまでをパッケージ製品として提供してくれるので、カスタマイズの自由度はありませんが、すぐに利用が可能ですので、クラウドサービス初心者の方におすすめです。
  • DaaSはSaaSと同様にすでに用意されたサービスなので開発のスキルや手間は必要ありません。全てのソフトとデータがクラウド上にあるのでセキュリティの心配もなく、低コストで始めたい方におすすめです。

このように、目的や開発の自由度によって最適なクラウドサービスは異なります。

まとめ

ここまでSaaS、PaaS、IaaS、DaaSについてとそれぞれの違いについてご説明してきました。
どのような目的でサービスを利用するのか、サービスに対してのカスタマイズの自由度をどのぐらい求めるのか、かけられるコストはいくらぐらいなのかによって選ぶべきクラウドサービスは変わってきます。
クラウドサービスを導入する前に目的や課題を明確にして最適なクラウドサービスを選ぶようにしましょう。

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