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検索エンジンと聞いて真っ先に思い浮かぶのは”Google”という方が多いのではないでしょうか。
たしかにモバイル・PCともに圧倒的なシェア率を誇っているのはGoogleです。しかし、ここ数年で著しい成長を遂げ、デスクトップにおいてシェア率2位を占めているのがMicrosoft社発の”Bing”です。
徐々にユーザーが増加しているにも関わらず、SEO対策が手付かずのケースがほとんどのBing。多くの企業がビジネス展開しているWeb上で勝ち抜いていくには、先手を打った新規開拓が肝になります。
そこで本記事では、BingにおけるSEO対策の必要性やおすすめの方法をご紹介します。Googleとの違いや、BingのSEO対策で必須のWebマスターツールの活用術まで解説するので、ぜひ参考にしてください。
Bingとは
BingはWindowsを開発したMicrosoft社が提供している検索エンジンです。1998年以来、幾度の改良を重ねて進化してきました。Bingの歴史は以下の年表を参考にしてください。
1998年 | 「MSN Search」として検索エンジンサービスを開始 |
---|---|
2004年 | Microsoftは独自の検索インデックスとクローラーを開発し、MSN Searchをリニューアル |
2006年 | MSN Searchは「Windows Live Search」として再ブランド化 |
2009年 | 「Windows Live Search」と「MSN Search」のサービス統合で「Bing」誕生 |
2015年 | 再設計され、キーワード スタッフィングのペナルティとローカル検索の強化を行うアップデートが続く |
2020年 | 新しいロゴと色で「Microsoft Bing」にブランド名変更 |
2023年 | BingとOpenAIのChat-GPTが連携し、「Bing AI」機能が追加 |
BingのSEO対策は必要!実施すべき3つの理由
これまで日本においては、SEO対策といえば「Google」へのSEO対策を指すものでした。
しかし、近年、Bingが注目されるようになり、BingでのSEO対策の重要性も高まってきています。
以下で、BingでのSEO対策を実施すべき理由を3つ解説します。
市場シェア率の増加
2024年6月時点の日本における検索エンジンのシェア率は、1位Google74.97%、2位Bing14.55%、3位Yahoo!9.18%となっており、デスクトップではBingがYahoo!のシェア率を抜いています。
参照:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan
Bingがここ数年でシェアを伸ばした理由は、以下の要因が考えられます。
Windowsのデフォルト検索エンジン
Bingは、Windows10以降のデフォルト検索エンジンに設定されています。
そのため、パソコン初心者や設定を自由に変更できない会社員、設定方法に詳しくない高齢層などは、初期設定のBingを使用している方が多いと予想されます。今後パソコンの買い換えが進むとさらにBingのシェアが拡大する可能性は高いでしょう。
「Bing AI」の提供開始で注目されている
2023年2月、MicrosoftはBingAIというチャット機能(ChatAI)の導入で注目を浴びました。最新の人工知能技術GPTをベースにしたAIモデルを活用しているため、高度な検索結果や回答を生成できます。
Bingの検索エンジンを用いて情報を収集して情報源を提示してくれるのに加え、ChatGPTでは有料のGPT4が無料で使えるのが特徴です。
新規ユーザーの獲得
参照:https://www.atara.co.jp/unyoojp/2023/03/microsoft_ads_account_manager_series1/
※2015年時点のデータ
Bingのユーザー属性は、Googleと比較して以下のような特徴があります。
- 男性/16〜24歳、45歳以上の割合が高い
- 正社員が多く、年収レンジが高い
- 意思決定者の割合が高い
- PCユーザーの割合が高い
このような特徴から、性別や年齢などに合致する商品やサービスはもちろん、BtoBのように意思決定者にアプローチしたい商材とも相性が良いです。また、ほかの検索エンジンで満足な結果が得られなかった再検索ユーザーを獲得できる可能性もあります。
競合他社との差別化
BingのSEO対策を行うとGoogle SEOに注力している企業との差別化が図れます。「SEO=Googleに注力する」認識が根強く、未だBingのSEO対策に着手していない企業が大半です。
これまで、検索エンジンのシェアはGoogleとYahoo!で9割以上を占めていましたが、Yahoo!はGoogleのシステムを使っていたので実質的にはGoogleが9割以上のシェアを有していました。そのため、SEO対策はGoogleのみでもよかったのですが、Bingのシェア率が伸びてきた現在はSEO対策の幅を広げていく必要があります。
とはいえ、BingのSEOに詳しい方はまだ少なく、対策できていない企業がほとんどです。そのため、競争率が低く、少ないリソースで高い検索順位を達成しやすい傾向にある今のうちにSEO対策しておくことをおすすめします。
BingとGoogleの検索結果の違いは?
