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薬機法と薬事法の違いとは【対象範囲と禁止事項を解説】

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Tanaka Yuta

TanakaYuta SEO Div. コンサルタント

現在までに100社以上のSEO対策に従事し、様々なジャンル・キーワードで上位表示を実現。薬機法管理者の資格を有しているいること、SEOライターとして自身でもライティングができることから、広告表現が難しい医療・美容・健康を得意領域としている。「成分名」や「〇〇 効果」などの難関キーワードでの上位表示実績多数。SNSでの情報発信にも力を入れており、約10,000名のフォロワーを獲得している。

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医療や美容、健康食品といった業界の広報担当者であれば、薬機法に関する知識は必ず身に付けておく必要があります。
万が一薬機法に違反してしまった場合、行政指導を受けるだけではなく、課徴金が課されてしまうリスクがあるためです。

薬機法に名称変更されて約10年が経過しましたが、Web上のコンテンツなどでは薬事法の記述が見つかることも多いため、本記事では薬機法と薬事法の違いを解説するとともに対象範囲の違いもご紹介します。

また、薬機法で禁止されている項目や、薬機法に違反しないためにできることもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

薬機法と薬事法の違い

まずは、薬機法と薬事法の違いから解説します。

結論から申し上げると、これらの違いは非常にシンプルで、現行名が薬機法、旧名が薬事法になります。

薬機法は、正式名称が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」とされており、2014年の改正に伴って名称も変更されました。

また、薬機法は2021年に、違反した場合は課徴金が課されるなどの改正も行われました。
そのため、通販事業者のみならず、商品やサービスを提供している企業であれば、すべての方が内容を理解しておくべき法律と言えます。

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薬機法(旧薬事法)の対象範囲

ここからは、薬機法(旧薬事法)の対象範囲をご紹介します。
なお、これらの範囲に含まれていなくとも、薬機法は消費者の安全を守るための法律であるため、全事業者が理解することが大切です。

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器
  • 再生医療等製品

それぞれ順番に見ていきましょう。

医薬品

薬機法では、医薬品の範囲が下記のように定められています。

一 日本薬局方に収められている物

二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)

三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

医薬品は、基本的に機械や器具ではないものが該当します。
なお、上記の日本薬局方とは、医薬品の規格基準書のことであり、厚生労働省が定めています。

身体的な影響を及ぼすものとして提供されているもの、病気を治すもの、予防するものなどは医薬品に含まれると理解しておきましょう。

医薬部外品

薬機法では、医薬部外品は下記のように定められています。

2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。

一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止

ロ あせも、ただれ等の防止

ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛

二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの

三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

医薬部外品は、主に上記の「イロハ」に該当するものです。具体的な例としては、栄養ドリンク、うがい薬、殺虫剤などが挙げられます。イロハを目的に使用され、なおかつ人体への影響が緩和なものが医薬部外品に該当します。

化粧品

薬機法では、化粧品は下記のように定められています。

3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

化粧品の代表例は、シャンプー、整髪料、スキンケア用品等が挙げられます。基本的に、清潔や容貌を変えることが目的とされ、身体に塗擦や散布されるものが化粧品になります。

医療機器

医療機器は、薬機法において下記のように定められています。

4 この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

具体例としては、人工関節、ペースメーカーなどが挙げられます。また、画像診断装置も医療機器の1つです。

再生医療等製品

最後に、再生医療等製品は下記のように定められています。

9 この法律で「再生医療等製品」とは、次に掲げる物(医薬部外品及び化粧品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

一 次に掲げる医療又は獣医療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの

イ 人又は動物の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成

ロ 人又は動物の疾病の治療又は予防

二 人又は動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物のうち、人又は動物の細胞に導入され、これらの体内で発現する遺伝子を含有させたもの

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

たとえば、遺伝子治療用製品、細胞加工製品が挙げられます。IPS細胞などから作られる製品は、再生医療等製品の代表例になります。

薬機法(旧薬事法)と景品表示法の違い

ここまで、薬機法(旧薬事法)の範囲を解説しましたが、景品表示法との違いが分からない方もいるのではないでしょうか。両者は混同されがちな法律ではあるものの、実はまったくの別物です。

