
2025年5月、Google検索に新機能「AIモード(AI Mode)」が発表され、2025年8月21日には日本でも利用できるようになりました。
従来の「キーワード検索」とは異なり、AIが複数の情報を解析し、要約と回答を生成する「対話型検索体験」が可能になります。
ユーザーは検索結果を読む代わりに、AIと会話しながら課題を解決できるようになりました。
その一方で、AIが回答を完結させることでWebサイトへの流入が減るリスクも指摘されています。
本記事では、AIモードの仕組みや機能、実際の活用法、そしてSEOにどのような影響を及ぼすのかを、最新情報とともに解説します。
- AIモードは従来のキーワード検索型から、対話で課題解決まで導く探索型への転換
- 日本では2025年8月21日に提供開始。(9月から日本語にも対応)
- 現時点の主機能:Deep Search、マルチモーダル検索、パーソナライズ、(一部地域で)エージェントやショッピング機能等
- 今後はエージェント機能の本格展開や分析・可視化、パーソナライズ機能の高度化が見込まれる
- 「順位」が重要だったSEOから、「AIに選ばれる」LLMO対策へ
- 広告はAI回答下部や文脈統合型で表示テストが進行中
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目次
「AIモード」とは?
Googleが発表した「AIモード」は、まさに検索の概念を変えるものと言えます。
従来のように、キーワードを入力して情報を「探す」のではなく、AIと会話しながら「課題を解決する」新しい検索体験を提供します。
AIモードの概要について、確認していきましょう。
AIモードとは:「キーワード検索」から「対話への課題解決」へ
Googleの「AIモード(AI Mode)」は、従来の検索体験を大きく変える新しい検索機能です。
これまでのGoogle検索は「キーワードを入力し、複数のリンクを開いて情報を探す」というユーザー主導の検索型でした。
一方AIモードでは、ユーザーの質問を生成AIが理解し、複数の情報源を横断して要約・統合した回答を提示します。
さらに、回答内容に対して「もっと詳しく」「別の視点で教えて」などの追加質問をすることで、AIと対話しながら課題を深掘りでする探索型なのが特徴です。
つまりAIモードは、「情報を検索する」行為から、「AIと一緒に課題を解決する」行為へとシフトさせるもの。
従来の検索では難しかった「文脈理解」や「質問の再解釈」をAIが担うことで、検索の主導権がユーザーからAIへと部分的に移りつつあります。
「AIモード」と「AI Overviewa(AIによる概要)」の違いを整理
Google検索には「AIモード」と似た機能として、検索結果にAIによる回答を表示する「AI Overviews(旧:SGE)」が存在しました。
両者は混同されがちですが、目的と仕組みが明確に異なります。以下の比較表をご覧ください。
項目 | AIモード(AI Mode) | AI Overviews(旧SGE) |
---|---|---|
概要 | 対話型で課題を深掘りできる検索モード | 通常検索にAIの要約を付与する機能 |
主な目的 | 会話を通じて解決策を導く | 検索結果への回答を素早く提示 |
操作方法 | 「AIモード」タブを選択して起動 | 通常検索時に自動で概要が表示 |
対話性 | 高い(追加質問・再質問が可能) | なし(1回の生成要約のみ。AIモードへの以降は可能) |
利用シーン | プランの作成・商品の比較など | 一般的な質問や定義確認など |
表示形式 | 対話UI、引用リンク付き回答 | 要約ボックス+リンク表示 |
要するに、
AI Overviewsは検索の補助であり、
AIモードは新しい検索体験そのものです。
後者では、ユーザーが求める答えを得るまでAIとの会話を続けられるため、Google検索が単なる情報探索ツールから、思考のパートナーへと進化しているといえます。
なお、「AI Overviews」については、以下の記事で詳しく解説しています。
Googleの新機能「AI Overview」とは?SGEとの違い、日本で使う方法など解説
日本では2025年8月21日から利用可能に
当初は米国を中心にテスト展開されていましたが、2025年8月21日、AIモードの日本での提供を開始しました。
また、提供開始直後は言語としては英語のみでしたが、一部で日本語対応を開始されており、段階的に拡大中です。
今後もアメリカなどでテスト中の機能が、順次、日本を含めた各国・各地域での展開が予想されます。
実践:AIモードの使い方
AIモードは、これまでの検索と同じGoogle検索画面から利用できるよう設計されています。
新しいアプリをインストールしたり、特別な設定を行う必要はありません。
