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日常やビジネスの会話において、相手に主張を伝えるのはとても重要なことです。
一生懸命考えたプレゼンや営業トークであっても、「あまり伝わってない…」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、相手に伝える有効な手法の1つとして、近年話題の「ストーリーテリング」です。
本記事では、ストーリーテリングの効果的な使用方法・活用事例などを紹介し、皆さんが実際に活用できるよう解説します。
目次
ストーリーテリングとは?
ストーリーテリングとは、童話や経験談などのストーリーを利用することで、自身の主張を相手により明確に伝えることができる手法を指します。
歴史の勉強などをする際に、ストーリーを元に学習すると記憶に残りやすかった経験はないでしょうか。具体的なデータや事実、数字だけでは中々覚えていることは少ないと思います。
ストーリーテリングが重要視される理由
近年、スマートフォンの普及により、情報は多くの場面から個人に提供されています。そのため、人々が抱える情報量は日々増加し、常に情報のアップデートが行われています。
このような状況下で、人々により明確に情報を伝える、また覚えてもらう為には人々を惹きつけ、情報を印象付ける必要があり、ストーリーテリングはその手段の1つとして活用できます。
スタンフォード大学経営大学院教授のジェニファー・アーカー氏の研究においても、物語を用いることで、事実のみよりも最大22倍多く記憶されると述べられていることから、ストーリーテリングの重要性はますます高まっていると言えるでしょう。
参考サイト:ストーリーの力を活用する |スタンフォード大学
ビジネスにおける活用
ストーリーテリングは、日常のみならずビジネスにも活用することができます。
例えば、
- 顧客に対して成功事例を用いて商品を提案する
- 採用サイトの社員紹介で印象的な経験を載せる
などがあります。
センスメイキングとの違い
センスメイキングは、ストーリーテリングの広義です。
ストーリーテリングでは、主張を伝える為にストーリーを活用します。
一方で、センスメイキングはストーリーに限らず、相手に効果的に物事を伝えることで、先方の行動を促すことを意味します。
ストーリーテリングの効果とは
ストーリーテリングには具体的にどのような効果があるでしょうか。
以下、メリット・効果について4点解説します。
イメージが伝わる
相手に語りかけ、より深い理解を促すことができます。
例えば、プレゼンで新企画を提案したいとき、聞き手は企画成功の為に何を判断材料にするでしょうか。堅苦しい数字やデータを並べるだけでは、中々実行まで決定させるのは難しいでしょう。
しかし、先ほどのデータに加え、前例や過去の疑似企画を添えて語ると、成功のイメージが湧き、提示したデータにも大きな意味を与えることができます。
共感を呼ぶ
相手の共感を得ることで、自身の信頼度は高まっていきます。
世間的にみて成功した人物が失敗談を話す際、「○○さんでさえこんなに苦労したのか」と感じたことはないでしょうか。
ストーリーテリングには、共感を呼び、相手を惹き込むというメリットもあります。
相手の記憶に残る内容になる
ストーリーに共感できる映画やドラマの内容は一度観ただけでも中々忘れません。
比較的難しい内容であっても、ストーリーとして捉えることで、「あの作品はあのシーンが面白かった」などといった鮮明な印象となり、記憶に残るでしょう。
会話や記事でも同様に、ストーリーを語ることは聞き手の記憶定着にも繋がります。
人間関係の成功を生みやすい
ストーリーテリングを効果的に活用できる人は、自然と周囲から「話が分かりやすい」「話していて楽しい」という印象を持たれます。相手に好印象を与え、今後の人間関係の構築のきっかけとなるでしょう。公私問わず、ストーリーテリングは人間関係構築にも役立ちます。
ストーリーテリングが有効なシーンは?
