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今回は、このパーソナライズ検索(パーソナライズド検索)について、その全貌と影響範囲を解説します。本記事は2018年12月4日の「Google SearchLiaison」からの連続ツイートを元にして執筆しています。気になる方はぜひ元ツイートもご覧ください。
目次
パーソナライズ検索とは?
パーソナライズ検索というのは、「検索履歴によって検索結果が個人単位で最適化(=パーソナライズ)される」というものです。普段、Google検索で使用する検索クエリを元に、そのユーザーに最適な情報をカスタマイズして表示してくれるというわけです。
パーソナライズ検索のSEO対策における注意点
便利なパーソナライズ検索ですが、SEO対策においては曲者です。
目視で確認した時には自社・自分に合わせた順位が出ている可能性がありますし、ツールを使って検索順位を取ったとしても、それが果たして一般ユーザーのどのくらいの割合と同じ結果なのかがわからないからです。
パーソナライズ検索について、正しい知識をつけておきましょう。
パーソナライズ検索の定義
パーソナライズ検索は、どこまでの範囲を含めるかで、専門家の間でも定義づけが曖昧な言葉です。特に正しい知識を身につけておかないと、パーソナライズ検索という単語を広義の意味で使っているのか、狭義の意味で使っているのか、わからないことがあるので注意しましょう。
広義のパーソナライズ検索
広義のパーソナライズ検索とは、下記のような検索結果に影響を与える諸要因をまとめて「パーソナライズ検索」とするものです。
- 検索履歴
- ユーザーの所在地
- 検索クエリの言語
- 利用端末
- 検索の動的な性質
最後の「検索の動的な性質」以外は、いずれもユーザーに依存する項目であるため、一括りに「パーソナライズ検索」という言葉で語られることがあります。ただし、厳密な意味ではパーソナライズ検索とは言えない部分があるため、
これらとパーソナライズ検索がどう違うのかについては後述します。
狭義のパーソナライズ検索
一方で、狭義のパーソナライズ検索は「検索履歴」による検索結果の変化を指します。
- 検索履歴
下記のGoogleからのツイートのように、広義のパーソナライズ検索で定義される「ユーザーの所在地」「言語」といった項目は、パーソナライズではないことが明言されています。
以降は、この狭義の意味合いでパーソナライズ検索という言葉を使っていきます。
As said, personalization doesn’t dramatically change results. So why might two different people searching for the same thing see results that are different? That’s often due to non-personalized reasons: location, language settings, platform & the dynamic nature of search…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
言ったように、パーソナライゼーションは劇的に結果を変更しません。では、なぜ2人の人が同じことを検索しているのに異なった検索結果が参照されるのでしょうか?それは多くの場合、「場所」「言語設定」「プラットフォーム」「検索の動的な性質」などの非パーソナライズされた要因によります。
パーソナライズ検索の頻度と影響の大きさ
パーソナライズ検索は、頻繁に行われることはありません。
また、行われたとしても検索結果に大きな影響を与えません。
Personalization doesn’t happen often & generally doesn’t dramatically change search results from one person to another. It is usually so lightly applied that the results are very similar to what someone would see without personalization…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
パーソナル検索は頻繁には行われず、一般的にあるユーザーと別のユーザーの検索結果を劇的に変更するものではありません。大抵の場合、その影響は軽微で、パーソナライズされていない人に表示される検索結果とよく似たものになります。
つまり、SEOなどで検索順位を計測する際は、ほとんどその影響は無視しても良いということですね。
これならSEO対策担当者も安心です。
パーソナライズ検索の影響の確認方法
影響はないと言われても、どうしても心配な人もいるでしょうし、上司やクライアントから証明を求められることもあるかもしれません。そんな時は、シークレットウィンドウで確認してみましょう。
Anyone who wants to test how lightly personalization is applied can easily check this themselves. Do a search in a fresh “Incognito” or similar private browsing window & you’ll have no account-based activity that is used. You can compare to a regular search…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
どのように軽微なパーソナライズが適用されているかテストしたい人は、簡単に自分でチェックする方法があります。アカウント情報を持たない新規のシークレットモードかプライベートブラウジングウィンドウを立ちあげて検索することで、通常の検索結果と比較することができます。
シークレットモードでの検索方法はこちら。
検索結果に影響を与えるその他の要因について
「検索履歴」以外の項目は厳密には「パーソナライズ検索」に含まれないと解説しました。
ここからは大きく検索結果に影響を与える「所在地」「言語」といった項目が、何故パーソナライズ検索ではないのかを説明します。
前提:パーソナライズ検索は個人ごとに最適化されること
まず、確認しておきたいのは、パーソナライズはその名の通り、個別のユーザーに最適化するという意味です。つまり、同じ要因で同じ最適化が複数人に適用される時点で「パーソナライズ」ではないということです。このことを理解した上で、各項目について見ていきましょう。
「ユーザーの所在地」は「ローカライズ検索」
最も検索結果への大きい「ユーザーの所在地」の項目についてですが、前提を理解していればすぐにわかりますよね。確かに地域によって表示される検索結果は変わりますが、同じ場所で同じ検索クエリで検索すれば、同じ検索結果がかえされます。これは個人によってではなく、地域によって最適化(=ローカライズ)された検索結果です。最近では、「MEO」(=Map Engine Optimization)という言葉も聞かれるようになりました。重要な指標ではありますが、パーソナライズ検索ではありません。
One of the most common reasons results may differ between people involves localized results, when listings are customized to be relevant for anyone in a particular area. Localization isn’t personalization because everyone in the same location gets the same results…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
人々の間で検索結果が異なる場合がある最も一般的な理由の1つは、特定のエリアにいる全ての人に関連するように検索結果がカスタマイズされることです。同じ場所にいる全ての人が同じ結果を得るので、ローカリゼーションはパーソナライゼーションではありません。
「検索クエリの言語」による影響
「ユーザーの所在地」の項目と同様、検索クエリの「言語」による影響もパーソナライズ検索ではありません。あくまで言語による最適化であり、別の人が検索をしても同じ検索結果になるためです。