検索後に表示される「AIモード」ボタンやタブを切り替えるだけで、すぐにAIによる対話型検索を体験できます。
ここでは、PC・スマートフォン別の始め方と、実際の操作手順を紹介します。
AIモードの使い方(PCブラウザ版)
- Google検索ページを開く
ChromeやEdgeなど任意のブラウザで Google(google.com または google.co.jp)を開きます。 - 検索キーワードを入力する
通常どおり検索窓に調べたいキーワードを入力し、Enterキーで検索します。 - 検索結果上部の「AIモード」ボタンをクリック
検索結果ページの最上部に「AIモード」というタブが表示されます。
これをクリックすると、AIモードが起動し、生成AIによる回答表示エリアに切り替わり、検索ワードへの回答が表示されます。
AIモードの使い方(スマートフォン(Googleアプリ)版)
- Googleアプリを起動する
スマートフォンのホーム画面または検索ウィジェットから Googleアプリを開きます。
- 検索結果画面上部の「AIモード」タブをタップ
検索結果ページ上部に「AIモード」タブが表示されるのでタップします。
- 任意の検索ワード(プロンプト)を入力して送信
AIモードが起動するので、質問を入力して送信すると会話がスタートします。
基本的な使い方:対話を通じて課題を深堀りする
AIモードでは、単なる「質問 → 回答」で終わるのではなく、AIとの対話を通じて、段階的に課題を深掘りしていくことができます。
ここでは、その基本的な操作フローを3つのステップで紹介します。
STEP1:最初の質問(プロンプト)を入力する
検索窓に、知りたいテーマや悩みを自然文で入力します。
たとえば「BtoBマーケティングのSEO施策を教えて」や「WordPressの高速化の方法を知りたい」など、会話調での質問にも対応します。
AIは入力内容を理解し、関連情報を横断的に分析して最適な回答を生成します。
「◯◯の手順を3ステップで」「初心者向けに説明して」など、指示を具体化すると回答精度が上がります。
STEP2:AIの回答を確認し、引用元をチェックする
AIモードは回答を自動生成するだけでなく、情報源(引用元)を明示します。
回答の下部には、参照したWebサイトのリンクが並び、ユーザーはクリックして詳細を確認することができます。
これにより、AIがどのサイトを基に回答しているかを把握でき、誤情報や偏りを避けるための「情報検証」がしやすくなっています。
STEP3:追加の質問で対話を続ける
AIモードの最大の特徴は、「一問一答」で終わらない点です。
回答の下部にある入力欄に「もっと詳しく」「他の事例も見たい」「◯◯の観点で要約して」などを入力することで、AIとの会話を続けながら情報を深掘りできます。
この対話の繰り返しにより、ユーザーは自分の意図に近い情報に素早くたどり着けるようになります。
このように、AIモードは従来のキーワード検索型の検索エンジンではなく、一緒に課題を解決していくパートナーと言えるでしょう。
AIモードを支える技術
AIモードの背後では、従来の検索アルゴリズムとは異なる生成AI特有の仕組みが動いています。
ユーザーの質問を多角的に解析し、テキスト・画像・音声など複数の情報を統合して理解するAIモードを支えているのが、クエリ・ファンアウトとマルチモーダル処理という2つの技術です。
高度な処理を実現する「クエリ・ファンアウト」
「クエリ・ファンアウト(Query Fan-Out)」とは、ユーザーの質問を単一の検索クエリとして処理するのではなく、複数の関連するクエリに「分岐(ファンアウト)」させて同時に検索を行う仕組みのことを指します。
たとえばユーザーが「東京で週末に恋人と行ける温泉旅館を探して」とAIモードに入力したとします。
AIはこの1つの質問を、内部的に次のような複数の観点に分解して検索します。
- 「東京 温泉 週末」など、地理条件に基づくスポット検索
- 「カップル 温泉宿 口コミ」など、利用目的や比較クエリ
- 「予算別 温泉 宿泊プラン」など、価格・プラン情報に関するクエリ
これらを同時に実行し、結果を統合して要約することで、ユーザーは1回の質問で目的に即した包括的な提案を受け取ることができます。
従来の検索のように「東京 温泉」「カップル 温泉」などを何度も入力して比較する必要はありません。
AIモードでは、裏側で自動的に複数検索を行い、ユーザーの意図を先読みしてまとめて答える構造になっています。
「クエリ・ファンアウト」は、ユーザーの意図を読み解いて最適解を導くプロセスへと進化させる技術と言えるでしょう。
多様な入力を可能にする「マルチモーダル」
AIモードのもう一つの中核が「マルチモーダル(Multimodal)」技術です。
これは、テキスト・画像・音声・映像など異なる形式のデータを統合的に理解するAI処理技術のことを指します。
