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近年、ネットで買い物する方の増加に伴い、化粧品業界でもECサイトでの販売が増えてきました。
では化粧品をECサイトで販売するにあたって、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
この記事では、化粧品ECサイトの具体的なSEO対策を紹介いたします!
化粧品業界のEC化や、大手化粧品会社のECサイトへの取り組みについてもまとめたので是非参考にしてみてください。
また、大規模なECサイトでのSEO対策については、以下の記事でも詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください
>>データベース型サイトのSEO対策 成功ポイント10選!対策の流れと事例紹介
>>【NG例付き】EC・不動産・求人サイト運用者必見!プロが語る大規模サイトSEO
目次
化粧品ECサイトのSEO対策とは
化粧品をECサイトで販売するにあたって、より多くのお客様に商品の情報を広告したいですよね。
ネットで効率よく商品を宣伝するためにはSEO対策が欠かせません。
SEO対策とは
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン高速化」とも呼ばれ、コンテンツの内容をGoogleやYahooなどの検索エンジンにわかりやすく伝えるために工夫することです。
SEOをしっかり行ったサイトは、検索エンジンから優良なコンテンツであると評価されます。
高い評価を得ることで、ユーザーが検索をかけた時の検索結果ページの上位に掲載してもらいやすくなるのです。
ユーザーは検索結果の上位に載っているサイトをクリックする傾向にあります。
つまり、SEO対策を行って上位表示されるようになると、多くのユーザーからサイト訪問をしてもらえるようになるのです。
では、SEO対策とは具体的にどのようなことをしたら良いのでしょうか?
化粧品を購入するユーザーのニーズを理解する
SEO対策において最も大切なことは、ユーザーが求めている情報をわかりやすく発信することです。
検索エンジンはコンテンツを評価する際「ユーザビリティ」を重視しています。
ユーザーが検索した意図に沿った知りたい情報を、ユーザーにとってわかりやすく快適に伝えられているかを判断基準のひとつにしています。
ユーザーが求める情報を提供できるよう、まずは化粧品を購入されるユーザーのニーズをしっかりと理解しましょう。
方法その1:お客様のリアルな意見をきく
ユーザーのニーズを知るためには、実際のお客様のリアルな意見を聞くことが一番です。
アンケート調査を実施をしたり口コミを書いてもらったりして、お客様が求めている物・情報やお客様の悩み、または役に立った物・情報などを理解しましょう。
お客様のリアルな意見から、ネット検索するユーザーがどのような商品・情報を求めているのかを予測できるので、検索の意図に寄り添ったコンテンツづくりをすることができます。
化粧品のECサイトに限りませんが、SEO対策ではお客様目線で考えてサイト運営をすることが大切です。
方法その2:ユーザーの行動を可視化する
ユーザーが商品やサービスを認知してから実際に購入するまでの一連の行動を「点」ではなく「線」として可視化しましょう。
化粧品を自社ECサイトから購入してくれたお客様が、どのようなワードで検索してどのサイトを経由して自社のサイトまでたどり着いて商品購入に至ったのかを調査するのです。
たとえば、自社の化粧水を購入してくれたお客様が「肌 乾燥」というワードで検索していた場合、肌の乾燥に悩んでいるお客様が購入してくれたことが分かります。
このように実際に商品を購入したユーザーが検索したワードやクリックしたページを知ることができれば、お客様のニーズを理解することができますよね。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)やSearch Console(サーチコンソール)などのツールを使って、ユーザーの行動分析やアクセス解析を行いましょう。
キーワードの選定方法
SEO対策においてキーワードの選定はとても大切です。
多くのユーザーの検索にヒットするキーワードを選択する必要があります。
ではどのようにキーワード選定を行えばよいのでしょうか?
