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サードパーティクッキーとは?概要から今後の行方まで徹底解説

クッキー

「サードパーティクッキーって最近よく聞くけど一体なに?」「Googleがサードパーティクッキーを廃止するらしいけど、この先どうなるの?」こんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではサードパーティクッキーの概要や、規制・廃止後の変化から対応まで分かりやすく解説いたします!

サードパーティクッキーとは

サードパーティクッキーを理解するためには、まず「クッキー」について理解する必要があります。以下では、クッキーの概要とその活用方法としてサードパーティクッキーについて解説します。

クッキーとは

「一度ログインをしたことがあるウェブサイトでIDやパスワードを保存しておくと、次回以降同じウェブサイトを訪れた時にすでにIDとパスワードが入力されている」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

またECサイトで買い物をしているとき、「気に入った商品をカートに入れ、別の商品ページをしばらく閲覧したあと再びカートを見ると、先ほどカートに入れた商品が残っている」ということも、もはや当たり前ではないでしょうか。実はこの当たり前の動作は、クッキーの仕組みあってこそなのです。

クッキーを簡単に表すと、ユーザーがサイトを訪れた日時や回数・メールアドレスなど多岐に渡るユーザー情報が集約されたデータ片のことです。さらに要約すると、ユーザーの情報データということです。ウェブサイトが同サイト内でのみ有効なユーザーの会員証を発行し、サイトに訪れたブラウザに付与するというイメージを持っていただくとわかりやすいかもしれません。

このユーザーの情報データであるクッキーを、ユーザーが使用しているブラウザと訪れたウェブサイトの間でやり取りすることで、ウェブサイト側は「以前と同じブラウザだ」という様にブラウザを識別できるのです。

ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキー

クッキーは私たちがウェブサイトを快適に閲覧するサポートをしてくれています。そして上述のように、訪れたウェブサイトが発行したクッキーを「ファーストパーティクッキー」と呼びます。
また、訪れたウェブサイト内でそのウェブサイト以外の場所から発行されるクッキーを「サードパーティクッキー」と呼びます。

訪れたサイトである一人称視点から発行されるクッキーがファースト、そうではない第三者から発行されるクッキーがサードと覚えておくとよいでしょう。

サードパーティクッキーの仕組み

そもそもなぜ第三者からクッキーが発行されるのでしょうか?

例えば、ウェブサイトに出稿されている広告には別のドメインが紐づけられています。ユーザーはウェブサイトAに訪れたつもりが、実は裏側ではウェブサイトAだけでなく、広告に紐づけられているドメインBにも訪れていることになっており、ブラウザはそれぞれのドメインからクッキーを発行されます。

今回の例ではウェブサイトAがファーストパーティクッキー、ドメインBがサードパーティクッキーを発行していることになります。

もちろん広告以外からサードパーティクッキーが発行される場合もありますので、仕組みを理解する上での具体例の1つだという認識がよいでしょう。

サードパーティクッキーの活用方法

次にサードパーティクッキーが一体どのように活用されているのか、4つのパターンを紹介します。

広告の効果測定

配信している広告がCV(購入や資料請求などの成果)にどれほどつながったか測定するために、サードパーティクッキーが利用されることがあります。CVに至ったブラウザが広告から発行されたクッキーを所持しているか否かで、広告経由のCVであるかどうかを判断できます。

アフィリエイト

アフィリエイト内のリンクをクリックするとLP(広告などを経由してページを遷移したときに最初に表示されるページ)へ遷移しますが、リンクからLPへ遷移する前に裏側ではサーバーを経由しています。

経由したサーバーがクッキーを発行することで、リンクの遷移先である広告主のウェブサイトは、流入してきたユーザーがアフィリエイトリンク経由で流入してきたことが識別できるようになります。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は非常に費用対効果の高い広告ですが、裏側ではサードパーティクッキーが活用されています。