引用:Google 検索における「AI モード」を日本語で提供開始|Google公式ブログ
たとえば、スマートフォンのカメラでワインを撮影し、
「この料理に合うワインを教えて」
のように質問すると、AIは画像情報を解析し、テキスト情報と照らし合わせて回答を生成します。
また、音声入力やリアルタイム動画にも対応が進んでおり、今後は「話しかける」「撮る」「見せる」といったマルチモーダルな検索行動が主流になると考えられます。
この技術により、ユーザーはテキスト検索だけでなく、実世界の状況(カメラ・音声・位置情報など)を組み合わせたより直感的な情報探索を行えるようになります。
マルチモーダルによる情報処理の例
- 料理の写真を撮ってレシピやカロリーを検索
- 店舗の外観を映して営業時間やレビューを取得
- 音声で「このカフェに空席ある?」と質問
Googleは、これらの機能をAIモードに段階的に統合し、将来的には「視覚・音声・テキストのすべてを理解する検索体験」を実現する方針を掲げています。
次のセクションでは、こうした技術をもとにAIモードが提供する具体的な機能と今後の展望について解説します。
AIモードで利用可能な機能と今後の展望
AIモードは現在もハイスピードで開発が進められています。
ここからは、本記事を執筆している2025年10月15日(火)時点で利用できる機能と、今後実装予定の機能について紹介します。
現在利用可能な機能
AIモードには、すでに多様な機能が統合されつつあります。
検索の理解だけでなく、提案・生成・行動支援までをカバーする点が特徴です。
機能名 | 概要 | 活用シーン・特徴 | 備考 |
---|---|---|---|
Deep Search (ディープサーチ) |
ユーザーの質問を細分化し、複数クエリを 同時解析して統合結果を生成。 |
複雑なテーマの調査・比較検討に最適 (例:「〇〇市場のトレンドと主要企業」)。 |
Google AI 定期購入者のみ使用可 |
マルチモーダル検索 | テキスト・画像・音声・動画を統合的に理解。 | カメラ検索、音声検索、商品画像からの情報探索など。 | 利用可能 |
画像生成・編集機能 | 生成AIで画像の作成・補正・差し替えを支援。 | 広告・デザイン構想、商品イメージ作成に活用。 | 主にGoogle広告内の機能として使用可 |
エージェント機能 | 予約・問い合わせ・日程調整などをAIが代行。 | レストラン予約、ホテル検索、タスク実行の自動化。 | 米国で実験的に提供。日本では未提供 |
パーソナライズ機能 | 履歴や行動データを考慮して結果を最適化。 | ログインユーザーごとのリコメンド最適化。 | 利用可能 |
AIショッピング・ バーチャル試着 |
最適候補の提案、仮想試着、価格比較をサポート。 | ファッション・コスメなどEC領域での購買支援。 | 米国で展開中。バーチャル試着は一部のみ |
Canvas | サイドパネルで情報を保存・整理できるツール。 | 旅行プラン、学習計画、プロジェクト管理。 | Labsでの試験運用中 |
サーチライブ機能 | カメラ・音声でリアルタイムに状況認識して検索。 | 外出時の施設情報・ナビ・現地情報取得。 | 米国・インドのみで提供。日本では未提供 |
Chromeとの連携機能 | ブラウザ内で要約・補足検索を直接実行。 | 調査・リサーチの作業効率化。 | 米国で先行提供。日本では未提供 |
コラボレーション機能 | 生成結果の共有・共同編集を可能に(試験提供)。 | チームでのリサーチや資料作成に有用。 | 利用可能 |
今後、実装予定の機能
機能名 | 概要 | 期待される効果 |
---|---|---|
エージェント機能の本格展開 | 実験段階のタスク代行を一般提供へ拡大 (予約・購入・調整をAIで完結)。 |
情報探索から実行まで一気通貫。 旅行・飲食・ECでの体験が飛躍的に向上。 |
データ分析・可視化機能 | 検索結果や取得データをAIが 自動でチャート化・要約。 |
市場分析・レポート作成の効率化、 意思決定の高速化。 |
高度なパーソナライゼーション | 履歴・関心・スケジュールなど 個人文脈に最適化。 |
“専属AIコンシェルジュ”のような 継続的提案体験を実現。 |
「AIモード」の実際の使用例
ここからは、実際に「AIモード」を使用してどんなことが可能になるのか、日常生活やビジネスのシーンに沿って具体例を紹介します。
AIモードは、従来の検索のように“情報を探す”だけでなく、“状況を理解して提案・実行する”までを担うようになりつつあります。
レストラン予約をAIに任せる
引用:AI Mode in Search gets new agentic features and expands globally|Google The Keyword