ポイント1:ペルソナを設定する
まずはターゲットとなるペルソナを設定します。
商品を購入してほしい顧客像を明確にするのです。
氏名、年齢、性別、学歴、職業、収入、住所、性格、趣味、家族構成、ライフスタイル、悩み、使用しているSNSなど、アンケートや口コミなどの情報を元に詳細な部分まで決めてリアルな人物像を描きます。
ペルソナを設定することで、ユーザー目線に立ちやすくなり、悩みや求めている情報が予想しやすくなるためキーワード選定に役立ちます。
例1:20代向けアイライン
年齢 26歳女性
年収 300万円
家族構成 父、母、姉、妹
生活様式 実家暮らし
悩み 時間が経つとアイラインが滲んできてしまう
例2:男性香水
年齢 30歳男性
年収 450万円
家族構成 父、母、姉
生活様式 恋人と同棲
悩み 会社にも付けていける香水がほしい
ポイント2:ロングテールキーワードを意識する
SEOを意識したキーワード選定では、3語以上を組み合わせる「ロングテールキーワード」がおすすめです。
検索ボリュームが大きい「ビッグキーワード」よりも上位表示されやすく、さらにコンバージョン率も高い傾向にあります。
ビッグキーワードは多くのユーザーが検索するためかなり需要がありますが、その分競合も多く上位表示を狙うのは難しいでしょう。
また「化粧水」や「コスメ」のようにキーワードがざっくりとしているため、ユーザーは自分が本当に求めている商品に出会いづらく、コンバージョン率が低い傾向にあります。
「化粧水 肌 乾燥」や「コスメ 韓国 人気」などのロングテールキワードは、ビッグキーワードに比べて検索ボリュームは少ないですが競合が減るので上位表示を狙いやすいです。
さらに具体的なワードをならべて検索しているユーザーのほうが購買意欲が高く、また絞って検索している分自分が求めている商品に遭遇しやすいためコンバージョン率が高い傾向にあります。
SEO対策が施された化粧品のECサイトは既にたくさん存在しているため、ビッグキーワードは避けてロングキーワードを狙いましょう。
キーワードプランナーなどのツールを使うと、検索ボリュームの高いキーワードを選ぶことができます。
ポイント3:コラム・ブログページを定期更新する
最もはじめやすいECサイトのSEO対策は、コラム・ブログページを作成して定期的に更新することです。
記事を更新するたびにコンテンツのページ数が増えてSEO対策に繋がります。
ただし、記事の内容はECサイトに関連のあるテーマでなければコンテンツの専門性が低くなってしまうので要注意です。
さらに、ユーザーが求める内容をわかりやすくまとめていると検索エンジンの評価に繋がり、上位表示されやすくなります。
コラム・ブログページをサイトのコンテンツのひとつとして設置し、定期的に記事を更新して、新鮮で正しく需要のある情報をユーザーに提供しましょう。
化粧品ECサイトのSEO対策と運営必ず気をつけること
化粧品のECサイトを運営する際には信頼性のあるサイトづくりをすることを必ず心掛けてください。
Googleは、金融や保険などのような「人々の幸福、健康、経済的安定、安全に影響を与える可能性のあるページ」を「YMYL(Your Money or Your Life)」と位置づけています。
YMYLに含まれているページは、内容が不十分である場合Googleからの評価が下がり、サイト全体の評価も落ちてしまいます。
ユーザーの健康に影響を与えかねない化粧品もYMYLに含まれるため、化粧品のコンテンツは特に信頼性を問われる分野なのです。
E-E-A-Tの概念を重視してコンテンツをつくろう
信頼性のあるコンテンツをつくるには、E-E-A-T(イーイーエーティ、ダブルイーエーティ)を意識するといいでしょう。
E-E-A-Tとは、経験(Experience)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つの概念を略したものであり、Googleがコンテンツの品質を判断するときに基準とする概念です。(評価指標、ランキング要因ではありません)
E-E-A-Tの概念を踏まえたうえでコンテンツを作成することが、ユーザーにとって有益なコンテンツ作りに繋がり、結果としてSEOの上位表示にも繋がるため、SEO対策においても重要な概念です。
E-E-A-Tを高めるためには、その分野において世間的に信頼のある方の監修を付けてコンテンツ制作を行ったり、情報を引用するときは一次情報や、厚生労働省や研究機関などの信頼できる団体が出している情報を載せたり、根拠のある情報を提供することを意識しましょう。
E-E-A-TやYMYLについてより詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。
>>E-E-A-T(旧E-A-T)とは?SEOに重要な4要素を解説!Google評価を高めるポイント10選もご紹介
>>SEO対策が重要なコンテンツの概念「YMYL」とは?