例えば、ユーザーがリターゲティングのタグが設置されているウェブサイトAに訪れたとします。この時に発行されるリターゲティングタグは、サードパーティクッキーです。

そしてこのリターゲティングタグの情報をもとに、別サイトを閲覧しているユーザーに対して自社の商品やサービスの広告を表示させるというのがリターゲティング広告の仕組みです。

アトリビューション分析

アトリビューション分析とは、CVに対する広告貢献度の分析手法のことです。Webマーケティングにおけるアトリビューション分析は、計測ツールを導入しておこなうケースが多く、そのツールがサードパーティクッキーをもとに計測している場合があります。

CVに至った場合、ユーザーは直前に接触した広告Aだけでなく、その数日前に何度も広告Bに接触したことによって購入意欲が高まっていた可能性があります。つまり、広告Bは興味関心を植え付け、広告Aがダメ押しをしたということになります。

その場合、広告BからCVにつながった数は少ないかもしれませんが、非常に重要な役割を果たしている広告になります。こうしたアトリビューションの計測も、各広告がサードパーティクッキーを発行する仕組みの上に成り立っています。

クッキーへの規制

これほど便利なクッキーが、Googleによって規制されるというニュースを見た方も多いのではないでしょうか。以下では、サードパーティクッキーがなぜ・どのように規制されるのか解説します。

法律による規制

個人情報保護に関する話題は、情報化社会が進めば進むほど取り沙汰されています。これにともない、世界各国で個人情報保護に関しての対策が進められています。

その中でも特に話題となったのは、EU圏におけるデータ保護規制の「GDPR」とカリフォルニア州消費者プライバシー法の「CCPA」という2つの規則です。

日本でも改正個人情報保護法が公布され、2022年4月1日から施行されます。

もちろん各規制により差異はありますが、クッキーに関して共通していることは「クッキーを利用する場合、必ずユーザーに許可を取らなければならない」ということです。

つまり、クッキーは法律によって禁止されていることも、される予定もなく、制限が厳しくなるということなのです。

ベンダーによる規制

法律はクッキーを禁止や廃止にするのではなく、制限をかけているだけでした。クッキーを禁止や廃止にしているのはベンダーなのです。法的な規制が強まる流れと同時に、クッキーが個人情報として見られるようになり始め、プライバシー保護の観点からクッキー利用に批判的なユーザーも増えてきました。そういったユーザーの反応も含めて、ベンダーはクッキー利用に制限をかけるようなアクションを取っていることが考えられます。

以下では、ITベンダーの中でも代表的であるAppleとGoogleの、それぞれのクッキー対応について解説します。

Apple

Appleは同社のブラウザである「Safari」において、2017年から導入した「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」を少しずつ強化してきました。

ITPとは、トラッキングを防止する機能のことで、最新バージョンであるITP2.3ではサードパーティクッキーの利用が完全にできなくなっています。またITP2.3ではサードパーティクッキーだけでなく、ファーストパーティクッキーにも制限をかけていて、Appleは非常にプライバシー保護に強気な姿勢であることがうかがえます。

Google

Googleは同社ブラウザである「Google Chrome」において、サードパーティクッキーを2023年中に廃止することを発表しています(2021年6月24日時点)。当初は2022年1月までにサードパーティクッキーを廃止するという発表をしていたため、約1年半~2年弱の延期となりました。

サードパーティクッキーを廃止するにあたって、段階的にサードパーティクッキーを規制していく予定のようです。

今後Googleがどのようにサードパーティクッキーを制限していくのかについては、常に最新情報を追う必要があります。

クッキー規制が進む中での対応

クッキーが規制される中でどのような対応を取っているのか、またどのように対応していけばいいのかについて、以下3つの視点から解説します。

ツールベンダー

ここでのツールベンダーとは、広告の効果測定をおこなうツールなどを開発・販売している企業のことを指します。

各ツールベンダーはさまざまな方法で広告の効果測定をおこなえるようツールを開発しています。例えば、広告主が発行したファーストパーティクッキーを利用して効果測定がおこなえるようなツールを開発しているベンダーもあります。