AIモードの目玉機能のひとつが、ユーザーの行動を代行する「エージェント機能」です。
例えば、ユーザーが「明日の夜7時に渋谷でイタリアンを予約して」と指示すると、AIは複数のレストランを候補として提示し、空席状況を確認したうえで実際に予約手続き完了の手前まで進めてくれます。(最後の予約完了はユーザーが実行)
これまでは検索結果から予約サイトにアクセスして入力する必要がありましたが、AIモードでは会話の流れで完結できるため、大幅な時短につながります。
現状ではある程度細かく条件を指定する必要もありますが、パーソナライゼーションが進化すればAIがユーザーの好みを把握したうえでレストランを選定してくれるようになるでしょう。
レストランの予約以外にも、ホテルや美容院などにも利用可能です。
ただし、エージェント機能は米国で実験的に提供されている段階で、日本では利用できませんので実装を待ちましょう。
DIYのサポート
購入した家具を組み立てている時、説明書の図だけでは分かりにくい部品が出てきたときに便利なのが、AIモードの「Search Live」機能です。
スマートフォンのGoogleアプリからLensを起動し、Liveアイコンをタップします。
そして、カメラで対象の部品を映しながら「これ、どの向きにはめるの?」と尋ねると、AIが映像を解析し、該当するパーツの位置を画面上でハイライト表示してくれます。
音声でも取り付け手順を案内してくれるため、「専門家がそばでアドバイスしてくれる」ような体験が得られます。
Googleの公式ブログでは、「スーツケースの中でリネンのドレスがシワにならないようにするコツはありますか?」と聞いている以下の動画が公開されています。
旅行の荷造り中で作業をしながらアドバイスを聞きたい、というようなシチュエーションですね。
引用:Search Live: Talk, listen and explore in real time with AI Mode|Google Keyword
旅行プランの作成
家族旅行や出張など、計画立案にもAIモードは活用できます。
たとえば「3泊4日で小学生の子供も楽しめる京都旅行プランを立てて。金閣寺と清水寺は必須で、美味しい和菓子も食べたい」と依頼すると、AIが交通手段・観光スポット・食事処を考慮した最適ルートを提案。
提案内容は「Canvas」機能上で可視化され、スケジュールをドラッグ&ドロップで調整したり、新しいスポットを追加したりできます。
AIと共同でプランニングすることが可能になります。
AI回答での「参照リンク」の位置づけ
AIモードの回答には、根拠や出典として「参照リンク」が付与されます。
これは従来の検索結果のように「選択肢として並ぶリンク」ではなく、「AIが導き出した答えを裏付けるためのリンク」として機能します。
そのため、掲載されること自体が権威性の証明となる一方、従来のようにタイトルやディスクリプションでクリックを誘導する手法の効果は限定的になると考えられます。
トラフィック流入の変化とリスク
AIモードではユーザーがAI回答を読むだけで満足してしまう可能性が高く、従来の検索よりもサイトへの直接的なクリック数は減少すると見込まれます。
特に「定型的な答えが存在する質問」や「比較表で整理できる情報」などは、AI回答で完結するリスクが大きい領域です。
一方で、詳細情報や専門性が必要なテーマでは、参照リンク経由で質の高いユーザーが流入する可能性もあり、トラフィックの「量」から「質」へのシフトが進むと予想されます。
SEOへの影響とLLMO対策の重要性
AIモードによる検索体験の変化を踏まえると、従来のSEOだけでは不十分になりつつあります。
既にAI Overviewにより、流入数が減少しているサイトやキーワードがありますが、AIモードでの検索が増えることで、こうした流れがより顕著になることが予想されます。
AI検索時代においては「AIが回答に引用したくなる情報」を用意し、「AIに正しく伝える」ことが重要であり、これを LLMO(Large Language Model Optimization) と呼びます。
具体的には、以下のような対策が必要です。
- 生成AIに正しく情報を伝えるための構造化データの整備などの「技術基盤の整備」
- 一次情報や独自データの発信、権威性の向上などの「E-E-A-Tの強化」
- 生成AIが理解・引用しやすい「コンテンツ対策」
AI検索の時代には「検索順位」ではなく「AIに選ばれること」が新たな指標となります。
LLMO対策の具体的な方法について、詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にして下さい。
LLMO対策とは?AIO・SEOとの違いや具体的な対策方法を徹底解説
AIモードは広告にも影響がある?AIモードで広告は表示される?
