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皆さんはDMCAをご存知でしょうか?
日本ではあまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、Webサイトを運用していくうえでは欠かせない、重要なアメリカの法律です。
アメリカの企業であるGoogleはこのDMCAに基づき、著作権侵害をしているコンテンツに対して慎重に審査を行い検索結果から排除するなどの対応をしています。
「デジタルマーケティングブログ」の記事も別のサイトに無断で転載され、コピーコンテンツが上位表示されてしまうという事態が発生しています。
今回、「世界から悪質なコピーサイトを排除したい!」という気持ちでこの記事を書きました。
当ブログと同じようにコンテンツの盗用に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
DMCAとは
DMCAとは、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)の略称で、デジタルコンテンツ上の著作権に関する法律のことです。もともとはアメリカで、デジタルコンテンツにおいての著作権のあり方などを規定する法律として2000年10月に施行されました。
フェアユースとは
DMCAの例外規定のひとつに「フェアユース」という概念があります。
「科学と有用な芸術の進歩を促進する」という方針に基づき、著作物を公正に使用していれば、承諾がなくても著作権の侵害にはあたらないという考え方がフェアユースです。
国により規定は異なりますが、アメリカでは以下の4つの要項を満たしていれば、著作物の権利侵害は認められないとしています。
- 使用の目的および性質
- 著作物の性質
- 著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性
- 著作物の潜在的市場または価値に対する使用の影響
参照:「フェアユース」とは
しかし2022年現在、日本の著作権法には、アメリカのフェアユースのような包括的な規定は設けられていません。
盗用によって生じる弊害
自分のサイトにあるコンテンツを他のサイトにコピーされると、下記のような弊害が生じます。
- コンテンツの重複扱いとなり、オリジナルであるこちらのサイトが検索結果画面から消えてしまう可能性もある。
- コピーしたサイトの方が検索エンジンにより高く評価された場合、自身のサイトより上位に表示されてしまい、流入の損失につながる。
- 被リンクや検索エンジンからの評価がコピーしたサイトのほうに集まってしまい、自分のサイトの評価向上につながらない。
これまでに対処の仕方がわからず、泣き寝入りした運営者もいるのではないでしょうか。
ですが、諦める必要はありません。
GoogleではDMCAに基づき、著作権を侵害しているサイトを検索結果から排除しています。
この仕組みを使えば、コピーサイトではなく自分のサイトが評価されるようになります。
昔はコンテンツやサイトの著作権が侵害された場合、サイトの運営者に直接連絡し、削除要請を出して対応してもらうしかありませんでした。
インターネット上におけるコピーコンテンツの台頭という問題を受けて、デジタルコンテンツに関する著作権保護の基準となる法律が2000年にアメリカ連邦法として成立し、今ではDMCAに基づきコピーコンテンツやコピーサイト、インデックスの削除依頼をGoogleでも受け付けるようになりました。
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削除依頼の手順
削除の依頼方法は簡単です。大まかな流れは以下のとおりです。
- 「著作権侵害による削除」ページから削除申請をおこなう
- 権利侵害申請をおこなう。
- 「宣誓供述書」を確認する
- 結果がダッシュボードに届く
「著作権侵害による削除」ページから削除申請をおこなう
まず、こちらの「著作権侵害による削除」ページから削除申請をおこないます。
申請の際はサーチコンソールへのログインが必要です。
まずは連絡先情報を記述しましょう。
以上の赤枠で囲まれている項目を記述します。
名前(名) | 必須 |
名前(姓) | 必須 |
会社名 | 任意 |
自分が代理を務める著作権所有者 | 必須 |
メールアドレス | 必須 |
国/地域 | 必須 |
「デジタルマーケティングブログ」は株式会社デジタルアイデンティティが運営するブログであり、筆者が個人で管理しているものではありませんが、今回は申請をおこなった筆者の名前を記述しました。サイトによって名義が変わると思いますので、適切な担当者名を記載しましょう。
会社名の欄には自社名を記載します。なお、会社名記入は必須ではありません。
そして「自分が代理を務める著作権所有者」に関しては自身や自社で運営しているサイトであればデフォルトで設定されている「本人」を選択します。
もし申請者が著作権所有者の法的な代理人の場合は「自分が代理を務める著作権所有者を追加」を選択し、著作権所有者の名前を記入してください。
権利侵害申請をおこなう
そして次はメインである「権利侵害申請」です。
おこなう内容としては下記に関する情報を記述します。
- 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明
- 当該著作物が許可を受けて掲載されている場所