ファーストパーティクッキーでの効果測定をおこなえるということは、サードパーティクッキーの規制対象にならず正確に測定がおこなえることになります。

ツールベンダーでは日夜、こうした規制に引っかからないような効果測定の方法を開発することで対応をしています。

広告主

広告主がクッキー規制に対して直接対応することは、かなり難しいです。実際に広告主ができることは、クッキー利用の許諾をユーザーに取るポップアップを、ウェブサイトの各ページに表示させる程度にとどまってしまうかと思われます。これでは、今までのような効果的な広告配信や効果測定ができなくなってしまいます。

そのため広告主はクッキー規制に引っかからない効果測定ツールを導入するなど、他の方法で広告の効果測定ができるように対応方法を模索する必要があります。

ファーストパーティクッキーによる効果測定が可能なツールを利用する以外にも、サードパーティクッキーを利用しない効果測定をおこなう手法はいくつか存在します。そのため普段取り引きのある広告代理店などと日ごろから連絡を取り合い、自社にマッチした効果測定の方法を模索する必要があるでしょう。

Google

前述の通り、Googleは2023年までにサードパーティクッキーを廃止すると発表しています。しかし、GoogleはAppleに比べて非常に広告との密着度が高いベンダーでもあります。そのためサードパーティクッキーをただ廃止にする、というのは考えにくいことであると思われます。

実際に、現在Googleは「プライバシーサンドボックス」というサードパーティクッキーと同程度の機能を有しながらプライバシー保護の観点もカバーする、いわばサードパーティクッキーに取って代わる代替案を開発中です。

このプライバシーサンドボックスは、現状では実装段階には入っておらず手探りの状態であることがうかがえます。また、プライバシーサンドボックスが独占禁止法に抵触していないかをイギリスの競争規制当局である競争・市場庁が常に目を光らせて見ています。

まだまだプライバシーサンドボックスの実装にはいくつもの壁があると考えられますが、Googleはサードパーティクッキー廃止のタイミングに合わせてなにかしらの代替案を施行することが考えられます。

弊社の取り組み事例

前述の通り、広告主はクッキーに依存しない広告手法を求められる場合があります。しかし同時に、自社のみでそれを遂行するのはかなり難しいことでもあると思います。その場合、代理店に業務委託をすることになる可能性が高いので、弊社で取り組んだ事例をご紹介させていただきます。以下の紹介事例で、少しでも「クッキーに頼らない」ことを具体的にイメージしていただけたら幸いです。

弊社では、旅行業界に属し、会員制のサービスをご提供されているお客様をサポートしております。

マーケティングクラウドというセールスフォースが提供するMAツールを使うことによって、クッキーに依存せずに広告のターゲティング配信ができる手法をご提案させていただきました。MAツールには膨大なデータが蓄積されており、その中から優良会員の類似者をターゲットに広告配信をおこなうことで、効率的にリード(見込み客)獲得をすることが出来ました。

また、MAツールに蓄積されているデータから既存会員への広告配信を停止することで、予算の最適化についてもご提案させていただきました。
さらに詳しくマーケティングクラウドについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
マーケティングクラウド(Marketing Cloud)とは?セールスフォースのマーケティングオートメーションツールを分かりやすく説明します!

結果として2020年通算実績に対して2021年7月の実績が、CPO(新規顧客獲得にかかった広告単価)41%削減、流入からの宿泊転換率1.53倍という数字に着地しました。

こうした事例から、方法次第ではサードパーティクッキーやクッキーそのものにこだわらなくても、しっかりと効果的な広告配信が可能であることがお分かりいただけるかと思います。

弊社では、各企業様にマッチした広告配信や効果測定の方法を幅広くご提案しておりますので、是非ご気軽にご相談ください

まとめ

今回はサードパーティクッキーについて解説しました。Googleが具体的に規制内容やサードパーティクッキーの代替案を明らかにした時、迅速に対応できるようになるためにも、その足がかりとしてクッキーをしっかりと理解しておくことは非常に重要であるといえます。

サードパーティクッキーを初めて、また改めて勉強してみようと思った方は、是非本記事を参考にしてみてください。

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