AIモードは検索体験そのものを変えるものなので、これまで検索結果に表示されてきた広告にも影響があります。
従来の検索結果で当たり前だったリスティング広告やショッピング広告が、AIモードの世界でも有効なのか
Googleが発表している最新情報をもとに、AIモードにおける広告表示の現状と将来の展望を解説します。
AIモードでも広告は表示される?
AI Overviewでの広告掲載は、米国で既に提供が開始されています。
Googleは、AIモードにおいても広告を表示するテストをすでに開始していると公式に明言しています。
具体的には、AIモードの回答の下部に関連広告を表示する形式や、AI回答と統合された形で広告が挿入される形式を検証中との発表が複数確認されています。
引用:More opportunities for your business on Google Search|Google Ads&Commerce Blog
ただし、すべての検索セッションで広告が表示されるわけではなく、「関連性が高いと思われるクエリに対してのみ表示」される条件付き仕様になると見られています。
広告の表示位置とフォーマット
広告の配置・フォーマットについて、現在報じられている主なパターンは以下の通りです。
- 回答の下部に表示:AIによる回答の後に「関連広告」として並ぶ形式が最も基本形
- 回答に統合される形式:回答文の途中や直後に広告を自然に挟み込む形式もテスト中で、「回答内挿広告(ネイティブ風)」とされる事例も報じられています
- 明示的な「Sponsored」ラベル付与:広告であることをユーザーに明示するため、広告表示には「Sponsored(広告)」ラベルが付く運用が前提とされています
- テキスト広告、ショッピング広告の併用:Googleは、AIモード広告にはテキスト広告およびショッピング広告(商品情報付き広告)が含まれる可能性を示しています
このように、従来のリスティング広告の延長線上にありながら、AIモードならではの文脈重視・自然統合型の広告設計が模索されています。
AIモードにおける広告配信の仕組み
広告がAIモード内でどう選ばれ、どう表示されるか、その仕組みには、従来のキーワード入札型広告に加えて、生成AIのコンテキスト解析が関与する可能性があります。
- クエリ意図と文脈理解による広告マッチング
AIモードでは、ユーザーが入力した質問に対して文脈的に深い解釈を行い、回答を生成します。このため、広告配信も 文脈理解に基づく広告選定 が重視される設計になると見られています。 - 既存キャンペーンとの連動
広告主は、現在運用中の Google 検索広告・ショッピング広告・Performance Max - フィード(商品情報カタログ)整備の重要性
ショッピング広告を含めるためには、広告主側で最新かつ正確な商品フィードを維持する必要性が指摘されています。Feed Hygiene(フィードの整合性)が広告効果を左右する要素になる見込みです。
キャンペーンを通じて、AIモード広告枠にも配信される可能性があります。Googleは、既存キャンペーンの設定を活用できるよう設計を進めていると報じられています。
ただし、広告配信に関する詳細なアルゴリズムや入札評価基準など、内部仕様は現時点では公開情報が限定されており、完全には把握できていません。
広告効果への影響:クリック率・CV構造の変化
AIモード導入によって広告の成果モデル(CTR/CV/ROAS)にも変化が起こる可能性があります。
- CTR(クリック率)の低下リスク
回答がそのままユーザーの疑問を解決してしまうケースでは、広告が目立たずクリック率が落ちる可能性が高いです。特に、情報提供型の質問や定型回答が可能な領域ではこの傾向が強くなります。 - CVR改善・CVの質の向上
クリックにつながったユーザーは、比較検討や問い合わせ意向が強い可能性が高く、「量」よりも「質」の高いトラフィックが流入することが期待されます。特に検討型商材や高単価案件で効果が出やすいとの予測があります。 - 広告枠の希少化と単価上昇圧力