薬機法は上述したとおりであり、景品表示法は、消費者が誤認する恐れのある広告を禁止する法律になります。たとえば、事実にない内容を盛り込み、競合他社以上に自社が優れていることを発信する優良誤認表示、相応以上の景品を用意して消費者の判断を誤らせる過大景品などが禁止されています。

つまり、薬機法は商品の成分や内容に関して消費者の安全を守るための法律であり、景品表示法は、広告や表示に関して消費者の安全を守るための法律という違いがあります。

薬機法で禁止されていること

ここまで、薬機法と薬事法の違いなどを解説しました。ここからは、薬機法(旧薬事法)で禁止されていることを解説します。

  • 虚偽・誇大広告
  • 未承認の医薬品
  • 適正広告基準

それぞれ順番に見ていきましょう。

虚偽・誇大広告

虚偽・誇大広告とは、事実とは異なる範囲で訴求する広告のことです。薬機法では、下記のように禁止されています。

何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要

上記で着目すべきは、「何人も」という部分です。つまり、商品の開発や販売に関わる人材は、すべて薬機法の対象になるということです。たとえば、アフィリエイターが代表例として挙げられます。

アフィリエイターは、あくまで自社商品を第三者の立場で販売する人間ではあるものの、違反した場合は、アフィリエイター自身と商品の提供側の双方が罰則対象です。

そのため、自社の内部の人間はもちろん、第三者の販売促進に関しても注意深く留意する必要があるでしょう。

未承認の医薬品

薬機法では、未承認の医薬品の広告も禁止されています。具体的には、製造方法、効能、効果、性能、医薬品の名称が対象範囲です。消費者の安全を守るため、広告の側面からも全面的に禁止されています。

適正広告基準

適正広告基準とは、薬機法における広告の具体的なルールのことです。下記のように定められています。

効能効果等、用法用量等について、承認範囲を超える表現、事実誤認のおそれのある表現の禁止

効能効果等又は安全性について保証する表現、最大級の表現等の禁止

本来の効能効果等と認められない又は誤認のおそれのある表現の禁止

医薬品等の過量消費又は乱用助長を促す表現の禁止

医薬関係者以外の一般人向けの医療用医薬品等の広告の禁止

引用:医薬品等適正広告基準の改正について

これらに該当する広告を打ち出した場合、薬機法で罰則の対象になります。そのため、まずは自社が上記に該当していないかを確認してみましょう。

薬機法(旧:薬事法)のNGワードをチェック!表現や言い換えのコツと注意点を解説

薬機法(旧薬事法)に違反しないためには専門家の力を借りること

ここまで、薬機法と薬事法の違いなどを解説してきましたが、薬機法に違反しないためには、専門家の力を借りることが大切です。事実として、薬機法に違反してしまった事例は数多く存在するものの、適切な方法を取れば未然に防げていたかもしれません。

薬機法に違反してしまうと、消費者から自社に対する信頼性が落ちてしまい、事業が立ち行かなくなる恐れもあります。ただし、専門家の力を借りれば、ダブルチェックなどを通して消費者の安全性を守ることができるため、長く商品を提供し続けることも可能になります。

また、違反ギリギリの範囲で攻めた訴求もできるようになり、売上の面でも大きく向上することが望めるでしょう。したがって、現状専門家の力を借りていないようであれば、依頼することを優先的に検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、薬機法と薬事法の違いを解説しました。薬機法の旧名が薬事法であり、2021年には課徴金制度が追加されるなど、薬機法は常に内容が更新され続けています。虚偽・誇大広告などで発信してしまうと、消費者の安全を守れないことに繋がり、行政指導などを受けるリスクも高まります。それらを未然に防ぐためには、専門家の力を借りる方法が最も賢明な判断だと言えるでしょう。

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