- 権利を侵害している著作物の場所
「著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明」は何の画像か、どこのテキストか、など無断で盗用されている著作権対象物がどのように著作権侵害されているかを記述します。
「当該著作物が許可を受けて掲載されている場所」は自身のコピーされたサイト・ページURLを記述します。
「権利を侵害している著作物の場所」はコピーした悪質なサイト・ページURLを記述します。
まずは著作権を持つコンテンツがどのような理由で侵害されているのかを報告するために「著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明」を記述します。
ちなみに筆者が記述した内容はこちらです。
「デジタルマーケティングブログ」の場合は、コンテンツを丸々コピーされたり、一部の文章をそのままコピーされていたりしたため、削除内容は簡潔な記載で済んでいます。
しかし、侵害された内容によっては詳しく記載しないと認可されず再度申請するという手間がかかるので丁寧に記載するように心がけましょう。
次に「当該著作物が許可を受けて掲載されている場所」と「権利を侵害している著作物の場所」を記述します。
要約すると、「盗用されたページ(サイト)URLと盗用した悪質なページ(サイト)URLを記述してほしい」ということです。
対象URLを入力していきます。
はじめは100行ずつ記載して申請をしたのですが、説明が簡易的すぎたせいか正しく伝わらず認可されませんでした。
申請するURLが多い場合は、オリジナルページがどれで、どのページに対して侵害されているかなど細かく記載するか、「新しいグループを追加」を選択し数ページずつ申請をおこなう必要があります。
審査するのは、「機械」ではなく「人」がおこなっているので「わかりやすい内容で送る」ことが大事だということを覚えておきましょう。
「宣誓供述書」を確認する
記述が終わったら「宣誓供述書」を確認し、チェックを入れます。
そして「署名」項目の署名日を記述し、署名を記述します。
最後に「私はロボットではありません」を選択し「送信」を押して終了です。
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結果がダッシュボードに届く
数時間から数日すると削除完了報告が「著作権侵害による削除」の削除用ダッシュボードに届きます。
ほとんどのURLは承認されていますが、拒否されたURLもありました。中身を確認すると「当該コンテンツが見つかりませんでした」と表示されました。
拒否されたURLはコンテンツ内の一部分の文章が盗用されたページでした。
コンテンツ内のどの箇所が盗用され、著作権を侵害しているページのどの箇所にそれがあるのかを詳細に記述していなかったせいか、適切に内容が伝わらず盗用部分のコンテンツを見つけてもらえず拒否された可能性があります。
このような場合は、一度で諦めずに具体的に説明を記述し、再申請をおこなうようにしましょう。
承認されたURLをGoogleで検索すると、検索結果画面下部には下記のようなテキストが表示されていました。
これが表示されるということは検索エンジンから悪質な盗用ページが削除されているという証拠です。
DMCAの悪用
ここまで、DMCA申請の手順を説明してきました。本来著作権を守るための法制度ですが、一方で虚偽のDMCA申請で不当にサイトが削除されるという悪質な事例も近年相次いでいます。
DMCAは誰でも簡単に申請ができてしまうため、サイト運営者は悪用への対処方法も知っておく必要があります。
DMCA悪用の罰則
残念ながら、現状DMCAの虚偽申請を未然に防ぐことはできません。
しかし、DMCAの悪用によりサイト運営者に損害が出た場合、民事訴訟に発展したり、偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪に問われたりする可能性もあります。
参照1:J-CASTニュース
参照2:公益財団法人著作権情報センター(第512条(f)不実)
今後、悪質な申請者には損害賠償などの罰則が科せられる可能性もあるかもしれません。
罰則だけでなく、社会的信用を失うことも考えられるため、DMCAの虚偽申請は高いリスクを冒すことになります。
虚偽申請されたときの対処方法
DMCAの悪用により自分のサイトが削除されてしまった場合、虚偽申請に対して異議申し立てができます。
まずご自身のWebサイトに向けてDMCAの申請がされると「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」という件名でご自身にメールが届きます。
メール内にある「DMCAに基づく異議申し立て通知」というリンクにアクセスし、DMCAの申請同様に必要事項を入力し送信します。
問題のないコンテンツであると判断された場合、検索結果画面に復活します。
まとめ
今回は、DMCAについて基本的な概要や申請手順、悪用されるリスクなどを解説しました。
コンテンツを盗用された際や、悪質な虚偽申請でサイトが削除されてしまった際、ご自身のサイトが得られるはずの利益や権利を守るためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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