共通点の多いBingとGoogleですが、主に次のような違いがあります。
Bing | ||
---|---|---|
検索監視ツール | WEBマスターツール | Search Console |
インデックス機能 | リクエストして即日 (IndexNow) |
リクエストして数日後 |
情報の鮮度 | 全体的に重要度高め | クエリによっては重要 |
XMLサイトマップ | lastmodが最新のページが 優先的にクロールされやすい |
ユーザーにとって重要なページが 優先的にクロールされやすい |
クエリ | クエリとタイトルの一致率を重視 | クエリとコンテンツの一致率を重視 |
重視する対象 | サイト全体よりも個別ページの質を重視 | 個別ページも大事だが、どちらかというと サイト全体のEEATを重視 |
モバイル対応 | PCとモバイル両方大事 | モバイルファースト |
ディスクリプション | タグに書かれた内容を重視 | 原則ページ内からGoogleが自動生成 |
検索結果表示 | どのクエリも画像表示の数が多い | クエリによっては画像表示の数が多い |
生成AI | Bing AI | AI Overview |
SERPs
◆BingのSERPs
Bingは広告と自然検索結果が同じように見え、サジェストKWの提示数が多く、SERPsはごくシンプルです。
◆GoogleのSERPs
Googleは広告が明記され、強調スニペットやPAAやナレッジパネルなど、ユーザーに最適化されたSERPsを表示します。
クエリ
Bingはクエリとタイトルの一致率を重視する傾向にあります。Googleはクエリとコンテンツの一致率を重視するため、対策法が異なります。BingのSEO対策では狙うキーワードの意図とタイトルの関連性をなるべく一致させましょう。
ドメインパワーと被リンク
BingはGoogleに比べ、ドメインパワーや被リンクの影響が少ないといわれています。そのため、立ち上げて間もないWebサイトや被リンクが少ないサイトの場合は、GoogleよりもBingで上位表示を目指すほうが効率的に流入数を伸ばせる可能性があります。
BingのSEO対策で押さえるべき6つのポイント
BingのSEO対策において大切なポイントを6つ紹介します。
検索アルゴリズムへの順応(要素別)
BingでのSEO対策を徹底するならBing独自のアルゴリズムに順応するのがおすすめです。
GoogleのSEO対策を行えば上位表示の条件はそれなりに満たせますが、いくつかの点でアルゴリズムに違いがあります。上記のように情報の鮮度を高めたり、検索クエリとタイトルの一致率を上げたりするのが有効でしょう。
ドメインパワーもGoogleよりも重要度が低いため、ロングテールキーワードを狙えば新しいサイトや個人サイトでも上位表示を狙えます。
良質なコンテンツを作成する
SEO対策の基礎ともいえますが、BingのSEOにおいても良質なコンテンツを作成しましょう。コンテンツが薄く、広告やアフィリエイトリンクを主に表示したり、訪問者を他のサイトにリダイレクトしたりするWebサイトは、ランキングが急速に下がる傾向があります。
以下のポイントを意識してコンテンツを作成してください。
- 検索エンジンではなく検索ユーザー向けのコンテンツを作成する
- 訪問者の期待に応える関連性の高いコンテンツ
- 独自性を持たせる、コピーコンテンツはNG
- 画像と動画を最適化して、ページの読み込み時間を短縮
Microsoft Edgeへの対応
Microsoft Edge ブラウザで Web ページが壊れていないことを確認しましょう。Microsoft Edgeに対応しているものが評価されるため重要な要素です。
「Can I use」というサイトを使えば、それぞれのタグやプロパティ、画像フォーマットなどがどのブラウザに対応しているかがすぐにわかるのでおすすめです。
<例>WebPフォーマットが使えるブラウザ
参照:https://caniuse.com/
Webページ数を制限する
重複コンテンツや見る必要のないページは削除しておきましょう。Bing独自のルールとして、モバイル専用のURLは避け、レスポンシブまたはPC/SPを同じURLに(=デバイス別HTMLの使用)設定する必要があります。
-
そのほかの推奨設定
- canonicalタグを使用して、類似コンテンツのURLを正規化
- URLパラメータを設定しクロール効率を向上
適切なリダイレクトを行う
Bingではコンテンツを別の場所に移動する場合、少なくとも3ヶ月間は301リダイレクトを使用することとされています。移動が1日未満の場合は、 302での一時リダイレクト、 rel=canonical サイトのコンテンツが別の場所に移動したときは、適切なリダイレクトの代わりにタグを使用しましょう。
Webマスターツールを活用する
Webマスターツールとは、Microsoftが提供する無料のサービスで、自分のサイトをBing検索エンジンに最適化できる(サイトの改善やインデックス状況、検索評価の管理などを行える)ツールです。GoogleサーチコンソールのBing版といえばわかりやすいでしょう。
下記のアカウントを使って登録できます。
- Microsoft
XMLサイトマップ
Webサイトを更新したタイミングや、サイトの構造を変更したタイミングでXMLサイトマップを送信しましょう。Bingは最新情報を重視するためリアルタイム更新か、少なくとも1日1回の更新を推奨します。
URL検査
新しくページを作成したり、個別のページを更新した場合には、「URL検査」でそのページのクロールをリクエストすることができます。
