みなさんはリスティング広告を運用している中でhagakure構造という言葉を聞いたことがありますか?
「言葉だけは知っているけど、何のことかはいまいち分っていない」という方も多いと思います。
今回はいまさら聞けない「hagakure」のアカウント構造の概念について徹底解説します!
目次
hagakureとは?
hagakureとはGoogleが推奨しているリスティング広告のアカウント構造のことです。
ちなみにhagakureという名前は「葉隠れ」という書物が由来になっています。
リスティング広告において、アカウント構造の設計は広告の成果に大きく影響します。
hagakureを簡潔に説明すると、「可能な限りシンプルにアカウント構造を設計すること」を指します。
hagakure提唱以前のアカウント構造は、入札調整のしやすさや、キーワード単位の細かな調整のしやすさで「1広告グループ1キーワード」等にアカウント構造を細分化する考えが主流でした。
そんな中、従来のアカウント構造とは真逆といってもいいhagakure構造をGoogleが推奨するようになりました。
hagakureが推奨されるようになった理由
アカウント構造を細分化する流れが主流だった中Googleがhagakureを提唱するようになった理由は、リスティング広告の運用の考え方が広告運用の自動化機能の拡大や精度向上に伴い、「データをいかに収集、蓄積をし、それを改善のために活用するか」というものに移り変わったためです。
アカウント構造を細分化することで手動での細かな最適化を行うことも重要ですが、細分化に伴いデータの蓄積が遅くなり、結果PDCAを回す速度が遅くなります。
現在多くの企業がリスティング広告に取り組むようになっており、改善速度を競合よりも上げることが重要になっています。
Yahoo!もシンプルなアカウント構造を推奨している
hagakureはGoogleが推奨しているアカウント構造であると説明しましたが、Yahoo!スポンサードサーチでもシンプルなアカウント構造を推奨しています。
Yahoo!スポンサードサーチでは
- 同じキーワードを複数の広告グループに登録しない
- 一つの広告グループに同じ訴求内容をまとめる
この2点をポイントとしてあげています。
Yahoo!もhagakureの考えと同様にアカウント構造をシンプルにすることを推奨していることがわかります。
リスティング広告のアカウント構造概要
hagakureがリスティング広告のアカウント構造設計の考え方だということが分かったと思います。
hagakureと従来のアカウント構造のメリット、デメリットの説明の前に「そもそもリスティング広告のアカウント構造ってなんだっけ?」という方もいると思うので、ここで簡単におさらいしておきます。
アカウント構造を端的に説明すると「アカウント」という大きなフォルダの中に「キャンペーン」→「広告グループ」という順にフォルダーを作り、「広告グループ」の中に「キーワード」と「広告文」を格納するというイメージです。
「1広告グループ1キーワード」アカウント構造
hagakureの具体的なメリット、デメリットの説明の前にhagakure提唱以前のアカウント構造について注目されていた「1広告グループ1キーワード」のアカウント構造を例にしてメリット、デメリットを踏まえて説明していきます。
「hagakureとは?」で説明したようにhagakure提唱以前はアカウント構造を細分化する考え方が主流でした。
もう少しかみ砕いて説明すると、入札調整などを手動で行うことを前提にしているため、広告のマッチタイプやキーワードの掛け合わせなどの単位で、アカウント構造を細分化しているのが特徴になります。
ここで説明する「1広告グループ1キーワード」アカウント構造は、2012年~2013年頃に注目されていたキーワードと広告文の関連性を高めることに重点をおいたアカウント構造です。
メリット
まずは「1広告グループ1キーワード」アカウント構造のメリットについて説明していきます。
- キーワード単位での広告文の設定
- 広告グループ単位で、KW単位の入札へ反映させることが可能
- キーワード単位の数値傾向の把握が容易
広告グループを細分化した「1広告グループ1キーワード」アカウント構造ならキーワードに合わせた広告を設定できます。
そもそもリスティング広告の広告は、同じ広告グループ内のキーワードと紐づいて表示されます。
そのため、1広告グループに複数の広告とキーワードが設定されている場合どのキーワードでどの広告が表示されるかはランダムで決まります。
そのため、「レストラン 恵比寿」「レストラン イタリアン」のように、検索したキーワードからユーザーニーズが異なることが明らかな場合、それぞれのキーワードに合わせた広告を表示させた方が効果が良くなるはずです。
広告グループをキーワード単位で分けて、広告グループ単位で入札を管理することで、手動での運用が楽になります。
一つひとつのキーワードの入札を手動で管理することは難しいため、「1広告グループ1キーワード」アカウント構造にしておくと広告グループ単位での入札設定で対応できます。
また、マッチタイプ別に広告グループを分けることで、マッチタイプに合わせて入札の強弱をつけることが可能になります。
キーワード単位で広告グループを分けることで、キーワードごとの成果をすぐに把握することが可能です。
キーワードの掛け合わせによって、検索ユーザーのニーズも変わりますので、キーワード単位で広告グループごとに分けることで、一目で「○○系キーワード群の成果が良い」と判断することが可能です。
デメリット
次に「1広告グループ1キーワード」アカウント構造のデメリットについて説明していきます。前述したメリットだけを見れば何も問題点はないようにみえます。
しかし、アカウント構造を細分化することでのメリットよりもデメリットの方が上回るようになってきたため、Googleはhagakureを推奨するようになりました。
では、デメリットの内容について、もう少し具体的にみていきましょう。
- 広告の品質が上がりにくい
- 適切な機械学習が機能しない
広告グループを細かく設定するとその分表示回数が減ってしまうため、広告の品質スコアが向上しない要因になってしまいます。