ランディングページ(LP)を作成して効率よく売上をあげる
売上を効率よくあげるには、ユーザーが知りたい情報が集約されているランディングページ(LP)の作成もおすすめです。
LPとは商品に関心のあるユーザーが一番最初に訪問するページのことで、縦長のレイアウトに目を引くデザインが特徴です。
商品の説明から注文、お問い合わせまで、ページを移動しなくても一連の流れをLP内で行えるので、ユーザビリティとともにコンバージョン率も上げることができます。
LPのSEO対策をしっかり行えば直接的な売上向上だけでなく、サイトの上位表示にも繋がるのでおすすめです。
薬機法と景品表示法に注意してコンテンツを作成する
また、化粧品のECサイトを運営するにあたって「薬機法」と「景品表示法」にも気をつけてコンテンツを作成しましょう。
薬機法とは、医薬品、医療機器等の品質と有効性および安全性を確保するために、製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定められた法律のことです。
保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止、指定薬物の規制、医薬品や医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進を目的とします。
正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
景品表示法とは消費者の利益を保護するための法律のことです。
ECサイトに商品を載せる際、実際の商品よりも良く見えるように表示したり、過大な景品を付けて販売することで、それにつられて消費者が商品を購入し不利益になることを防ぎます。
正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)」です。
薬機法や景品表示法を守らずに作成されているコンテンツは、ユーザーにとって優良なコンテンツではないとGoogleに判断されて評価が落ちる原因となります。
下記の記事で詳しく説明していますので、気になる方はこちらをご確認ください。
>>化粧品や健康食品のライティングは要注意! 薬機法違反にならないために
EC化が進む化粧品業界で大切なこと
化粧品業界は、日本の産業のなかでもEC化が進んでいない業界でしたが、最近では自社のECサイトで販売する企業が増えています。
ECサイトを運営するにあたって、SEO対策を施す以外にどのようなことを大切にすべきなのでしょうか。
そもそもECサイトとは
ECサイトのECとは「electronic commerce」のことであり、和訳すると「電子商取引」という意味です。
自社の商品やサービスをインターネット上で販売するために開設したウェブサイトのことを指します。
ユーザーはECサイトの中から欲しい商品を見つけると、直接店頭に行かなくてもネット上で商品を購入することができるのです。
化粧業界でECサイトの利用率が低かった理由とは
化粧品を購入する際、多くの方は実際に商品を試したときの使用感と、美容部員による専門的なアドバイスを重視していました。
ブランドコスメであるほどその傾向にあり、購入してから後悔をしないよう、使用感の確認とアドバイスを参考にして購入を決める方が多かったです。
そのため化粧品業界ではECサイトでの販売はあまり重要視されていませんでした。
ECサイト化が進み、化粧品ECにおいて大切なこと
2020年に流行した新型コロナウイルスの影響により外出を控える環境になったことで、ネット上で商品を購入するユーザーが急増しました。
化粧品業界においてもECサイトでの販売が注目を浴びるようになり、今後もEC化が進むのは間違いありません。
ECサイトを運営するにあたって大切なことは、お客様が化粧品を購入する際に重要視していた「使用感」と「専門的なアドバイス」を丁寧に説明することでしょう。
大手化粧品会社のECサイトの利用目的
大手の化粧品会社は、ECサイトをどのような目的で活用しているのでしょうか。
資生堂、DHC、ファンケルの3社のニュースや関連する記事をもとに情報をまとめたので、EC化との向き合い方の参考にしてみてください。
資生堂