ビジネスシーンではストーリーそのものよりも、必要な情報を的確に伝えることが求められるため、意識してストーリーテリングを利用する必要があります。
では、ストーリーテリングの真価はどのようなときに発揮されるでしょうか。
以下、3つのシーンを紹介します。
印象づけたいとき
プレゼンの際、聞き手はあなたの話を最初から最後まで覚えることはできません。
そのため、自分が伝えるべきことを、常に意識して話す必要があります。
「これが伝わっていればOK」というものを決めておき、そのために話すエピソードを選択しましょう。聞き手に「こんな話してたよね」と覚えてもらうことが重要です。
相手の感情を動かしたいとき
例えば、あなたが新卒採用の企業説明会を主催するとなった場合、学生に対してどのように自社の魅力を伝えるでしょうか。優秀な社員のエピソードを学生に伝えるなど、自社で働くことに対してモチベーションを上げさせることで、より学生の入社意欲を高めさせることができます。ストーリーテリングを意識することで、相手のモチベーション向上を促すことが可能です。
相手の感情を動かし、意思決定を促す点でも、ストーリーテリングは有効です。
難しい内容を伝えるとき
あれこれと説明しても、「結局、何が言いたいのか分からない」と思われてしまっては勿体ありません。例えば、自社製品の持つ多数の機能を漫然と述べるのではなく、顧客のどのような悩みを解決できるのか、簡潔に示した方が相手のイメージを創出できます。
詳しい説明をすることも大切なことですが、分かりやすく伝えることを意識しましょう。
ストーリーテリングの活用事例
ここでは、ストーリーテリングを上手く活用している事例を4つ紹介します。
話し方のほかにもCMやWebサイトなど、マーケティングの分野で活用した事例も紹介しているので、是非参考にしてみてください。
スティーブ・ジョブス 卒業式のスピーチ
スタンフォード大学の卒業式で、ジョブズは自身の経験を基にスピーチしています。
伝えたいことを3つ紹介しており、全てがジョブズ自身の経験、ストーリーから得られた学びです。
大学中退やAppleからの追放といった失敗を赤裸々に語ることで、主張を的確に伝えています。
iPodの登場
iPod登場の際、スティーブ・ジョブズは、「1000曲をポケットに」というフレーズを打ち出しました。一般の人々にとって細かい機能の紹介は難しいですが、日常でイメージしやすい数字を使ったことで、iPodの魅力を分かりやすく伝えています。
Tepco CM
多くの企業が、ストーリー仕立てでCMを作成する事例も増えています。
このCMは、停電や雨雲、地震などをお知らせする「TEPCO速報」の宣伝です。
ただアプリを紹介するだけでは、魅力や有用性の伝達は半減していたかもしれません。
ここでは、見る人を物語に惹き込むことが重要になっています。
ベルロイ 商品Webサイト
Webサイトにおいても、ストーリーテリングはユーザーへの訴求に効果的です。
こちらのサイトでは、財布の機能を主に紹介していますが、動画を利用し通常の財布との違いを視覚的に伝えています。
「これなんだろう?」と思わせられるようなサイトを意識しましょう。
参考サイト:財布をスリムに|ミニマルな財布&カードホルダー|ベルロイ
ストーリーテリングを実践する際のポイント
ストーリーをただ話すだけでは、的確に主張を伝えることは難しいでしょう。
聞き手の理解を促す上で、話し手の工夫は重要な要因です。
ここでは、ストーリーテリングを実践する際のポイントを3点解説します。
具体性を持たせる
例えば、ストーリーの日付、天気、状況などを細やかに入れたり、セリフ、固有名詞を用いたりするのが有効です。
- 営業部の社員は、いつも朝元気に挨拶してくれる。
- 営業部の佐藤さんは、いつも朝「おはようございます!」と元気に挨拶してくれる。
本当に簡単な例ですが、後者の方がイメージが伝わりやすいのではないでしょうか。
聞き手に情景をイメージさせることが最も重要です。
ストーリーテリングを活用する際は、事実を話すだけでなく、より具体的な情報をセットで伝えるようにしましょう。
失敗を語る
前述のスティーブ・ジョブズの事例と同様に、自身の失敗を伝えることも有効です。
特に自身の経験談に基づく場合は、その失敗談が聞き手の共感を呼び、ストーリーをイメージしやすくなるため大きな武器となります。
失敗から得た学びや変化は、聞き手に情景を思い浮かばせながら話すことでより明確に伝えることができるでしょう。
聞き手への配慮
聞き手がどのような性質を持つ人間か考慮します。
例えば、ビジネスマンと小学生では、知識も経験も異なり、同じストーリーを伝えたとしてもその理解度には差が生まれるでしょう。
具体性や失敗を含めることも重要ですが、そもそも理解できていなければ意味がないので、ストーリーの選択自体にも注意するようにしましょう。
ストーリーテリングが学べる書籍
ストーリーテリングを上手く活用するには、センス以上に知識も必要になってきます。
そこで今回は、実例を用いてストーリーテリングを幅広く学べる本を2冊厳選しました。
使いこなすには慣れが必要ですが、まずはここから始めてみてください。
プロフェッショナルは「ストーリーで伝える」
ストーリーテリングの第一人者であるアネット・シモンズ著のバイブル本。
100以上の実例を掲載し、ストーリーテリングの手法、コツを網羅しています。
ストーリーを使うことは理解しているが、具体的にどのように話すのか分からないという方におすすめです。
ビジネスと人を動かす 驚異のストーリープレゼン
世界中の一流プレゼンを分析し、すぐに活かせるプレゼンのコツを紹介しています。
相手のモチベーションを上げる、教育するなど様々な観点におけるストーリーテリングの活用法を解説。一通り読むことで、ストーリーを使える場面の幅を広げることができるでしょう。
ビジネスと人を動かす 驚異のストーリープレゼン| Amazon
まとめ
ストーリーテリングは、人生において役立つスキルの1つと言えるでしょう。
ビジネスシーンでは、プレゼン、商談、マーケティング施策など様々な場面で有効です。
使えそうな経験やストーリーを目にした際は、メモを取っておくとよいでしょう。
自分の主張を効果的に伝えたいときに、是非本記事を参考にしてみてください。
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