使い方は簡単で、左メニューの「URL検査」をクリックし、ページ上部の検索バーにクロールしてほしいページのURLを入力し「検索」をクリック。
少し待つと現在のインデックス状況が表示されるので、「インデックス作成を要求」をクリックしてください。(新規ページも既存ページも同様の手順です)
サイトマップは一度に複数のページの更新情報を伝えることができますが、1〜数ページ程度であれば、この「URL検査」の方が便利な場合もあります。
IndexNow
更新されたページを即座に反映できるようIndexNowを活用しましょう。APIキーを生成後、Webサイトのルートにホストし、URLを送信すると導入できます。URLを送信したらWebマスターツールを使用して”URLが検索エンジンに受信されているか”確認してください。
APIを導入できない場合は、更新されたURLをWEBマスターツールから送信するか、サイトマップに含めることを推奨します。WordPress、PrestaShop、ShopifyなどIndexNowのプラグインがあるCMSを導入すると、複雑な手順なくIndexNowが使用できるのでおすすめです。
リンク
Webマスターツールのバックリンクの項目では、どのドメインからどれくらいのリンクが貼られているかなどの被リンク情報が確認できます。
Web サイト内の内部リンク、または他のサイトからの外部リンクをたどり、Bing が新しいコンテンツやページを発見できるようにしておきましょう。相互リンク、質の高いリンクが推奨されています。
Google同様、購入リンクやリンクファームは禁止されているため、注意してください。
コンテンツ削除(URLのブロック)
検索結果から削除したいページが出てきたり、古い情報がキャッシュされている場合は、「URLのブロック」機能を活用して対応しましょう。
「URLのブロック」機能では、URLを入力し、ブロックの種類の項目で「URLおよびキャッシュ」にチェックを入れて送信することでBingでの検索結果に表示されなくなります。
リクエストは最大 90 日間有効ですが、更新する必要があります。更新しないと検索結果に再びページが表示される可能性があるため、注意しましょう。
ページ削除ツール
URL:(Webマスターツール>「構成」 > 「URLのブロック」)
【上級者向け】クロールの制御機能
Web マスター ツールのクロール制御機能を使用し、Bingbotがコンテンツをクロールするタイミングやペースなどを管理しましょう。
特定のタイミングで定期更新があるようなニュースサイトなどの場合、いち早くインデックスを促すために有効な機能です。
【上級者向け】HTMLタグ
HTML要素とalt 属性が説明的・具体的・正確であることを確認します。Webマスターツールの「URL検査」または、マークアップ検証サービスを使用してHTMLを検証できます。
【上級者向け】JavaScript
Bingはクライアント側でレンダリングされたコンテンツと事前レンダリングされたコンテンツを切り替えるために、 動的レンダリングを推奨しています。
一方のGoogleではダイナミック(動的)レンダリングはあくまで回避策であるため、サーバーサイド レンダリングや静的レンダリング、ハイドレーションを解決策とするよう推奨しています。
BingとGoogleで明確に方針が違う部分なので、どちらを重視するかで対応を変えると良いでしょう。
【上級者向け】セマンティックマークアップを使用
セマンティック マークアップを使用して、 Schema.org、RDFa、または OpenGraphのいずれかでページに関する情報を伝えます。JSON-LDまたはMicrodata形式のSchema.orgが推奨されます。
ただし、Googleよりも対応項目が少ないので注意が必要です。
こちらのページを参考に対応してください。
Marking up your site: Overview|Webmaster Tools help & how to
Microsoft広告でBing SEOとの相乗効果も狙える
Microsoft広告とSEO対策の2つの施策を掛け合わせることで、相乗効果に期待できます。Microsoft広告とは、Bingの検索結果画面にリスティング広告を出稿する手法です。
Microsoft広告とSEOを併用すると検索結果画面での露出を増やせます。一般的にリスティング広告は、指定キーワードで検索した際に画面の最上位に表示され、SEOはリスティング広告の下に掲載枠があるため、検索結果画面の複数箇所で自社サイトを掲載することが可能です。
さらに、即効性の高いリスティング広告でユーザーの反響を知ったうえで、SEOで中長期的に対策すれば、より効果的なマーケティング戦略に繋げられます。
よって、広告予算に余裕がある場合には、BingのSEO対策に加えてMicrosoft広告の出稿を検討するのがおすすめです。
まとめ
ここ数年でシェア率を伸ばしているBingのSEO対策は、今後必要な施策といえます。しかし、現状はBingのSEO対策が手薄になっている企業がほとんどのため、ターゲット層が明確な商材やBtoB商材を扱っている企業、新興企業などは競争率の低い今がチャンスです。
GoogleでのSEO対策を基盤にBingのアルゴリズムへ順応し、Webマスターツールを活用すれば、Bing検索エンジンに最適なサイトを構築できます。今のうちに対策して、新規ユーザーの獲得を狙いましょう。
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