メリットで触れたように、キーワード単位で広告グループを設定することでクリック率が上がるため品質スコアが上がるように思うかもしれません。
ですが、Googleは品質スコアの指標について「広告のクリック率」と「キーワードと広告の関連性」だけでなく「広告の表示回数」も重要な指標になることを発表しています。
そのため、広告グループを細かく設定してクリック率を上げても結果Google広告のロジックでは広告の品質が改善されにくいということになってしまいます。
アカウント構造を細分化しすぎることで広告表示回数が分散し、広告を統計的に評価できる量までデータが溜まるのに、時間が掛かりすぎるというのも大きなデメリットです。
以前よりGoogle、Yahoo!共に広告運用の自動化が圧倒的に進んでいるため、近年では進化した自動入札機能がうまく機能するアカウント設計が重要となっています。
リスティング広告の運用で重要なのは、入札を調整するだけではなく以下の点を意識することです。
- クエリーをキーワードとして追加する
- 除外キーワードを追加する
- 検索クエリの意図に合わせた広告を作る
これら等を行いユーザーの検索ニーズに合った広告を配信していくことが大切です。アカウント構造が細かいほど設定にかかる工数も増えてしまいます。
「hagakure」のアカウント構造
初めに説明したようにhagakureはこれまで説明した「1広告グループ1キーワード」のアカウント構造等のように細分化されたアカウント構造とは逆にアカウント構造を可能な限りシンプルにして広告表示回数を集約するという考え方です。
広告表示回数を集約することで、キーワードの品質がGoogleのロジックで正しく評価され、運用のPDCAサイクルの速度も上がります。
さらに、自動入札機能やコンバージョンオプティマイザーといった機械学習による入札も機能しやすくなります。
メリット
hagakureのアカウント構造のメリットについて具体的に説明していきます。
「1広告グループ1キーワード」のアカウント構造のデメリットで触れたように広告の品質スコアは「広告のクリック率」と、「キーワードと広告の関連性」だけでなく「広告の表示回数」も重要な指標となります。
hagakureのアカウント構造ではIMP集約型のアカウント設計となっているため広告表示回数は広告グループに集約します。
なので結果的に広告の品質スコアの改善につながります。
また現在は、検索キーワードごとに検索したユーザーのニーズが異なることが明らかな場合でも「広告カスタマイザー」という機能を使うことにより同じ広告グループでもキーワードに紐づけて広告文を変えることが可能です。
以前の細分化されたアカウント構造では運用工数がかかり、PDCAを回すにスピードが遅くなる傾向にありました。
アカウント構造をシンプルにすることで、運用工数が削減でき、その分の工数を広告文のテスト等に使うことができるためPDCAを回すにスピードを上げることができます。
最近ではコンバージョン数値が増えたら、自動入札機能などの機械学習を活用するケースが主流です。
hagakureのシンプルなアカウント構造にすることにより広告表示回数やコンバージョン数値等のデータがが一つのキャンペーンや広告グループに収集、蓄積されるので機械学習も機能しやすくなります。
デメリット
Googleがhagakureを推奨しているのに、未だに詳細化されたアカウント構造で運用している方がいるのは、デメリットもあるからだと思います。
hagakureのデメリットを説明していきます。
手動での単価調整なら、部分一致キーワードを個別で入札できるので調整可能ですが、自動入札設定の場合は部分一致キーワードの個別での入札対応が不可能になります。
そのため部分一致キーワードに広告表示回数、クリックがとられてしまう可能性があります。
対応策として基本的に部分一致キーワードは使わずに、2トークン以上の絞り込み部分一致キーワード(2つのキーワードの組み合わせ)で設計する等があげられます。
一つのキャンペーン、広告グループに集約するため、キーワードごとに細かく数値を見ることが難しくなります。
そのため、レポーティング作業などは詳細化されたアカウント構造のものよりどうしても時間がかかってしまいます。
しかし、レポート作成時間と日々の単価調整に要する工数を比べればhagakureのアカウント構造の方が圧倒的に工数削減につながります。
今後のアカウント設計
ここまでhagakureのアカウント構造と詳細化されたアカウント構造をメリット、デメリット踏まえて説明してきましたが後のアカウント設計では、機械学習を使うことを前提にアカウントを構築することをおすすめします。
今の時代AIを中心とした機械学習の技術の発達が目指しく飛行機や船の操縦なども自動操縦で行われています。
リスティング広告の運用においてもコンバージョンオプティマイザーなどの自動入札機能はどんどん進化しており、これからさらに進化していくことが想定されます。
単価調整など機械でできるところは機械で効率化し、現状人の手でしかできないキーワード選定や広告文の作成等に工数をかけることが重要になります。
特にリスティング広告はPDCAサイクルを回して常に広告を改善していくことが重要視されており、競合に勝つにはPDCAを早く回すことが重要視されています。
そのことを踏まえながらアカウント構築を考えることが大切です。
まとめ
今回はhagakureのアカウント構造を、hagakure推奨以前のアカウント構造と併せてご紹介しました。
Googleはhagakureのアカウント構造を推奨していますが、あくまで「推奨」であり、すべてのケースに当てはまる最適解ではありません。
ただ、現状の自動化のスピードやトレンドなどを考えると、hagakureのアカウント構造の方が効果的だといえます。
しかし、hagakureのアカウント構造はあくまで単価調整の工数を削減して広告運用に工数をあて、効果向上を図るための設計であり、アカウント構造を変えただけで広告そのものの効果が向上するわけではありません。
hagakure構造を活用する際には、削減した工数で人にしかできない施策をしっかり行い、広告の効果向上を目指してみてください。
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