As with localization, language customization helps make results more relevant. Someone who searches in French generally wants information written in French. Similarly, those searching in English generally want information written in English…. pic.twitter.com/lpxF5PFQfY
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
ローカリゼーションと同様に、言語によるカスタマイズも検索結果をより適切なものにしています。一般的に、フランス語で検索する人はフランス語で書かれた情報を望んでいます。同様に、英語で検索する人は英語で書かれた情報を欲しています。
「ユーザーの利用端末」による影響
MF(=モバイルフレンドリー)やMFI(=モバイルファーストインデックス)の重要性が語られる昨今、ユーザーの利用端末によって検索結果が変わることもよく知られています。ただし、これもあくまで利用端末ごとの検索結果の最適化であり、厳密な意味でのパーソナライズ検索ではありません。
Results may also differ slightly because of platform. On mobile, we prefer fast-loading, mobile-friendly pages, if content on those is as good or better than desktop versions. If you’re using Android or iOS, we may list apps that are appropriate for the respective devices.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
検索結果はプラットフォームによってもわずかに異なるかもしれません。私たちは、モバイルにおいては、読み込みの速さ、モバイルフレンドリーなページか、PC版よりも優れたコンテンツかを重視します。ユーザーがandroidやiOSを使用している場合、それぞれのデバイス(=OS)に適したアプリをリストアップするでしょう。
「検索の動的な性質」による影響
また、Googleは検索システムのデータセンターを世界的に分散させています。これらに登録されるサイト・ページ情報は可能な限り同時更新されますが、どうしてもズレが生じることがあります。このズレによって検索結果に影響が出ることがありますが、これもパーソナライズ検索とは別の要因です。
Results might also differ slightly because of how dynamic & distributed our search system is. Our various data centers are constantly being updated with the latest information we have gathered from trillions of pages, along with our latest ranking improvements. But…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
While we make changes as simultaneous as possible, some new or changed pages might not appear in all data centers immediately, or our latest ranking improvements may not have fully rolled out. These factors, not personalization, can create slight or brief differences in results…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
検索システムの動的な分散方法によって検索結果が若干異なる場合もあります。当社の様々なデータセンターは、常に我々の最新のランキングの改善によって、1兆を超えるページ情報を最新のものに更新しています。が・・・
可能な限り同時に変更を加えますが、一部の新規・変更されたページは、全てのデータセンターに直ちに表示することはできません。これらの要因はパーソナライズとは違いますが、検索結果にわずかなまたは簡単な違いを生み出すことがあります。
パーソナライズ検索の注意点
上記とは別にパーソナライズ検索には、勘違いしやすいポイントがあるので注意が必要です。
ユーザー属性は影響しない
パーソナライズ検索が語られる際、ユーザー属性(年齢・性別・職業)といった情報が参照されていると言われることがあります。Googleアカウントを通じて把握した情報を活用しているのでは、という考えですが、これらについては明確に否定されています。
The assumption is that results have been customized in some way based on information unique to an individual, such as search history. FYI: we do not personalize search results based on demographic profiles nor create such profiles for use in Google Search…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
これは、検索履歴などの個人特有の情報に基づいて、検索履歴がカスタマイズされていることを前提とします。参考:私たちは、ユーザー属性に基づいて検索結果をパーソナライズしたり、Google検索で使用するためにそれらのユーザー属性を作成することはありません。
Googleトップニュースはパーソナライズされない
検索結果に表示されるGoogleのトップニュースはパーソナライズされないとのこと。
その代わり、数分単位で激しく表示が変わる可能性があります。
Time is also a factor. Those who search a few hours or even minutes apart may see variations as new & updated material is added to our search engine. In particular, our “Top stories” section, which is never personalized, can change significantly in a short period of time…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) 2018年12月4日
時間も要因です。数時間、数分間に分けて検索する人は、私たちの検索エンジンに追加された新しく更新された内容のバージョンを参照する可能性があります。特に、特に、決してパーソナライズされていない私たちの “トップストーリー” セクションでは、時間の短い期間で大幅に変更することができます…。
パーソナライズ検索の正しい意味を知っておこう
パーソナライズ検索について、Googleから公式に発表された情報を元に解説をしてきました。
曖昧だった定義がはっきり理解できたのではないでしょうか?
特に社内のSEO担当者で上司に説明する必要がある人や、クライアントにSEOについて説明する機会がある人は、この辺りの違いは抑えておきたいですね。検索結果に影響する要因は複数あり、何がどこまで影響するのか、パーソナライズ検索の定義をしっかりと答えられれば、信頼感が高まるはず。
知識のない人はローカライズや端末による検索結果の違いをパーソナライズと認識している可能性もあります。正しい知識を持って定義から確認していけば認識違いによるすれ違いも起こらなくなるでしょう。
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