資生堂は「リーチできない層を無くすこと」をデジタルマーケティングでの骨子として、テレビなどのマス広告とスマホやSNSをつかったデジタルの融合を図っています。
さらに一人ひとりに最適化した広告を配信することで、売上の最大化を考えています。
つまり資生堂は、ECサイト(watashi+)は商品を販売する場所でもありながら、製品を知ってもらう場でもあると考えています。
ECサイトでのメリットを取り入れつつ、店頭販売も含めマスとデジタルを融合することで、ブランド認知を高める施策をとっているのです。
参照:資生堂の小出氏が語った、マス広告メインだったブランド企業の本気のデジタルマーケティング(Web担当者Forum)
DHC
DHCは「マス広告で関心の持ったユーザーを専門サイトで囲い込む」戦略をとっています。
テレビや電車広告などのマス広告に力を入れつつ、ECサイトでの販売も注力するために「オリーブチャンネル」というオウンドメディアを開設しました。
オリーブチャンネルでは商品の販売よりも情報の発信に力を入れています。
日々、美容や健康に関する情報を発信することで、DHCブランドのファンを獲得することが目的です。
参考記事:DHC、美容・健康情報サイト「オリーブチャンネル」を開設(週刊粧業)
ファンケル
ファンケルは、ユーザーにリアルとネットの境界を融解する試みとして「オムニチャネル戦略」をスタートしました。
これにより、化粧品の使用感を店舗で体験してWEBでまとめて購入するなど、ユーザーの利便性が高まりました。
また上記の戦略にあたってWEB上と店舗の顧客情報の管理システムを融合させたことにより、問い合わせへのレスポンスの改善にもつながったそうです。
参考情報:ECと店舗を連動…ファンケルが「次世代オムニチャネル戦略」開始(通販通信ECMO)
化粧品ECサイトの運営は、マーケティングも大切
化粧品に限りませんが、ECサイトを運営するにはマーケティングが欠かせません。
マーケティングはお客様に商品の価値を効率よく感じてもらえるよう、お客様のニーズに合った商品・サービスを作り届けることです。
市場調査を行い「お客様が求めているもの」を知り、市場調査のもと作った商品をニーズの合ったお客様に届けられるよう広告宣伝活動を行います。
最後に、これら一連の活動が売上に結びついたのかを確認するため効果検証を行うのです。
マーケティングを行うことでお客様が求める商品をお客様の手元に届けられるだけでなく、効率よく会社の売上を上げることもできます。
店舗販売のように限られたお客様だけでなく、ネットを使ってより多くのお客様に商品を知ってもらえるようマーケティングを上手に利用してECサイトの運営を行ってください。
ECサイトのSEO対策をして、効率よく商品を広告しよう
化粧品のECサイトを運営するには、SEO対策にくわえて、専門家の監修をつけるなどして信頼性を高めることも心掛けましょう。
表現の仕方にも注意が必要なので断定的な表現は避け、正確な情報を提供するように意識してくださいね。
SEO対策は自力でも調べながら行える無料の広告方法ですが、結果が出るまでに時間がかかったり、競合にどうしても勝てなかったりと思うように行かないことも多いでしょう。
デジタルアイデンティティでは無料SEO診断サービスを行っています。
薬機法など専門性が必要なコンテンツのSEOサービスもご提供してますので、SEOについて悩んでいる企業の方は是非お気軽にお問い合わせください。
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お客様の業界・商材・競合を徹底的にリサーチし、お客様の商品を求めているユーザー像を明確化させ、ユーザーニーズに合った媒体・クリエイティブで訴求することで確実性の高いマーケティングをおこないます。
また、堅実な成績を目指すだけでなく、新しい訴求・新しいクリエイティブでブレイクスルーを起こすことも得意としています。連続的な堅実な改善施策と、非連続的な大幅なジャンプアップ施策を組み合わせることで大きなビジネス成長を実現します。
ECサイトのマーケティングにお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。