AIモード内の広告スペースは従来の検索画面と比べて限られる可能性があり、その希少性ゆえに広告単価(CPC)が上昇する可能性があります。
広告主が取るべき対応策
AIモードへの広告導入後に、広告効果を維持・向上させるためには、次のような戦略が考えられます。
ただし、AIモードは新しい検索体験になるため、想定とは異なる結果が出ることも十分に考えられます。実際に運用してナレッジを蓄積して、継続的に改善していくことが重要です。
施策 | 概要・具体的なポイント |
---|---|
文脈重視のクリエイティブ設計 |
単一キーワードではなく、AIが文脈を理解できる広告文を設計する。 例:「〇〇を始めたい人におすすめの方法」など、検索意図や課題解決を自然に含める。 |
フィード・データ品質の徹底管理 |
商品情報や広告用データを常に最新・正確に保つ。 不正確な在庫・価格・画像データはAIによるマッチング精度を下げる原因になる。 |
既存キャンペーンとの統合最適化 |
検索広告・ショッピング広告・Performance Maxを統合的に運用。 AIモードの広告枠にも自動で拡張配信されるよう設定を最適化する。 |
効果計測の見直し |
CTR(クリック率)よりも、 AIモード経由のCV(コンバージョン)やLTV(顧客生涯価値)をより重視。 「量」ではなく「質」を測る分析設計へシフト。 |
早期テストと分析強化 |
新しいAI広告フォーマットや配置を早期に試験運用し、データを蓄積。 広告表示の傾向・成果をモニタリングしてPDCAを高速化する。 |
まとめ:現状はイマイチだが、今後の対応は必須
AIモードは、単純なキーワード検索の時代から、AIがユーザーの意図を理解し直接回答する「対話の時代」を切り拓きました。
これは単なる機能拡張ではなく、情報探索から意思決定、そして実際の行動までをシームレスに支援する、全く新しい検索の形です。
実際に使ってみた感想として、現状はまだ出来ることも少なく、ChatGPTなどの生成AIとほぼ同じイメージです。
ただ、今後、エージェントモードの実装や高度なパーソナライズ機能などが提供されると、ユーザーの検索行動が大きく変わるポテンシャルを秘めていると感じました。
今後も通常のGoogle検索が無くなることはないでしょう。
ただ、一部の親和性の高いクエリでは、AIモードや生成AIでの検索に置き換わっていくことが予想されます。
つまり、これからは「AIにいかに評価されるか」の重要度が高まっていくということ。
AIの進化は極めて速く短期的な施策だけでなく、「E-E-A-Tの向上」や「ユーザーにとって有益なサービス・コンテンツ作り」など、本質的な施策が重要になります。
もし、社内で「LLMO対策」や「AIに最適化した広告運用」への対応が難しい場合は、専門的な知見を持つパートナー企業やプロフェッショナルへの相談も有効な選択肢です。
AIによる情報探索の中心が“人”から“AI”へと移行しつつある今、重要なのは、変化に備えるだけでなく、変化を前提に進化し続けることです。
検索体験の変革をチャンスに変えるために、今こそ一歩先を見据えた準備を始めましょう。
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生成AIが検索結果の入り口となる時代がすでに始まっています。
AI検索においては、自社の情報が「AIに正しく認識され、信頼され、引用される」ことが重要です。
デジタルアイデンティティでは、検索エンジン最適化(SEO)のノウハウに加え、生成AIに“選ばれる”ための構造化・設計・文脈最適化を行う「LLMO/AIO/AI Overviews対策」サービスを提供しています。
こんな課題をお持ちではありませんか?
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